第100回全国高校サッカー選手権特集注目選手 MF・FW編  GK・DF編はこちら>>全国高校サッカー選手権の注目選手を…

第100回全国高校サッカー選手権特集

注目選手 MF・FW編  GK・DF編はこちら>>

全国高校サッカー選手権の注目選手を、育成年代のサッカーを長年取材してきているフリーライターの土屋雅史氏、森田将義氏、松尾祐希氏の3人に挙げてもらう。今回はMFとFW編。魅力的なプレーをする、見ていて楽しい選手がいっぱいだ。

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今大会最も注目されるであろう、青森山田の松木玖生 photo by Morita Masayoshi

松木玖生
まつき・くりゅう(MF/3年/青森山田・青森県/179cm、73kg)

「言わずと知れた今年の顔です。点もとれて、守備もできて、体も強い。ただ、一番の武器はメンタリティです。1年生の時から上級生に物怖じせずに意見を言っていましたし、大人とも対等に喋っていました。そういう1年生ってなかなかいないですよね。それがあるからこそ、どんどん成長していったのかなと感じます。強気な姿勢も含めて、大きなことを言っても実行してしまうのも彼の魅力。そういうのも見ていてすごいなと感じます」(松尾氏)
「実は結構天然な部分もあって、かわいいんですよ(笑)。今は韓国の恋愛ドラマにハマっていて、移動中は寝ているか、NETFLIXでそれを見ているとか。チームのなかでも流行っていて、みんなで感想を言い合っているそうです(笑)。
 フランスのクラブに練習参加した際に、自分の課題はスプリントだと感じ、帰国後は考えながら取り組んできました。プレミアリーグでもゴールを重ねて、中盤戦は少し減りましたけど、3列目からフルスプリントで飛び込んでゴールを決める回数が今年は多かったです。あの水準の選手が海外で経験して、課題を克服しつつあります。努力できるところも含めて、ここ10~15年ぐらいの高校生では1、2位を争う才能を持った選手だと思います」(土屋氏)



攻守に賢いプレーでチームを支える、青森山田の宇野禅斗 photo by Morita Masayoshi

宇野禅斗
うの・ぜんと(MF/3年/青森山田・青森県/176cm、72kg)

「宇野選手もかわいいんですよね。プレースタイルやピッチ上の表情からは想像できないけど、すごくおしゃべり(笑)。ボランチの極意を聞くインタビューをした際に、戦術ボードもかなり巧みに使いこなしていて賢さを感じたし、サッカーについて本当によく考えていると思いました。ゴールが入った時も、喜びの輪に加わらずに近くの仲間を捕まえて修正点を伝えたりしているんですよね。それがすごい。やっぱり、このチームを下支えしている選手だなと思います」(土屋氏)
「松木も宇野がいるから前に行けるところがある。気の利いたフォローもしてくれるし、いいところでボールを取ってくれる。本当に能力が高いです」(森田氏)
「彼は青森山田中出身で6年間の集大成にもなるので、期待したいですよね。小学校卒業時に、『自分はこのままでは成長できない』と感じて、自らの意思で福島を離れて青森山田に行くことを決めたんです。そういう決断が小学6年生でできるのはすごいですよ」(松尾氏)



うまさと技術を持ったアタッカー。東福岡の大渕来珠 photo by Morita Masayoshi

大渕来珠
おおぶち・らいじゅ(MF/3年/東福岡・福岡県/167cm、59kg)

「大渕選手も人生をかけてセレッソ大阪U-18から東福岡に移籍してきた選手ですね。うまさと技術を持ったアタッカーで、プレーは本当に華やか。自分で持って仕掛けて、左右の足からクロスを入れたり、フィニッシュに持ち込んだり、攻撃の最後の仕上げができる選手です。選手権予選は攻撃のジョーカーとして起用されて、途中出場ながら決勝まで3試合連続ゴール。新年度から転校してきていきなり主役になって、最終的にエースとして結果を残すのは、彼の能力の高さならではです」(森田氏)
「自分で仕留められる選手。選手権予選では準決勝、決勝ともに、延長に入ってから勝ち越しゴールを決めています。そのゴールは左足だったんですけど、スーパーゴールでした。彼は右も左も蹴れて、プレースキックも両足で蹴られるのも魅力です」(松尾氏)

