モナコ・モンテカルロで開催されている「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」(ATP1000/4月16~23日/賞金総額427万3775ユーロ/クレーコート)のシングルス2回戦で、故障から復帰した世界1位のアンディ・マレー(イギリス)が…

 モナコ・モンテカルロで開催されている「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」(ATP1000/4月16~23日/賞金総額427万3775ユーロ/クレーコート)のシングルス2回戦で、故障から復帰した世界1位のアンディ・マレー(イギリス)がジル・ミュラー(ルクセンブルグ)を7-5 7-5で倒して3回戦に駒を進めた。

 マレーは1回戦がBYE(免除)で2回戦が初戦だった。

 右肘の故障により先月のマイアミ・オープン出場を断念したマレーは、イギリスがフランスに敗れることになったデビスカップ・ワールドグループ準々決勝も欠場しなければならなかった。

 「マイアミはお気に入りの大会だったから出場できなくて残念だった。でも回復のためには休養が必要だったんだ」とマレー。「非常に疲れを感じているときには、ときどき短い休息をとるというのはいいことだと思う。でも、いいプレーをして勝っているときには疲れについてはあまり考えないものだよ」。

 対ミュラー戦の序盤でマレーは第1ゲームからサービスを落とし、少し反応が遅いように見えた。彼は第9ゲームに2つのセットポイントをしのいで次のゲームでブレークバックを果たすと、第11ゲームはラブゲームでサービスをキープして6-5とした。

 「最初のサービスゲームは言うまでもなく理想的ではなかった。でも数週間サービスを打たないでいた期間から戻ってきたときには、それはごく普通のことだ」とマレー。「僕の肘はいつも少しばかり痛む。それは今週とか、ここ2年とか、そういうこととは何の関係もないんだ」。

 マレーが強いられた休息は少なくとも彼に、妻や娘とより多くの時間を過ごすというボーナスを与えた。

 「僕らテニスプレーヤーはずっと旅していてスケジュールが厳しくなりがちなので、ときに時間繰りはかなり難しいものになる」とマレー。「(故障の間は)多くの時間を家族と過ごし、僕はそれを楽しんだ。家族の皆も楽しんでくれたよう願うよ」。

 快活なマレーは輝く地中海の上にセンターコートが乗り出すように位置するモンテカルロ・カントリークラブの絵になる景観と故郷のスコットランドを比べたときに、巧妙なユーモアのセンスも見せた。

 「スコットランドにも素晴らしい景色はあるけど、天気がああも悪いとここほど楽しめるものじゃないよね」とマレーは言った。

 マレーは、このセットでミュラーが決めていた見事なドロップショットに対抗して、自らもドロップショットを放ちミュラーをネットにおびき寄せると、ミュラーが簡単なバックハンド・ハイボレーをミスしてブレークに成功し、第1セットを取った。ミュラーはそのとき苛立ちからラケットで自分のシューズを叩き、さらにラケットをベンチに叩きつけて折り曲げてしまった。

 マレーは第2セットの出だしもサービスを落としたが、すぐにブレークバックした。彼は鋭角に見事なバックハンド・クロスを決めてマッチポイントをつかむと、それを一回でものにした。ミュラーのフォアハンドがコートを割った瞬間、マレーの勝利は決まった。

 2014年大会で優勝している第3シードのスタン・ワウリンカ(スイス)はイリ・ベセリ(チェコ)を6-2 4-6 6-2で下した。ワウリンカは32本のウィナーを決め、ベセリのサービスを5度ブレークした。

 2015年大会の準優勝者で第9シードのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)は39歳のトミー・ハース(ドイツ)に対して第1セットを落としたあと挽回し、3-6 6-1 6-4で勝利をおさめた。

 「この試合は彼が偉大な選手だったこと、そして今もそうであることを示している」とベルディヒ。「キャリアの晩年にあっても、彼はいまだにこんなふうにプレーできるわけだからね」。

 第5シードのマリン・チリッチ(クロアチア)はジェレミー・シャルディ(フランス)を6-3 6-0で、第6シードのドミニク・ティーム(オーストリア)はロビン・ハッサ(オランダ)を6-3 6-2で、第13シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)はカレン・カチャノフ(ロシア)を6-4 6-4で、それぞれストレートで下した。

 第14シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)はフェリシアーノ・ロペス(スペイン)のサービスを5度ブレークし、6-0 6-4で快勝した。

 第15シードのアルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)は予選勝者のカルロス・ベロック(アルゼンチン)を6-2 6-2で退けた。(C)AP(テニスマガジン)