「決勝のベンチに掲げていた(準決勝の相手だった)関東第一のタオルって?(記者)」「あ、(準決勝の会場で)普通に売ってたタオルです(大津/森田主将)」地元メディアとのやり取りのなかで、大津の森田キャプテンはさらりと明かしてくれた。思わず記者も…
「決勝のベンチに掲げていた(準決勝の相手だった)関東第一のタオルって?(記者)」
「あ、(準決勝の会場で)普通に売ってたタオルです(大津/森田主将)」
地元メディアとのやり取りのなかで、大津の森田キャプテンはさらりと明かしてくれた。思わず記者も「え?普通に売ってたやつ?」と聞き返していた光景は、微笑ましく、とても印象的だ。選手権の決勝では、優勝には届かなかったものの、快進撃を続けた大津イレブンに感動の声が広がりをみせている。
「(大会直前に負傷したDF)日高には、感謝してます」
これまで試合に出場できず、ボールを拾うボールパーソンを担いながら、決勝のピッチまで共に戦い抜いた仲間に感謝の言葉も欠かさない。大津のメンバーは、(選手権)1回戦の開始前に行われた集合写真の撮影でも(日高が背負う)背番号3のユニホームを掲げている。
まさに有言実行、大津イレブンは多くの仲間と共に決勝・国立の夢舞台を全身全霊で戦い抜いた。恐らく指揮官も、スタメン起用に関しては直前まで相当頭を悩ませたはずだ。
「ドクターやトレーナーの意見、本人もいけると確認し、(怪我で出場機会を失っていた)日高をスタメン起用しました」
大津の山代監督は「潔く、完敗」を認め「(大舞台での戦い方には)場慣れの差」を痛感したという。
「青森山田さんのように選手権の常連校にならないと、自分たち(大津イレブン)の力が発揮できなかった」
熊本県勢として初となる頂点へは、届かなかった。しかし、大津サッカーのリスタートは、今夜からもう始まっている。3年生の力は、もう借りることができない。2年生、1年生、そして、今春から仲間入りする新入生が大津魂を継承していくはずだ。
頑張れ!大津高校サッカー部。101回目の選手権への戦いは、もう始まっているはずだから。
文/スポーツブル編集部
写真/オフィシャルサポート
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全国高校サッカー選手権・決勝/青森山田 4-0 大津 (2022.1/10 国立競技場)
(4大会連続出場となる)選手権・決勝に挑んだ青森山田が、大津を大量得点で引き離し、3大会ぶり3度目の優勝をもぎ取った。青森山田の黒田監督は「本当にパーフェクトなゲームをやってくれた」と試合を振り返り「勝つために、どんなことでも取り組んできた」チームを労った。
8日、準決勝に進出していた(東京B)関東第一の選手2人が新型コロナウイルスに感染したことが明らかになり、関東第一は準決勝を辞退。それに伴い、(熊本)大津の決勝進出が決まった。高校サッカーファン・サポーターからは「胸が痛みます」「静学倒したのに気の毒すぎる」などの声が相次いだ。