バルセロナの追撃を受けるレアル リーガも残すところ10試合。3月に入って4試合を消化し首位レアル・マドリーと2位バルセロナが2ポイント差(レアル・マドリーの消化試合数は1つ少ない)、3位セビージャと4位アトレチコ・マドリーも2差とそれぞれ今…


バルセロナの追撃を受けるレアル

 リーガも残すところ10試合。3月に入って4試合を消化し首位レアル・マドリーと2位バルセロナが2ポイント差(レアル・マドリーの消化試合数は1つ少ない)、3位セビージャと4位アトレチコ・マドリーも2差とそれぞれ今週末で順位が入れ替わる可能性がある。

 レアル・マドリーは3月2勝1分け1敗と好調アラベスをホームに迎える。ペジェグリーノ監督のチームは引いて守るチームからポゼッションのできるチームに変身。目標の残留を確実にして失うものもない。守備の要センターバックのラグアルディアを中心とした5バックからカウンターのチャンスをうかがう戦い方をしてくるはずだ。3月3勝1分けのレアル・マドリーはここ2試合(アスレティック・ビルバオ、ベティス)は苦戦続き。不安定なプレーでブーイングされるケイラー・ナバスへの観客の反応にも注目だ。

 バルセロナは、残り10試合で6勝を目標に残留に最後の望みをかけるグラナダを訪れる。グラナダはインターナショナルマッチに8人の各国代表を送り出しており、戦力は間違いなく充実しているのだが……。その中の1人ナイジェリア代表のボランチ、ウチェのボール回復力でパスサッカーを寸断したい。バルセロナはメッシが出場停止だが、ネイマールが絶好調で崩しは問題ない。フィニッシュはルイス・スアレスの双肩にかかっている。

 前節両者が激突し、明暗(3-1でアトレチコ勝利)を分けたアトレチコ・マドリーはマラガ、セビージャはスポルティングと対戦する。ミチェル監督に交代したマラガは3月も1分3敗と転落が止まらず。内容は悪くないが勝てない状態が続いている。バルセロナでの遠慮したようなプレーがなくなったサンドロがその突進力、強烈なシュート力を生かして攻撃を引っ張らないと苦しい。3月3勝1分のアトレチコ・マドリーはグリーズマンも好調だが、上向きのフェルナンド・トーレスに注目してほしい。技の前者、スピードの後者のコンビを止められるチームは少ないだろう。

 3月に入って1勝2分け1敗のセビージャはCL敗退もあってサンパオリ監督の采配に疑問符が付いている。ここ3試合で前半終了時の交代が5というのは先発選択ミスを指摘されてもしょうがない。ヌゾンジ、ビトロ、ナスリと休みなく使われてきた柱に疲れが見え、快調にゴールを決めていたヨベティッチも先発から外す不思議な決断後、ペースダウンした。前節グラナダを撃破(3-1)しスポルティングは、前節のベスト11にバビン、カルモナ、ブルギを送り込んだ。CBのバビンが守りを安定させ、長身FWトラオレとともにセットプレーで猛威を振るうようだと、残留に希望の光が見えてくる。

 3月3勝1敗のビジャレアルは3分1敗のエイバルを迎える。エイバルは残留を確実にし楽しむためにプレーしてくるだろう。戦術を理解したことで、乾はメンディリバル監督の望むプレーができている。初ゴールとともに今季良くなった忠実なプレスに注目したい。ビジャレアルでは昨年8月の大ケガから復帰したソルダードを見てみたい。彼が戻って来たことでアドリアン、バカンブー、サンソネ、サントス・ボレと合せ、ラストスパートに心強い5人のFWがそろった。

《文=木村浩嗣》