【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆先週の血統ピックアップ・1/10 フェアリーS(GIII…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆先週の血統ピックアップ
・1/10 フェアリーS(GIII・中山・芝1600m)
スタートで出遅れ、最後方から外をマクって進出したライラックが、スターズオンアースにクビ差競り勝ちました。名馬テイエムオペラオーを出したことで知られる浦河の杵臼牧場の生産馬です。オルフェーヴルの現3歳世代は、47頭出走してわずか5頭しか勝ち上がっていません。血統登録頭数はわずか79頭(前年比31頭減)で、繁殖牝馬の質も落ち、ノーザンファームの生産馬はわずか4頭。この苦境にあって重賞勝ち馬を出してくるのですから、やはり非凡な何かを秘めています。
ただしライラックは、オルフェーヴル産駒の欠点である気性面の難しさや小柄な馬体、という部分もしっかり受け継いでいます。前走、8着に敗れた京都2歳Sは、関西への長距離輸送がメンタルに悪影響を及ぼし、能力を出し切ることができませんでした。今回も最後方からのマクリ勝ち、という気性面の難しさを思わせる勝ち方です。
平常心でスムーズな競馬ができればクラシックでもそれなりの競馬ができるはずです。現2歳のオルフェーヴル産駒は血統登録頭数がわずか32頭。これが底です。1歳は107頭と回復するので、2世代の低迷期を耐え忍べばまた光が見えてくるはずです。
◆今週の血統Tips
2021年の北米種牡馬ランキングは、イントゥミスチーフが年間賞金獲得額のレコードを更新し、3年連続で首位の座につきました。過去50年間で「3年連続」は最高記録。ダンジグ(1991〜93年)、タピット(2014〜16)に並びました。産駒数が多く、繁殖牝馬の質が上昇してからの産駒がこれからデビューを迎えるため、この牙城を崩すのは容易ではありません。
昨年の新種牡馬ガンランナーは、ファーストシーズンサイアーチャンピオンだけでなく、2歳全体でもイントゥミスチーフを抑えてトップに立ちました。連続リーディングサイアー記録に立ちはだかりそうな種牡馬は、現状、このガンランナー以外に見当たりません。それでも今年はまだ稼働世代数が少ないので、どんなに頑張ってもトップには届かないでしょう。年明け早々ではありますが、4年連続を達成しそうな気配が濃厚です。
(文=栗山求)