市立船橋が延長戦の末に名門校対決を制す

【スコア】
市立船橋 2-1 四日市中央工

【得点者】
前半1分 0-1 浅野拓磨(四日市中央工)
後半AT 1-1 和泉竜司(市立船橋)
延長後半5分 2-1 和泉竜司(市立船橋)

選手権の決勝にはドラマがつきものである。第90回全国高校サッカー選手権でも劇的な展開が待っていた。三重の名門・四日市中央工業と過去4回の優勝を誇る千葉の市立船橋が対戦、公立の伝統校が顔を合わせた。当時、四中工には現日本代表の浅野拓磨(ボーフム)や坂圭祐(大分トリニータ)が在籍し、対する市立船橋は主将・和泉竜司(鹿島アントラーズ)がチームを引っ張る。

名門対決の一戦は、開始早々に試合が動く。四中工のコーナーキックからMF國吉祐介主将の出場停止に代わりキャプテンマークを巻いたDF西脇崇司が頭でそらすと、ゴール前で混戦に。FW浅野がこぼれ球をゴールに押し込み、大会最多7点目となるゴールでいきなり先制点を決める。試合開始1分の出来事であった。


しかし、その後はお互いに惜しいシーンを作るも両者一歩も譲らず、試合は終盤に差し掛かる。

すると、試合終了間際にスコアが動く。後半アディショナルタイムに突入直後、市船にコーナーキックのチャンス。ゴール前にボールがこぼれるとキャプテンで背番号10のFW和泉が土壇場で劇的同点弾を決め、試合を振り出しに戻した。

試合は90分では決着がつかずに延長戦へ。延長前半はお互いに惜しいシュートを放つも得点は生まれなかったが、ついに試合が動く。延長後半5分、途中交代で入った宇都宮勇士がスルーパスをデフェンスの背後に供給。パスを受けたFW和泉が切り返すと右足を振り抜き、ゴールネットを豪快に揺らす大逆転ゴール。

このまま1-2で試合終了。名門校による対決となった決勝は市立船橋の5回目の優勝で幕を閉じた。