久々の実戦復帰。「まーじで、嬉しい! ハハハハ!」。まぶしい笑顔を浮かべるのは、マルジーン・イラウアだ。 若手中心の日本代表は4月29日、東京・秩父宮ラグビー場でアジアラグビーチャンピオンシップの第2試合に挑む。相手は22日の初戦に続き、…

 久々の実戦復帰。「まーじで、嬉しい! ハハハハ!」。まぶしい笑顔を浮かべるのは、マルジーン・イラウアだ。

 若手中心の日本代表は4月29日、東京・秩父宮ラグビー場でアジアラグビーチャンピオンシップの第2試合に挑む。相手は22日の初戦に続き、韓国代表となる。

 ジャパンを率いるジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、先発メンバーを前節から8名も入れ替え、2連勝を狙う。

 イラウアも、今回からスターターに名を連ねる1人だ。

「久しぶりの試合。2か月ぶりくらい。結構、嬉しい!」

 身長187センチ、体重105キロの23歳。ニュージーランドはオークランドのケルストンボーイズ高を経て、2012年に来日していた。

 日本代表へは2016年秋に初選出され、今年は2月から国際リーグのスーパーラグビーへ挑戦。ナショナルチームと連携する日本のサンウルブズの一員として、2月25日の第1節に先発出場していた。

 ところがこの試合で足首を故障。前半35分で退いた。

 この日は好タックルなどを繰り出していただけに、悔しい戦線離脱となった。秩父宮でおこなわれたこのゲームでは、前年度王者のハリケーンズに17-83と完敗した。

 雌伏期間を経て、候補選手が都内で汗を流すナショナル・デベロップメント・スコッドのキャンプへ4月から参加した。22日には、仲間たちが格下とされる相手に29失点を喫するなどやや苦戦。イラウアには、一層の強さと激しさが求められている。

「もっと、いいアタックがしたいね」

 盟友との共演も、間近に迫っている。

 日本代表主将経験者のリーチ マイケルとは、国内所属先の東芝で一緒にプレー。国内シーズン時は一緒にカフェへ出かける間柄だ。スーパーラグビーのチーフスにも籍を置くリーチについては、一部報道で将来のサンウルブズ入りが伝えられている。これがもし実現したらという前置きをしたうえで、通称「ジーン」はさらに笑顔を浮かべたものだ。

「もし入ってくれたら、マジで嬉しい。いっぱい、(チームのことを)教える!」

 日本代表は6月、ベストメンバーを編成してアイルランド代表などと戦う。この時期、スーパーラグビーは休息期間に入る。現在ニュージーランドに滞在するリーチも、選考対象となる。

 リーチと一緒に代表へ入る意欲を問われた「ジーン」だったが、「僕はまだ自信、持っていないね」と断じる。いまの自分がその隊列に加わるには、より一層のハードワークが必要なのだという。

 自身が帝京大の学生だった2015年秋、リーチら当時の日本代表はワールドカップイングランド大会で歴史的3勝を挙げている。当時の戦士たちを思い浮かべ、謙虚にこう語るのみだ。

「ワールドカッププレーヤーは、いい選手。…でも、6月は一番、いいメンバーで行って欲しい。日本の勝ちがいいから!」

 流暢な日本語を駆使し、「もちろん、(6月も)プレーはしたい。まず、自分の悪い部分をもっとレベルアップさせたい」とも笑う。代表の主力候補の集まるサンウルブズの本隊へ戻り、完全復活をアピールしたい。そのためにいまできることは、次の韓国代表戦で爆発することだ。(文:向 風見也)