​ ​ ​ 陸上界に舞い降りたニューヒロインが、拓大のスーパールーキー不破聖衣来(ふわ・せいら)。中長距離ランナーとしての素質を開花させた18歳は、走るごとに評価を上げ、注目度も上がっている。12月30日の全日本大学女子選抜駅伝(富士…


 陸上界に舞い降りたニューヒロインが、拓大のスーパールーキー不破聖衣来(ふわ・せいら)。中長距離ランナーとしての素質を開花させた18歳は、走るごとに評価を上げ、注目度も上がっている。

12月30日の全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)では、1年ながら最長区間の5区(10・5キロ)を任され、32分23秒で区間新記録をマーク。従来の記録34分17秒を2分近く更新する驚異的な走りを見せた。

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12位でたすきを受け、10人抜きの快走。2位で6区へつなぎ「自分の役割は果たせたが、トップに立てなくて悔しい」と話した。入賞が目標のチームを6位へと導いた。

圧巻のレース模様を、テレビ解説したのは選手ネタの宝庫として知られる増田明美さん。五輪4大会連続出場の福士加代子と、無敗の3冠馬ディープインパクトを引き合いに「(不破と)誕生日が同じ3月25日なんです」とまたもコアな情報をお茶の間に届けた。

増田さんとともにゲスト解説で呼ばれた、5000メートル元日本記録保持者の福士も「息してんのかなあ」「1人だけ歩く歩道にいるよう」と驚くばかり。エース区間でのごぼう抜き、他を寄せつけない異次元な走りっぷりは、日本競馬界でも史上最強といわれるディープインパクトを彷彿(ほうふつ)とさせる。

駅伝シーズンが本格化し、不破の勢いが止まらない。10月の全日本大学女子駅伝5区(9・2キロ)では従来記録を1分14秒も塗り替える区間新。順位を9位から3位に押し上げる6人抜きの走りで注目を集めはじめた。11月の東日本女子駅伝では群馬県代表のアンカー9区(10キロ)として、トップと38秒差の3位から区間賞の走りで、逆転優勝のゴールテープを切った。

12月11日に出場した関西実業団ディスタンストライアルでは、1万メートルで日本歴代2位の30分45秒21をマーク。20歳以下の世界歴代5位という好記録に会場は騒然となった。中高時代から注目される存在だったが、大学入学後の急成長で日本トップランナーへと飛躍した。

指導にあたる拓大の五十嵐利治監督は「何もしていない時の心拍数が30くらいなので心肺機能がものすごく強い。世界で勝負できるほどの素質とか生まれ持ったものを持っている」。一般的な成人の心拍数は60〜80回といわれるだけに、並外れた心配能力を武器に大ブレークした。

高性能のエンジンはまさに「ディープインパクト」級。人気ユーチューバーになぞらえ、陸上界のフワちゃんと呼ばれる18歳の目標は「(2024年)パリ五輪です」。ニューヒロインが新時代を駆け抜ける。

不破聖衣来(ふわ・せいら)

2003年(平15)3月25日生まれ、群馬県高崎市出身。大類中時代の17年全日本中学陸上1500メートルで優勝。高崎健康福祉大高崎高を経て拓大へ。身長154センチ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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