痛い敗戦から1日。勝ち点奪取に向けて絶対に落とすことのできない明大との2回戦であったが、粘りの投球を続けていた先発の柳澤一輝(スポ4=広島・広陵)が6回3失点で降板。攻撃面では好投する相手先発から8回にようやく2点を奪う。9回にも同点の走者…

痛い敗戦から1日。勝ち点奪取に向けて絶対に落とすことのできない明大との2回戦であったが、粘りの投球を続けていた先発の柳澤一輝(スポ4=広島・広陵)が6回3失点で降板。攻撃面では好投する相手先発から8回にようやく2点を奪う。9回にも同点の走者を出すものの、逆転とはならず。王者奪還に向けて大きな一戦。昨年の王者を相手に連敗し勝ち点を落とすという残念な結果で終わってしまった。

法大戦に引き続き、柳澤が2回戦の先発マウンドに上がる。序盤から得点圏に走者を背負ったが、自慢の直球で後続をねじ伏せた。しかし3回、先頭打者に右前打を許すと、3番の逢澤崚介(3年)に甘く入った変化球を打たれ、あっさりと先制を許してしまう。最速147キロを計測し、速球で空振りを奪うなど立て直したように見えたが、6回にまたもや逢澤の内野安打からさらに連打を浴び2失点。7回には明大1回戦から戦線復帰した大竹耕太郎(スポ4=熊本・済々黌)がマウンドに上がると、制球良く緩い変化球と直球を織り交ぜ、好救援を見せる。この日は変化球、直球の両方で空振りを奪い、復活をアピールした。最終回には早川隆久(スポ1=千葉・木更津総合)が登板する。140キロ台後半の直球を主体に2者連続三振を含めて三者凡退できっちりと締め、逆転を待った。

3回までに、4三振。相手投手・森下暢仁(2年)のキレのある直球に、攻撃陣は手も足も出なかった。4回に宇都口滉(人4=兵庫・滝川)の右前打や四球で2死満塁の好機を迎えるが、無得点に終わる。しかし、8回に早大が意地を見せる。代打で起用された福岡高輝(スポ2=埼玉・川越東)が中前打で出塁すると、八木健太郎(スポ4=東京・早実)も左前打で続き、クリーンナップに打席が回る。一発が出れば逆転という場面。4番・加藤雅樹(社2=東京・早実)に球場中の熱い視線が注がれた。「狙っていた」という直球を振り抜くと、打球は詰まりながらも中前へと抜け、ようやく1点を返した。さらに岸本朋也(スポ3=大阪・関大北陽)のバットからも右前打が飛びだし、2点目をもぎ取る。しかし、三塁を狙った一塁走者が右翼手からの鋭い返球によりタッチアウト。1点差に詰め寄ったのもつかの間、明大の鍛え上げられた守備の前に同点の好機を逸してしまった。また9回にも無死から内野安打で同点の走者を出したが、次打者の犠打を試みた打球は猛チャージを見せた三塁手の前に転がり、最悪の併殺打に。結局打者3人でゲームセット。1回戦に続いて1点差で試合を落とした。

大事な2試合をどちらも1点差で競り負けた早大ナイン。髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)も「バントミスで相手を助けてやってる部分がある」と語るように、1回戦から犠打の失敗など細かいミスが続いている。さらに、エース小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)の不調など、投手の台所事情も苦しい。復活した大竹の活躍は今後のカギになってくるだろう。好投手・宮台康平(4年)を擁する東大との戦いも、翌週に迫っている。明大戦の反省を生かし、次週以降につなげることができるのか。『奪還』ーーこのスローガンを達成するため、ここから先の試合を落とすことは、許されない。

(記事 當間優希、写真 加藤耀、新津利征)