隔離期間明けの千葉が秋田に85-69と快勝、PG大倉颯太は14得点の大活躍 バスケットボールBリーグの千葉ジェッツは昨季…

隔離期間明けの千葉が秋田に85-69と快勝、PG大倉颯太は14得点の大活躍

 バスケットボールBリーグの千葉ジェッツは昨季のB1王者で、今季も現在21勝6敗と東地区の首位を走っている。ただ、そんな彼らもコロナ禍で小休止を強いられていた。

 まず1月8日、9日の琉球ゴールデンキングス戦が中止となった。さらに11日、千葉の選手1名が新型コロナウイルスの陽性と判定され、15日には9選手が濃厚接触者と判定された。チームは隔離期間に入り、24日まで活動ができない状態だった。

 26日の秋田ノーザンハピネッツ戦は、24日ぶりの公式戦だった。試合感覚が十分に戻っていない状況下だったものの、千葉は85-69と勝利している。

 別の大きな試練を乗り越えた選手がいた。大倉颯太は185センチ・83キロのガードで、早くから将来を嘱望されていた22歳の逸材だ。しかし千葉の特別指定選手としてコートに立っていた昨年2月に、全治12か月と診断される膝の重傷を負っていた。東海大4年となった大倉は手術、リハビリを乗り越えて昨年10月31日の関東大学リーグ戦から実戦に復帰。大学のシーズンが終わった12月下旬から、プロのコートに戻っていた。

 大倉が秋田戦の勝負どころで躍動した。第4クォーター開始とともにコートに戻ると、残り8分39秒に3ポイントシュートを成功させる。相手がゾーンディフェンスに切り替えたなかで、右コーナーから冷静に沈めた。

 続く残り7分36秒にも、秋田の田口成浩が後ろからファウルで止めに来るなかで3ポイントを沈め、さらにフリースローも成功させる“4点プレー”を決めた。さらにブロックショット、アシスト、とどめのスリーと大爆発を見せる。第4クォーターは合計4分34秒のプレーで、10得点1アシストのスタッツを残した。

 大倉は試合を通しても15分48秒の出場時間で、14得点2リバウンド1アシストを記録。14得点はキャリアハイで、勝利の立役者の1人と言える大活躍を見せた。大倉は自身の第4クォーターのプレーをこう振り返る。

「僕がハンドラーでピックをすることが多かったので、打てる時は打ちました。みんなで相手のディフェンスにアジャストして、常にリングに向かった感じです」

 ピック&ロールのハンドラーとして仲間のスクリーンを使い、ズレを活かすのは大倉が得意な形だ。秋田のコルトン・アイバーソンは212センチのビッグマンだが、大倉に対して“引いて守る”対応をしていた。4点プレーにつながった3ポイントシュートは、それを見てトップの位置から放ったものだ。

 大倉はこう説明する。

「スカウティングの時点で相手のビッグマンのディフェンスについて、この選手はこう来ると分かっていました。それを意識しながら、その場で判断してシュートを狙いにいった感じです」

大野HCが母校の後輩に伝えたアドバイス

 もう一つ、大倉がこの試合で“攻め気”を見せていた理由がある。大野篤史ヘッドコーチ(HC)は明かす。

「彼に伝えていたのは『上手くやろうとしすぎている』『バランスを取ろうとしすぎている』『もう少し自分が何をできるか証明しなければいけないよ』というところです。クリエイトとバランスを取るばかりになって、玄人好みのプレーをしていた。若さ、アグレッシブさを出してほしいと言いました。今日のゲームでそこが見えて良かったです」

 合流後の5試合中4試合で、大倉は10分以上のプレータイムを得ている。一方で得点は伸びていなかった。

 なお大野HCにとって、大倉は野々市市立布水中の後輩に当たる。大野は1992年、大倉は2014年の全国中学生大会優勝メンバーだ。大野HCは続ける。

「もちろん(アグレッシブなプレーは)チームのためになりますし、彼の今後のキャリアを考えてもいい影響を与えます。彼を小さい時から見ているので、もう少しこのリーグの中でも存在感を増していけるはずだ、と話しました」

 大倉は言う。

「それこそ昨日ですね。僕が練習中に自分のチャンスを生かさないで、綺麗にプレーしようとしていた。『それだけだったらオフェンスもいいリズムにならない。まずアタックを狙って、その後ディフェンスの反応を見て判断する感じでやったらどうだ?』と言われました」

 あれだけの確率で入るなら、シュートを打たない手はない。もちろん得点の怖さが出れば、相手はもちろん大倉の警戒を強めるだろう。しかしそうなれば今度は味方が空く。そうやってオフェンスのリズムは生まれていく。

 大倉は東海大の2年次、3年次にも千葉の特別指定選手として、練習や試合を経験している。ルーキーとはいえ、チーム戦術やインテンシティへの戸惑いはない。

「(チーム戦術の)理解は100%していると思っていますし、あとは選手との信頼関係です。後から入ったので、努力しなければいけないことはたくさんあります。HCに言われるまで、自分にどういう役割があるのか模索しながらやっていました。そこで自分らしさを出してからこそ分かることがある、と言ってもらえた。まずは積極的に行って、どんどんアドバイスをもらって、成長していきたいと思います。今日みたいに、今日よりもっと、アグレッシブに点数を取りにいきたい」

 コンディションについて尋ねると、明るい表情でこう返してくれた。

「パフォーマンスにはなんの影響もない状態です。船橋整形外科病院さんをはじめ、千葉ジェッツのトレーナーの皆さんに日々サポートしてもらっています。メディカルチームの方がいるからこそ、これくらいパフォーマンスに影響なくやれていると思うので、本当に感謝しています」(大島 和人 / Kazuto Oshima)