21戦無敗のユナイテッドは記録を伸ばせるか 2016-17シーズン終了まで6節を残すのみとなった。首位を独走しているチェルシーは、第32節でボーンマスと対戦した。ホームで強さを見せているボーンマスに対し、前半17分にチェルシーはオウンゴール…


21戦無敗のユナイテッドは記録を伸ばせるか

 2016-17シーズン終了まで6節を残すのみとなった。首位を独走しているチェルシーは、第32節でボーンマスと対戦した。ホームで強さを見せているボーンマスに対し、前半17分にチェルシーはオウンゴールで先制すると、その3分後には自陣からのロングカウンターを最後はMFエデン・アザールがゴールに沈めて2-0とリードを広げる。さらに後半にはDFマルコス・アロンソの直接FKも決まり3-0で勝利。首位の座をしっかりと維持している。

  首位のチェルシーより少ない3敗しか喫していないものの、リーグ最多12の引き分けによって順位を上げられないマンチェスター・ユナイテッドは、第32節ではデビッド・モイーズ監督が率いる最下位のサンダーランドと対戦した。前半にFWズラタン・イブラヒモビッチが反転シュートを決めて先制すると、後半に入って退場者を出した相手から、MFヘンリク・ムヒタリアン、FWマーカス・ラッシュフォードが追加点を挙げて3-0で快勝している。この結果、アーセナルを抜いて5位になり、来シーズンのヨーロッパリーグ出場圏内に浮上した。一方のサンダーランドは残留に向けて厳しい状況に立たされた。

  5位のユナイテッドと4位のマンチェスター・シティとの勝ち点差は「4」。ユナイテッドは消化試合が一つ少ないだけに、逆転で来季のCL出場権を狙える可能性も十分にある。それだけに負けられない戦いが続くユナイテッドだが、第33節の対戦相手はリーグ首位のチェルシーだ。第9節以降、ユナイテッドはリーグ戦で21戦無敗。しかし、その第9節で負けた相手こそがチェルシーであり、その試合は0-4という惨敗を喫している。その後、カップ戦でもチェルシーに敗れたユナイテッドは、実に直近12試合でチェルシーに勝利できていないのだ。それでも、優勝へのカウントダウンを進める相手に勝てれば勢いもつくはず。今後、シティ、アーセナル、トッテナムといった上位クラブとの対戦も残っているユナイテッドが勝利すれば、優勝争いも過熱することになりそうだ。 


新監督の下で続いていた連勝がストップし、CLでも敗れたレスター(写真:Getty Images)

監督交代で流れを変えたクリスタルパレス対レスター

 クレイグ・シェイクスピア監督就任後、5連勝で一気に降格圏から中位に順位を上げたレスター・シティは、第32節でエバートンと対戦した。昨季王者はミッドウィークにチャンピオンズリーグ準々決勝のアトレチコ戦が控えているため、FW岡崎慎司、DFウェズ・モーガンら主力4人をベンチ外にしていた。その影響もあってか、レスターは開始わずか30秒で先制点を決められてしまう。その後、一度は2-1と逆転したが、現在リーグ得点王のFWロメル・ルカクに2点を決められるなど、最終的には2-4で敗れて連勝はストップ。セットプレーの守備の甘さは修正が必要なポイントだ。33節の対戦相手であるクリスタルパレスも、サム・アラダイス監督が就任してから息を吹き返したクラブ。チームの救世主となった両指揮官の采配にも注目の一戦だ。

  もう一人の日本人プレミアリーガーであるDF吉田麻也の所属するサウサンプトンは、マンチェスター・シティと対戦する。前々節のクリスタルパレス戦、前節のWBA戦に勝利し、今季3度目の連勝を飾ったチームは、今季初の3連勝を目指す。直近5試合で1勝3分け1敗というシティだが、エースのFWセルヒオ・アグエロは好調で4試合連続でゴールを挙げている。吉田とアグエロのマッチアップは、この試合の見どころの一つだ。

  順位を6位に落とし、いよいよアーセン・ベンゲル監督の去就が騒がしくなっているアーセナルは、敵地でミドルスブラと対戦する。ミドルスブラは19位と低迷しているが、現在アーセナルはアウェーゲーム4連敗中。さらにミドルスブラとのアウェーゲームも相性が悪く、こちらも現在4連敗しているのだ。降格圏に位置するミドルスブラだが、守備は堅い。今季ここまでの失点数は6位のアーセナルが39なのに対して、ミドルスブラは37。ユナイテッドと並ぶ12の引き分けを演じているクラブが相手の攻撃に耐える展開が続けば、勝利が必要なアーセナルの足を引っ張ることは十分に可能だろう。

《文=河合拓》