10人になりながらも劇的勝利のライプツィヒ 終盤戦を迎えたブンデスリーガは、例年通りタイトル争いが大方決着し、欧州カップ戦出場権争いと残留争いが白熱している。  2位ライプツィヒは11位レバークーゼンに劇的な勝利でその座をより確固…


10人になりながらも劇的勝利のライプツィヒ

 終盤戦を迎えたブンデスリーガは、例年通りタイトル争いが大方決着し、欧州カップ戦出場権争いと残留争いが白熱している。 

 2位ライプツィヒは11位レバークーゼンに劇的な勝利でその座をより確固たるものにした。両チームともにチャンスを作り出しながらも、試合はスコアレスのまま終盤に。すると88分にライプツィヒは、センターバックのDFビリー・オルバンが2枚目のイエローカードで退場を宣告されてしまう。

 しかし、このままで終わらないのが今季のライプツィヒだ。93分、MFマルセル・サビツァーの縦パスを受けたFWエミル・フォスベルクがゴール前に折り返すと、途中出場のポウルセンがポストに当てながら執念で押し込んだ。これでライプツィヒは貴重な勝ち点3を掴み、3位ホッフェンハイムとの勝ち点差を7ポイントとした。

 一方、前節バイエルンに勝利した3位のホッフェンハイムは、アウェーで14位ハンブルクに敗れて足踏みとなった。立ち上がりから勇敢な戦いを見せていたハンブルクは、25分にハントの直接FKで先制する。35分にはDFマティアス・オストツォレクがDFエルミン・ビカクチッチをエリア内で倒し、このPKをFWアンドレイ・クラマリッチが冷静に沈めてホッフェンハイムが同点に追いつく。

 ユリアン・ナーゲルスマン監督は後半から組み立て役のMFセバスティアン・ルディに代えてアタッカーのMFナディエム・アミリを投入して勝負に出る。しかし、決勝点を奪ったのはハンブルクだった。75分、MFルイス・ホルトビーの縦パスにMFボビー・ウッドが抜け出すと、右でフリーになっていたMFアーロン・フントが冷静に蹴り込んだ。

 これでハンブルクはホーム10試合負けなし、ホーム4連勝と本拠地で強さを誇っている。13位ボルフスブルクが12位シャルケに1-4で敗れたため、ハンブルクは順位を一つ上げた。次節はブレーメンとの”北部ダービー”を迎える。勝ち点差3ポイントで迎えるだけに、いつも以上に激しいダービーになるはずだ。

終盤戦に活躍が期待されるマインツの武藤嘉紀(写真:Getty Images)

残留争いも見逃せない展開に

 15位マインツは苦しい戦いが続いている。マインツをホームに迎えた7位フライブルクは69分にFWニルス・ペーターセンを投入すると、1分後にDFルーカス・ケブラーのシュートをゴール前で押し込んで決勝点。FW武藤嘉紀が4試合ぶりに先発復帰したが最後までゴールは奪えず、結局0-1で敗れて5連敗となった。

 マインツはマルティン・シュミット監督の解任も噂されていたが、シュレーダーSDはシーズン終了までの続投を明言。監督交代による起爆剤効果に期待するのではなく、これまでチームを築き上げてきたシュミット監督にチームの命運を託した。そんなマインツは次節ホームにヘルタ・ベルリンを迎える。ヘルタはアウェーで7連敗中と苦しんでいるだけに、何とか勝ち点3を掴みたいところだ。

 そのヘルタはホームでアウクスブルクに2-0で勝利し、連敗を3でストップした。FW原口元気はリーグ戦14試合ぶりに出場がなかったものの、代わりに右MFに入ったバレンティン・シュトッカーが1ゴール1アシストと活躍。12分にCKのこぼれからシュトッカーがシュートを放つと、ゴール前でDFジョン・ブルックスが頭でコースを変えて先制し、37分にも抜け出したFWサロモン・カルーからパスを受けてシュトッカーが追加点を奪った。

 一方のアウクスブルクは3連敗、6試合白星なしと苦しい状況。FW宇佐美貴史は79分から交代でピッチに入り、7試合ぶりの出場となったが、ボールタッチ回数は5回に留まり見せ場を作ることはできなかった。

 17位インゴルシュタットが18位ダルムシュタットに3-2で勝利したため、16位アウクスブルクと1ポイント差になり、いよいよ残留争いは混戦に。17位インゴルシュタットから2ポイントの中に4チームがひしめき合う状況となっている。アウクスブルクは次節ホームでケルンと対戦する。

 5位ケルンと9位ボルシアMGの”ライン・ダービー”は3-2でアウェーのボルシアMGに軍配。ケルンはボール支配率32%対68%、シュート数9本対16本と劣勢を強いられながら2度のビハインドを追いついたが、終盤FWラース・シュティンドルに決められると再び追いつく力は残っていなかった。

 この試合では負傷で離脱していたFW大迫勇也が予定を1試合早め、後半から途中出場。チャンスに絡むことはできなかったが、EL出場権獲得へ向け調子が上がらないチームにとっては明るいニュースになった。

《文=山口裕平》