渋谷諒太
しぶや・りょうた(MF/3年/流経大柏・千葉県/174cm、67kg)

「榎本雅大監督が、『歴代No.1のキャプテンで人間性がいい』と大絶賛していました。運動量が豊富で球際で戦えるし、監督の言っていたことがよくわかる選手。(本田裕一郎前監督退任後初の選手権に挑む)"新生・流経"の象徴だと思います」(森田氏)
「ボランチだけではなくて、FWもできるし、なんならサイドバック(SB)もできる。センターバック(CB)をやる試合もあったぐらい。これも榎本監督が言っていたんですが、SBの選手が足を痙攣させてプレーが続けられそうにない時に、榎本監督のほうを見てアイコンタクトで『俺がSBに行くんですよね』というのを伝えたとか」(土屋氏)
「榎本監督は『ハーフタイムに自分がミーティングをする必要がない』と言っていました。選手権予選の決勝でもハーフタイムに渋谷選手がミーティングを仕切ってくれたので、ほとんど伝えることがなかったらしいです。ピッチ上の監督で、全部やってくれるキャプテンですね」(松尾氏)

玄理吾
ひょん・りお(MF/3年/静岡学園・静岡県/171cm、60kg)
「今年3月に初めて見た時に、まだこんなにうまい選手がいるのかと思いました。静岡学園らしい選手で、勝手に"王国の精密機械"というキャッチフレーズをつけました。彼のところでリズムを刻めるし、ボールを取られない。クルクル回りながら相手をかわしていくんですよ。本人も楽しそうにサッカーをしていて、見る子どもたちにいい影響を与えそうです」(土屋氏)
「僕も初めて見た時に『みんなが好きな理由わかるわ〜』って思いましたね(笑)。楽しそうにクルクルしていて、ボールを取られないです」(森田氏)

徳永涼
とくなが・りょう(MF/2年/前橋育英・群馬県/175cm、66kg)

「柏レイソルU-15でプレーしていて、U-18に上がれる選手でしたが、高校サッカー選手権への憧れや、泥臭さを身につけること、寮生活を通じて自立するなど、そういう面で前橋育英を選んだそうです。この大会への想いは強い」(土屋氏)
「ボランチでコンビを組む、根津元輝(2年)とのコンビもいいです。徳永がエースナンバーの14番をつけていますが、根津も14番をつけてもおかしくないぐらいの実力を持っています。根津が前に出て、徳永が後ろに構える、距離感もいいです。2人は攻撃も守備もできます」(松尾氏)



優れた得点感覚でゴールを量産。神村学園の福田師王 photo by Morita Masayoshi

福田師王
ふくだ・しおう(FW/2年/神村学園・鹿児島県/178cm、70kg)

「『ゴールを絶対に取ってやる』という気持ちが強いですよね。いろんなパターンで点がとれますし、シュートレンジが広い。ハーフウェーライン手前から決めたゴールを2回ぐらい見ていて、どこからでも狙えるのがすごいですね」(松尾氏)
「クロスを点で合わせるのもすごく上手ですね。ただ、彼をどう表現していいかわからないところがあります。体がめちゃくちゃ強いわけでもないし、足が速いわけでもない。でも、仕事はするみたいな(笑)」(森田氏)
「福井商とのインターハイ初戦で初めて見ましたが、クロスからのシュートを7、8本打って、全部ニアサイドで合わせる形。結果はハットトリックだったんですけど、『あと5点ぐらいはとれた』と。そう言えるFWはすばらしいですよね」(土屋氏)



ゴールパターンが豊富なストライカー。仙台育英の佐藤遼 photo by Morita Masayoshi

佐藤遼
さとう・りょう(FW/3年/仙台育英・宮城県/176cm、68kg)

