【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆先週の血統ピックアップ・1/30 シルクロードS(GII…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆先週の血統ピックアップ
・1/30 シルクロードS(GIII・中京・芝1200m)
好位で我慢したメイケイエールが残り300mで抜け出し、昨年のチューリップ賞(GII)以来となる4つめの重賞タイトルを獲得しました。スプリント路線に転向してから初めての重賞制覇です。高い競走能力と、手に負えない気性難を併せ持つ癖馬ですが、今回はパシュファイヤーと折り返し手綱を付けて臨み、折り合い難を封じ込めることに成功しました。
チューリップ賞は道中まともに引っ掛かったにもかかわらず、最後まで垂れずに踏ん張ったように、潜在能力の高さは素晴らしいものがあります。距離短縮や馬具の工夫により今後に目途が立ったとなれば、高松宮記念(GI)でも怖い一頭です。
「ミッキーアイル×ハービンジャー」という組み合わせで、ソダシ(桜花賞、阪神JF)と同じくシラユキヒメの牝系に属しています。2代母ユキチャンはダートグレード競走を3勝した砂の名牝。父ミッキーアイルはディープインパクト産駒の名マイラーで、ほかにデュアリスト(兵庫ジュニアグランプリ)、ナムラクレア(小倉2歳S)を出しています。
牡馬の通算成績は芝5勝、ダート21勝。牝馬は芝22勝、ダート6勝。牡馬と牝馬でこれほど産駒傾向の異なる種牡馬も稀です。
◆今週の血統Tips
1月29日、米フロリダ州ガルフストリームパークで行われたペガサスワールドC(G1・ダ9ハロン)は、1番人気ライフイズグッドが制しました。
スタートから飛び出して後続を引き離し、昨年の覇者で前走BCクラシックを制覇したニックスゴーを寄せ付けず逃げ切りました。通算成績は7戦6勝。前走BCダートマイルに続いてG1連勝です。
父イントゥミスチーフは昨年まで3年連続で北米首位種牡馬の座に就いており、年明け早々、1着賞金175万5000ドルのビッグレースをモノにしたことで、4連覇へ向けて大きく前進しました。
「イントゥミスチーフ×ディストーテッドヒューマー」の組み合わせはプラクティカルジョーク(米G1を3勝、デュガ、クロデメニルの父)と同じ。イントゥミスチーフは手駒が豊富で次から次へと大物産駒が出てきます。アメリカ生産界は今後しばらく同馬の時代が続きそうです。
(文=栗山求)