日本時間1月10日(北米時間9日)の対オーランド・マジック戦で待望の戦列復帰を果たした八村 塁は、その日を含め4日間で3試合に出場した。      まだ出場時間を15-16分に抑えていることもあり、数字的なビッグゲー…

 日本時間1月10日(北米時間9日)の対オーランド・マジック戦で待望の戦列復帰を果たした八村 塁は、その日を含め4日間で3試合に出場した。

 

 

 まだ出場時間を15-16分に抑えていることもあり、数字的なビッグゲームには至っていない。しかし、復帰後初のフィールドゴールだったダンクをはじめ、特にペイントで荒々しく力強いプレーが随所にみられ、順調な仕上がりと言えるのではないだろうか。

 

 長らくバスケットボールに集中してきたあとの長期離脱で、内面的にも身体的にもリフレッシュできたとしたら、何にも替えてその選択をして大正解だった。コート上の八村は自信を持ってプレーを楽しんでいるように見え、ウィザーズも八村の復帰後3連勝。ほかに望むものはない。

 

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 その3連勝目、日本時間13日(北米時間12日)にホームのキャピタルワン・アリーナで行われたマジックとの再戦を前に行われた会見で、マジックのジャマール・モズリーHCに八村の印象を聞いた。モズリーHCは3日前に対戦したときの感触を振り返りながら、早くも八村のフィジカルなプレーを警戒している様子だった。スカウティングレポートにどんな記述があるかと言う質問に、「スカウティング・レポートに書いてあることすべてを明かすことはできませんが」と柔らかな表情で前置きをした後、コーチのコメントは以下のようなものだった。

 

「彼がもたらすものは攻守におけるフィジカリティーですね。レーンに攻め込む力です。我々との試合(10日の対戦)でもちょっとやられましたからね。昨日のオクラホマシティーとの試合も見ました」

“What he provides is just a level of physicality offensively and defensively. You know his ability to get to the lane…, I mean in our game you know he’s touched us a little bit. And I watched the game last night against Oklahoma City.”

 

「彼のゴールまで突っ込んでいく力と、慣れてくるにつれて3Pラインの外側に出てくるようになっているのを見ると、本当に居心地がよくなってきているんだと思います。でもやっぱり15-17フィート(約4.6-5.2メートル)で気持ちよさそうにプレーしていることと、そこからゴールに向かう能力ですね」

“His ability to get to the rim and as he’s feeling more comfortable you know stepping out to the 3P line you know you can watch his comfort level increase. But again in that 15 to 17 foot range he seems very comfortable in and then his ability to get to the rim.”

 

モズリーHCは八村のミドルレンジ以内の威力を警戒していた

 

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 八村は復帰後の3試合で平均13.7分間出場し、5.3得点、2.0リバウンド、0.7アシストのアベレージ。モズリーHCが警戒しているとおりペイント内、リム周辺では随所に強力なプレーを見せている。ここまでフィールドゴール成功は6本だが、そのすべてがペイント内で、3本がダンク。しかも、相手からのコンタクトがあっても決めきる強さがある。

 

 ミドルレンジ、ロングレンジのシューティングタッチがまだ戻っていないが、良いタイミング、良いスポットで放っているので、改善してくるのは時間の問題だろう。

 

 この段階で相手にとって脅威となれていることを思うと、シューティングタッチが上がってくる後半戦は楽しみ以外の何物でもない。メンバーが戻ってきたウィザーズの今後の見通しも明るいと言えそうだ。

 

 この3連勝でウィザーズの通算成績は22勝20敗。シーズンの折り返しを過ぎてイースタンカンファレンスの8位、プレーイン・トーナメント圏内というポジションは、新任のウェス・アンセルドJr.HC率いるチームとして決して悪くはない経過だろう。

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)