「1年生からレギュラーで選手権にも出ていた選手です。元々スピードがあったのですが、今年に入って力強さやゴールに向かう姿勢が格段に上がりました。対戦相手の評価も高く、警戒されている存在です。ボランチに注目されている島野怜(3年)もいますが、佐藤もチームのキーマンだし、警戒されているなかで結果を出してきて、一皮、二皮も剥けましたね」(土屋氏)
「"ザ・ストライカー"という感じで、見ていて好きな選手です。本当にいろいろなパターンでゴールを決められます。あと、今年弟が入ってきて、1年生でメンバーに入っています。その共演も楽しみです」(森田氏)



ゴールでチームを引っ張る存在。三重の吉良元希 photo by Tsuchiya Masashi

吉良元希
きら・げんき(FW/3年/三重・三重県/183cm、77kg)

「彼も"ザ・ストライカー"でゴールに貪欲。グイグイゴールに絡んで、自分で仕掛けたり、点で合わせるのもうまい選手です。努力家ですごく真面目。自主練習でも率先してやるので、チームメイトも触発されているとか。しかも、勉強もできて学年No.1だそうです。取材をしていて想いや情熱を感じる選手ですね」(森田氏)
「体のケアに自信があるみたいで、ブリッジや三点倒立をやったり、わざわざ奈良県の治療院まで通っているそうです。おかげで『空中で止まれる感覚を身につけた』と話していました。喋り方も引き込まれる感じで、すごく印象に残っている選手です」(土屋氏)

鈴木章斗
すずき・あきと(FW/3年/阪南大高・大阪府/178cm、70kg)

「ゴール前で合わせる能力が高く、体が強くてヘディングの打点が高いです。彼がゴール前にいるだけで、点が入りそうな匂いがするんですよね。入団が決まっている湘南ベルマーレの練習に行って、身体も大きくなった気がします」(松尾氏)
「彼がもっとすごいのは、実は胸トラップなんですよ。空中で止まれるので、ヘディングできるボールを胸で収めるんです。昨年の夏以降、体が大きくなったので中盤からFWにコンバートされ、濱田豪監督にやり方を伝授されたそうです。本当に見ていて楽しいですね。『そこで胸トラするんか』みたいな。また、性格もFWらしく、独特でマイペースで強気。彼は今大会トップクラスのFWですね」(森田氏)

清水蒼太朗
しみず・そうたろう(FW/3年/流経大柏/175cm、75kg)

「見た目もプレーもゴリゴリしていていいですよね。前線から守備を頑張る選手で、とにかく一生懸命。夏前にBチームから上がってきたストーリーも含めて、応援したくなる選手ですね」(松尾氏)
「流経大柏にありがちな、全然試合に出ていなかった選手がいきなり出てきたパターンです(笑)。インターハイでいきなりメンバー入り。彼は小学生で今と同じぐらい身長があって、その時からゴリゴリいくプレースタイルだったそうです。それで、それを貫いているとのこと。また、1年生の頃からホームルーム委員長を任されていて、毎日起立の号令をかけたり、学校の集まりに出たりしているそうです。そうした面も含めて素直でかわいいし、めちゃくちゃ真面目な選手ですね」(土屋氏)

土屋雅史氏の注目選手
MF: 宇野禅斗(青森山田)/小林恭太(流経大柏)/宇田川瑛琉(堀越)/玄理吾(静岡学園)/薬師田澪(大津) 
FW: 渡邊星来(青森山田)/佐藤裕翔(専大北上)/佐藤遼(仙台育英)/
渡辺祐人(帝京長岡)/吉良元希(三重)

森田将義氏の注目選手
MF: 藤田仁朗(滝川第二)/大渕来珠(東福岡)/渋谷諒太(流経大柏)/阪田澪哉(東山)/徳永涼(前橋育英) 
FW: 福田師王(神村学園)/佐藤遼(仙台育英)/吉良元希(三重)/福田秀人(米子北)/鍋島愛翔(高松商)

松尾祐希氏の注目選手
MF: 松木玖生(青森山田)/大迫塁(神村学園)/大渕来珠(東福岡)/根津元輝(前橋育英)/芥川蘭丸(宮崎日大) 
FW: 福田師王(神村学園)/小林俊瑛(大津)/鈴木章斗(阪南大高)/川谷凪(静岡学園)/清水蒼太朗(流経大柏)