宿敵・早大を連勝で下し勝ち点を奪取した。3回表に逢澤崚介外野手(文3=関西)の適時三塁打で先制すると、6回にも逢澤らの4安打で2点を追加する。投げてはリーグ戦初先発の森下暢仁投手(政経2=大分商)が8回に2点返され追い上げられるも、7回2/…

宿敵・早大を連勝で下し勝ち点を奪取した。3回表に逢澤崚介外野手(文3=関西)の適時三塁打で先制すると、6回にも逢澤らの4安打で2点を追加する。投げてはリーグ戦初先発の森下暢仁投手(政経2=大分商)が8回に2点返され追い上げられるも、7回2/3を7安打2失点7三振と安定のある投球で試合を作った。最後は齊藤大将投手(政経4=桐蔭学園)が締め、3-2で4連勝を飾った。

大エースへの一歩を踏み出した。勝ち点が懸かる早大2回戦を任されたのはリーグ戦初先発の森下暢。「自分が最後まで投げ切る」(森下暢)と強気な気持ちで臨めば、初回から自己最速を1㎞上回る149kmの直球、スライダー、カーブなどの変化球を低めのコーナーに集めた。初スタメンマスクを被った清水風馬捕手(商1=常総学院)とテンポのいい投球で試合を組み立て7回まで0を刻み続けるが、8回には2者連続安打で無死一、二塁のピンチに。だが森下暢が打球を三塁に送球する好フィールディングや、右翼・越智達矢外野手(営3=丹原)の攻守で2失点にとどめ、早大に流れを渡さなかった。最終回は齊藤が連投の疲れを見せない投球で、打者3人を切って取りゲームセット。昨年森下暢は春季新人戦での右肘ケガ、そして今季の東大戦はインフルエンザを発症したこともあり今回がリーグ戦初先発だった。だが今年の大学日本代表候補にも選出されるなど実力は十分。「今日みたいに試合を作れるようなピッチングをしたい」(森下暢)と、2勝目へ力強く意気込んだ。

メイジの粘り強さは健在だ。「暢仁が初先発で頑張ってたので先輩として何とか援護したかった」(逢澤)。3回、2死二塁から今季主軸を担っている逢澤が右中間を破る適時三塁打で先制点を入れると、6回にも逢澤が弱い二塁ゴロを全力疾走し出塁。続く越智のヒットエンドランで好機を広げると、平塚大賀内野手(政経3=春日部共栄)、河野祐斗内野手(文4=鳴門)の適時打で中押しとなる2点を追加した。

今年は昨年の佐野恵太選手(平29商卒・現横浜DeNAベイスターズ)、牛島将太選手(平29営卒・現JR九州)らのようなパワー打者がいない。その中で逢澤は「今年は主軸にならないといけない」とこの冬は振り込みに着手。スイングスピードを上げれば、チームトップの4割3分8厘で打線をけん引している。中野速人主将(法4=桐光学園)も「チームがつながってきた」と自負するように、足を生かすプレーや、犠打などで打者が束となり1点を積み重ねている。チームはリーグ最少の14三振。一人一人が“継なぐ”野球を体現している。華やかさはなくとも確実に点を取る形で、次戦以降も勝利をつかむ。

優勝戦線を一気に駆け上がる。オープン戦ではなかなか勝てずリーグ戦が懸念されていたが、開幕戦から4連勝とチームは好調。全勝優勝への道も見えてきた。波に乗っているチームは次戦、法大に挑む。法大はいまだ勝ち点はないが「実力的には六大ナンバーワン」(中野)と油断できる相手ではない。強打者がひしめくオレンジ軍団。明大らしくしぶとく、泥臭く、血の明法戦を制す。

[浜崎結衣=文]

試合後のコメント

大きな声でチームを鼓舞する中野

「森下が本当にいいピッチングをしてくれました。ただ結果としては勝てましたけど、終盤は課題です。3点取って、ベンチ内で気を抜くなと言ってやっていたんですけど、やっぱり心のどこかでスキがあったのかなと。だから相手に漬け込まれてしまいました。最後のフライにしても声掛けができていなかったり、レフトとサードのフライもそうですね、細かいプレーがまだまだ詰めきれていないです。オープン戦は勝てない時期が続きましたけど、ここにきてチームがつながってきた感じはあります。欲しいところで1本出たり、技術ではなく気持ちだったり精神的な部分で打てたり、守ったりできているんじゃないかなと思います。(若いバッテリー)森下はもともといいピッチャーなので、期待通りという感じですけど、清水は昨日初めてリーグ戦に出て、今日はスタメンマスクで相当緊張したと思います。その中で最後まで試合に出て、少しミスもありましたけど、失敗を恐れずリードも攻めていました。度胸があっていいんじゃないかと思いますね。法政は実力的には六大ナンバーワンくらいのチームだと思っています。実力だけではなく精神的な部分や、さっきも言った細かいプレーもきちんと修正して、勝てるように臨みたいです」

貴重な先制打を放った逢澤

「暢仁が初先発で頑張ってたので先輩として何とか援護したいなという気持ちがありました。結果打てて良かったです。今まで4番打たせてもらってチャンスで一本打てる打者になりたいという思いがあったので、その中で1本打ててチームに勢いを付けられたというのは自分としても大きな1本だったかなと思います。(今日は打順が4番から3番に)打順とかはいつも気にしていないです。その時その時で自分の仕事ができればいいかなと思っています。(6回口火を切る安打)整備終了後で間が空く時だったので、やはり一回落ち着かせては駄目だと思いました。自分が一本打って後ろにつなげようと、何とか塁に出ようと打席立ちました。この冬スイングの量を増やして、今年は主軸にならないといけないという自覚が芽生えたので、スイングスピードを上げるというのを目標にしてやっていました。4連勝ときて4年生中心に雰囲気良いです。中野さんは試合出てないですけど、チーム全体に視野広げて全員に目配りして、声掛けてくれるというのが大きいかなと思います。次法政戦ですけど、法政とは二つカード落として血の明法戦と言われるだけあるので、法政には負けないようにこの5日間で調整して2連勝して勝ちたいなと思います」

守備で魅せた越智

「打球が来た時に三塁に投げるイメージはしていました。監督やコーチから低いボールを意識して投げろということはリーグ戦で何回も言われていたので、それを意識して投げました。いい球行けって感じです。(刺せて)うれしかったです。早稲田はひとつ意識して対戦してきたので、この2連勝というのは非常に大きかったと思います」

7奪三振の好投を披露した森下暢

「(初先発)自分が最後まで投げ切るという気持ちで挑みました。(振り返って)今日合わせるのがベストだなと思っていたので、その中で初回から良い入りができたのはよかったです。いつも通り自分のピッチングをしようと思ってました。(意気込み)また先発する機会があると思うので、その時も今日みたいに試合を作れるようなピッチングをしたいです」