​ ​※画像はイメージです ​ 意外な接点にスポーツファンも騒然となった。青学大が往路、復路ともに完璧なレース運びで完全優勝を決めた2022年の箱根駅伝。原晋監督が胴上げされる歓喜の模様をインスタグラムに動画であげて、祝福のメッセージ…

※画像はイメージです

 意外な接点にスポーツファンも騒然となった。青学大が往路、復路ともに完璧なレース運びで完全優勝を決めた2022年の箱根駅伝。原晋監督が胴上げされる歓喜の模様をインスタグラムに動画であげて、祝福のメッセージを送ったのが、年末年始のTV番組ジャックで賑わせた日本ハム・新庄剛志監督だった。

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 「原監督 選手 スタッフの皆さん 本当におめでとうございます。感動しました。僕が48歳でもう一度プロ野球選手になる為にトレーニングをしてる最中に原監督から指導してもらいその時に『君のこの挑戦はいつか指導者に繋がるよ』その言葉が物凄く胸に刺さり今に繋がりました。感謝します」

 2020年12月7日に行われた12球団合同トライアウトで、2006年以来となる現役復帰にチャレンジした新庄監督。その過程のトレーニングにおいて、原監督による指導を仰いでいたのだった。

 結局、12球団からのオファーは届かず、トライアウトの6日後の同13日にインスタグラムにおいて、公言通りに復帰を断念することを報告した。当時、この一報には原監督がツイッターで反応。「もう一度プロの世界でバッターに立つ姿見たかったな…あの明るさと野球理論。何よりも48歳とは思えない身体能力。残念だな…」とつぶやいていた。

 前代未聞のカムバックを目指した新庄監督への指導の中で、原監督は2人の共通点を見出していたともいう。

 昨年11月に日本ハム・新庄監督誕生のニュースが駆け巡ると、原監督はニュース番組に出演した際に「最高にうれしい」と喜んだ。「自分と同じような系統。スポーツ界で監督になるような人材は、真面目で他人の言うことをよく聞く人が上がっていくが、今回の就任で野球界が大きく改革されるのでは」と球界への変革に大きな期待を寄せていた。

 指導の中で、原監督自ら「この方は監督に向いている」という思いを強くしていたという。青学大陸上部の選手たちと触れ合う新庄監督は、学生たちと同じ目線で会話を重ねていた。その姿が、名将に将来の指揮官誕生を予感させていた。

 原監督の指導者としての手腕を語る上で欠かせないのが、学生たちとの卓越したコミュニケーション能力だろう。その対話能力はマジックの源泉と言われている。

 指示待ち、ともされる現代の若者たち。その典型例がトップダウン式にが当たり前だった体育会系の出身者だった。原監督は指示は極力減らし、選手たちの自主性を最大限に尊重し、自由に発言できる空気作りを進めて強化につなげた。SNSでの対話など、ここまで前例の無いアプローチで選手たちと接してきた新庄監督に被る。

 また原監督といえば今回の箱根駅伝で掲げた「パワフル大作戦」をはじめ、さまざまなスローガンで選手たちのやる気を高揚させるため言葉を大事にする。就任初期の2015~2018年の箱根駅伝4連覇時期は「ワクワク大作戦」「ハッピー大作戦」「サンキュー大作戦」「ハーモニー大作戦」を完遂した。

 一方の新庄監督は現役時代、ホームランを打つたびに自ら命名した独特なセンスの打法名を披露し続けた。有名なヒーローインタビューで突然の現役引退を表明した2006年4月18日のオリックス戦での「28年間思う存分野球を楽しんだぜ。今年でユニホームを脱ぎます打法」をはじめ、「寒くて手が痛いから芯に当てちゃおう打法!」、「ショートゴロ3つは、いや~よ打法!」、「外のチェンジアップを待って、真っ直ぐをくるんっ打法!!」など枚挙にいとまがない。両指揮官はどこまでも同じにおいを漂わせている。

 新監督としての船出を迎えた2022年の三が日。新庄監督にとってこれ以上気持ちを奮い立たせてくれるものはない青学大陸上部の快走だっただろう。駅伝シーズンはまもなく終わりを迎え、球春到来が迫ってくる。青学大の激走への恩返しは、これからだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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