トッテナムとの差を広げておきたいチェルシー 第33節、最大のビッグマッチとなったマンチェスター・ユナイテッドとチェルシーの一戦は、ホームのユナイテッドが圧倒する結果となった。2位のトッテナムが4-0とボーンマスを圧倒したことで、首位のチェル…


トッテナムとの差を広げておきたいチェルシー

 第33節、最大のビッグマッチとなったマンチェスター・ユナイテッドとチェルシーの一戦は、ホームのユナイテッドが圧倒する結果となった。2位のトッテナムが4-0とボーンマスを圧倒したことで、首位のチェルシーとトッテナムの勝ち点差は「4」まで縮まっている。

 首位チェルシーにとって誤算だったのは、守備陣の負傷者だ。ミッドウィークの練習中に負傷したGKティボー・クルトワに加え、試合前のウォーミングアップでDFマルコス・アロンソが負傷。GKアスミル・ベゴビッチに加え、最終ラインにもDFズマが起用され、CB起用が続いたDFセサル・アスピリクエタを左ウイングバックに配置した。

 試合の行方を大きく左右したのは前半7分のプレーだ。MFネマニャ・マティッチの縦パスがユナイテッドMFアンドレ・エレーラの腕に当たる。しかし主審はハンドを取らずにプレーを続行させると、エレーラからのスルーパスを受けたFWマーカス・ラッシュフォードがGKベゴビッチとの1対1を制して先制点を挙げた。試合を優勢に進めたユナイテッドは、後半の立ち上がりにもユナイテッドは、アシュリー・ヤングの突破からチャンスをつくり、エレーラのシュートがズマに当たってベゴビッチの逆を突いてリードを広げた。その後もチェルシーを圧倒したユナイテッドは2-0で勝利を収めた。

 次節、チェルシーはホームで日本代表DF吉田麻也の所属するサウサンプトンと25日に対戦する。その試合の前に22日にはFA杯の準決勝トッテナム戦が待ち受けている。この過密日程は負傷者の出ているチェルシーにとって、試練となりそうだ。一方、31節から3試合で1失点と守備に安定感のあったサウサンプトンは、前節マンチェスター・シティに0-3と完敗を喫した。後半に先制点を奪われたサウサンプトンは、後半28分に吉田がヘッドでゴールを狙うが、GKクラウディオ・ブラーボに阻まれる。その後、試合終盤にカウンターから2失点を許している。

 ワトフォード戦に続き、ボーンマス戦も4-0というスコアで勝利したトッテナムは、リーグ戦7連勝と絶好調。なかでも韓国代表FWソン・フンミンは、ここ4試合で5得点1アシストと攻撃をけん引している。レスター戦が5月18日に延期されたことで、FA杯準決勝後のリーグ戦はない。チェルシーとしてはサウサンプトン戦に勝利して、その差を広げておきたいところだ。 


ユナイテッドとの直接対決を迎えるシティ(写真:Getty Images)

CL出場圏入りを左右するマンチェスター・ダービー

 5位のマンチェスター・ユナイテッドは、23日に敵地でバーンリーと対戦する。今季の全10勝をすべてホームゲームで挙げている内弁慶のバーンリーは難しい相手だが、同時にユナイテッドは、ミッドウィークに控えている4位のマンチェスター・シティとのダービーにも備えなければならない。

 チェルシー戦では、FWズラタン・イブラヒモビッチをベンチスタートにさせるなど、ジョゼ・モウリーニョ監督はすでにハードなスケジュールに備えていたと思われる。現在、ユナイテッドはシティよりも消化試合が1少なく、勝ち点差は「4」。バーンリー戦に勝利すれば、マンチェスター・ダービーのときは、両チームの勝ち点差は「1」まで縮まっている。ユナイテッドがここで2連勝できれば、一気に来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権獲得に近づくこととなる。

 マンチェスター勢を抑えて3位にいるリバプールは、クリスタル・パレスと対戦する。彼らが最も警戒するのは、今シーズン開幕前にクリスタル・パレスに放出したベルギー代表FWクリスティアン・ベンテケだ。サム・アラダイス監督の下、圧倒的な空中戦の強さを見せているベンテケは、4月の4試合で3ゴールを記録している。ただし、クリスタル・パレスの好調を支えているDFママドゥ・サコは、リバプールからのレンタル移籍のため、この試合には出場できない。ここ2試合連続で決勝点を挙げているFWフィルミーノを中心に、持ち前のプレッシングからのカウンターでゴールを狙っていきたい。

《文=河合拓》