第100回全国高校サッカー選手権特集注目選手 GK・DF編  MF・FW編はこちら>>全国高校サッカー選手権の注目選手を…

第100回全国高校サッカー選手権特集

注目選手 GK・DF編  MF・FW編はこちら>>

全国高校サッカー選手権の注目選手を、育成年代のサッカーを長年取材してきているフリーライターの土屋雅史氏、森田将義氏、松尾祐希氏の3人に挙げてもらった。今回はGKとDFを紹介。大会でのブレイク候補に期待大だ。

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他チームのGKも意識しているという、大津の佐藤瑠星 photo by Matsuo Yuki

佐藤瑠星
さとう・りゅうせい(GK/3年/大津・熊本県/191cm、80kg)

「サイズがあって、しなやかに動ける。GKとしての素質を持った選手ですね。平岡和徳総監督も1年生の時から期待をしていて、ずっと試合で起用されていました。中体連の出身でGKの技術を本格的に学んでいたわけではなかったのですが、今年に入って本当に一皮剥け、逞しくなったなと感じます」(森田氏)
「筋力トレーニングの成果で、パワーがついた気がしますね。身体の軸がぶれないので、ハイボールをしっかり取れるようになりましたよね」(松尾氏)
「他チームのGKも『佐藤はいいGKです』『意識をしています』と言っていて、名前が挙がることが多い印象があります」(土屋氏)



今大会No1のPK職人、岡山学芸館の寺島紳太朗 photo by Matsuo Yuki

寺島紳太朗
てらしま・しんたろう(GK/3年/岡山学芸館・岡山県/186cm、77kg)

「お父さんが四日市中央工(三重県)でGKとして活躍した方で、選手権でもベスト4を経験しているんです。彼を初めて見たのは国体で、相手は強豪の神奈川県でしたが、PK戦でシュートを止めていました。読みがよくて、特にPK戦になったら輝きます。今年はもうひとりのGKもレベルが高いので、なかなか出番を掴めていない時期もあったのですが、ベスト8に進出したインターハイの3回戦や作陽高との県予選決勝でもPK戦で活躍しました」(森田氏)
「全国レベルの大会でチームを勝たせてきた実績もある。もしかしたら、ほかのチームに隠し球がいるかもしれませんが、現時点で今大会No1のPK職人だと思います」(土屋氏)

山田海斗
やまだ・かいと(GK/3年/山梨学院・山梨県/183cm、77kg)

「昨年のキャプテンで活躍したGK熊倉匠(現・立正大)の後継者です。プレッシャーもあったと思いますし、今年の山梨学院は苦しい時間を過ごしてきました。インターハイは新型コロナウイルスの影響で県予選準々決勝で出場辞退になり、プリンスリーグ関東でも結果が出ませんでした。そのなかで今回の選手権予選は2度PK戦までもつれていて、決勝の韮崎戦もPK戦で山田が止めて見事に勝ちました。
なんといっても彼は男前(笑)。しゃべれるし、明るいキャラクターで、人気が出そうな感じです。FC東京の育成組織出身で、大会中に再会する選手もいて本人も楽しみにしているはず。唯一連覇を狙えるチームにおいて、期待の守護神ですね」(土屋氏)

藤井陽登
ふじい・はると(GK/3年/矢板中央・栃木県/182cm、75kg)

「1年生の時からレギュラーで、選手権でも2大会連続でベスト4を経験しています。シュートストッパーで、PKも得意。大舞台にも強いです。今年はケガの影響もあって調子があまりよくなく、苦しい時間を過ごしてきました。ただ、秋頃からよくなってきたので、一昨年と去年のリベンジに期待して頑張ってほしい選手の一人です」(松尾氏)
「責任感が強い印象もありますね。プリンスリーグ関東の昌平戦で見たのですが、大量失点をして彼自身もケガで途中交代したのですが、泣いていたんですよ。今年に懸ける想いや責任感みたいなのは、昨年以上に強いのかもしれません」(森田氏)
「彼は青森県出身なので、最後に青森山田に対して一泡吹かせたいと思っているはずです」(土屋氏)



圧倒的な身体能力を見せる、尚志のチェイス・アンリ photo by Tsuchiya Masashi

チェイス・アンリ
ちぇいす・あんり(3年/DF/尚志・福島県/187cm、80kg)

「空中戦で圧倒的な強さを見せていて、課題だったフィードもよくなってきました。12月初旬のプレミアリーグ参入戦では、相手のクロスとかCKをバンバン跳ね返していて、直接FKも壁に入って全部跳ね返していました。上の世代の代表合宿でも最初はうまくプレーできていなかったのですが、経験を積んで適応できるように。向上心もめちゃくちゃある選手です。中学時代はトレセンで出場機会をもらえなかった選手ですが、尚志で人生を変えた選手だと思います」(松尾氏)
「高校1年生の頃は、真っ白なキャンバスみたいな状態でしたね。でも、今は競り合いの強さが本当にすごい。身体能力と俊敏性は本当に高くて、ポテンシャルを感じます」(森田氏)
「あとは写真がかっこいいですよね(笑)。アデミール・サントス(東海大一、現東海大翔洋)以来のカタカナ名のスーパースターが生まれるかもしれないですね」(土屋氏)



攻撃力に注目のセンターバック。帝京長岡の松村晟怜 photo by Matsuo Yuki

松村晟怜
まつむら・せれ(DF/3年/帝京長岡・新潟県/184cm、75kg)

