語り草となった柴崎岳と初出場初V

【スコア】
山梨学院 1-0 青森山田

【得点者】
前半11分 1-0 碓井鉄平(山梨学院)

選手権の時期を迎えると毎年必ずピックアップされる選手がいる。日本代表MF柴崎岳(現・レガネス)だ。青森山田では1年生で“10番”を託された。当時から世代別日本代表に名を連ね、高校2年生時の2009年には鹿島アントラーズ入団が内定。そして、迎えた同年の第88回大会でその名は一躍全国区となる。

1学年上の主将・椎名伸志(現・カターレ富山)との2ボランチが大会を席巻した。テクニックに秀でるだけでなく、類まれな戦術眼で攻撃を組み立て、対人プレーにも強い。さらに決定力まで持ち合わせた強力コンビの活躍で、青森山田は勝ち進んだ。

迎えた決勝戦。相手は選手権初出場ながら優勝へ王手をかけた山梨学院(山梨)。これまでと同じく柴崎&椎名を軸にスタートした青森山田に対し、山梨学院は2人を徹底的にマークした。さらに、奪ってからショートカウンターで積極果敢にシュートを打つと、前半11分に碓井鉄平が先制点を挙げた。1点リードを許した青森山田はその後猛攻を仕掛けるも、最後まで堅守を崩せず。山梨学院が史上初の選手権初出場Vを決めた。

惜しくも優勝は逃したが、柴崎と椎名のプレーは“最強コンビ”として今なお語り草となっている。「グッドルーザーの存在もまた、選手権の見どころだ」。そんなことを感じさせるファイナルであった。