「攻撃性能が高いレフティのセンターバック(CB)です。高1まではオフェンシブハーフをやっていましたが、昨年の夏にコンバートされ、半年くらいで世代別代表にも入りました。守備センスも結構あって、競り合いも強い。今年1年はケガに苦しみましたけど、リハビリ中に体重が5kg増えて、たくましさも出てきましたね」(森田氏)
「僕のイメージは元西ドイツ代表のフランツ・ベッケンバウアーです。姿勢がすごくよくて、ボールを運べる感じです」(土屋氏)



青森山田のDFリーダー、センターバックの三輪椋平 photo by Tsuchiya Masashi

三輪椋平
みわ・りょうへい(DF/3年/青森山田・青森県/180cm、71kg)

「群馬県出身で、お父さんに勧められて青森山田中への進学を決意して6年目。昨年も途中から試合に出ていて、決勝でPKを外す経験もしましたが、今年は不動のDFリーダーに成長しました。黒田剛監督も『昨年からレギュラーでもよかったかも』と話すぐらいの選手。パートナーの丸山大和が前に強い分、三輪がうしろをほぼカバーしています。プレミアリーグでもこのコンビがNo.1と言っていいと思いますね。昨年の選手権の悔しさが相当あると思うので、かなり注目してほしいです」(土屋氏)

桑子流空
くわこ・りく(DF/3年/前橋育英・群馬県/179cm、67kg)

「桑子は小学6年生の時に前橋育英でキャプテンをやりたいと思っていた選手。なので、前橋育英とつながりが深い前橋FCに入り、そこで3年間で頑張って高校に入り、実際に夢を実現させました。選手としては、足元も高さもキャプテンシーもあって、三拍子揃っています。本当に"育英の魂"みたいな選手で今年のチームに欠かせない。人間性もすばらしいです」(土屋氏)
「山田耕介監督が言っていたんですけど、『スタッフが厳しいことを言うからギスギスしてもおかしくないのに、あいつが嫌なことを全部やってくれるから周りも言うことを聞くしかない』。そういうすばらしい人間性が、話していても伝わってきます」(森田氏)

尾崎裕人
おざき・ゆうと(DF/3年/市立長野・長野県/185cm、73kg)

「サイズがあって、足元の技術があります。本当に楽しいサッカーをする市立長野のなかで、1年生の時からCBを務めています。長野パルセイロのU-15でプレーしていて、U-18に昇格できたけど、市立長野高でサッカーがしたくて入学したそうです。湘南ベルマーレの田中聡とも一緒にプレーしていて、『彼はライバル。いずれも僕もプロに進みたい』と話していました。コロナ禍でなければ、いろんな人に見てもらってもうちょっと注目されていた選手だと思います」(森田氏)

日髙華杜
ひだか・はると(DF/3年/大津・熊本県/174cm、64kg)
「日髙はめちゃくちゃ足が速いサイドバック(SB)です。小学生の時に熊本県で陸上の100mで4位になっていて、現在法政大4年の兄も走り幅跳びで熊本高校記録を持っている陸上一家で育っています。1人で2、3人を外せる推進力を持っていて、2列目もできるくらい攻撃能力も図抜けています」(松尾氏)
「『日髙、行ってこい』のカウンターから1人で点が取れるような選手です。インターハイ準々決勝の静岡学園戦でも、彼が右サイドを駆け上がり、ポスト直撃のシュートを打ちました。それが決まっていれば結果はわからなかった(0-1で敗戦)ので、その悔しさもあるはず。冬はやってほしいですね」(森田氏)

安木颯汰
やすき・そうた(DF/3年/西武台・埼玉県/173cm、67kg)

「今回の予選決勝で相手の浦和南が、徹底的に守る戦いをしてきたんです。そのなかで迎えた延長後半7分に、安木がヘディングでゴールを決めたんですけど、実はもともとレギュラーではなかったんですよ。でも、守屋保監督が体育の授業でやったバスケットボールの動きを見て、抜擢を決めたみたいなんです。リバウンドやボールへの入り方がよかったのと、あとは球技全般も得意だったのを見て、いけるんじゃないかって思ったそうです」(土屋氏)
「Jのスカウトも注目していたみたいです」(森田氏)

土屋雅史氏の注目選手
GK:山田海斗(山梨学院)/生嶋健太郎(静岡学園)/寺島紳太朗(岡山学芸館)/山田陽介(米子北)/佐藤瑠星(大津) 
DF: 三輪椋平(青森山田)/桑子流空(前橋育英)/安木颯汰(西武台)/池田健人(関東第一)/中村実月(星稜)

森田将義氏の注目選手
GK: 佐藤瑠星(大津)/寺島紳太朗(岡山学芸館)/徳若碧都(高川学園)/田邉満記(丸岡)/下村駿季(中部大第一) 
DF: 松村晟怜(帝京長岡)/尾崎裕人(市立長野)/有吉勇人(瀬戸内)/
保田成琉(阪南大高)/熊澤伶(帝京大可児)

松尾祐希氏の注目選手
GK: 佐藤瑠星(大津)/藤井陽登(矢板中央)/デューフ・エマニエル凛太朗(流経大柏)/須田純弥(東福岡)/古館幸真(静岡学園) 
DF: チェイス・アンリ(尚志)/日髙華杜(大津)/行徳瑛(静岡学園)/
宝納拓斗(佐賀東)/櫻井稜(鹿島学園)