東京2020パラリンピックが開催された2021年がもうすぐ幕を閉じる。日本選手団をはじめとする世界中のパラリンピアンが躍動したあの日々は、人々の目にどう映ったのだろうか。先日、パラサポ公式Instagram( @parasapo)のストーリ…

東京2020パラリンピックが開催された2021年がもうすぐ幕を閉じる。日本選手団をはじめとする世界中のパラリンピアンが躍動したあの日々は、人々の目にどう映ったのだろうか。先日、パラサポ公式Instagram( @parasapo)のストーリーと公式Twitter(@parasapo)のタイムラインで「あなたにとってパラリンピックとは?」と質問を投げかけたところ、400名以上の声が寄せられた。今回は、その中から印象に残ったコメントを紹介する。

パラスポーツとの出会いと感動

ここ数年、テレビなどのメディアでパラスポーツが取り上げられることが急増したが、「公式試合を観たのは、東京2020パラリンピックが初めて」という人も少なくないはず。かくいう筆者も、その一人。あまりの面白さに夢中になり、連日のようにテレビにかじりついて熱狂した。さらに、今大会は1年延期の末の無観客開催という異例づくしだったこともあり、感慨もひとしお。パラリンピアンたちの熱い戦いを目撃した多くの人にとって、大きく心を揺さぶられる13日間になったに違いない。

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選手からもらった、たくさんの勇気

私たちはいつも、常人には真似できないような努力を積み重ねてきた人たちの勇姿に感動し、励まされ、勇気をもらっている。それはパラリンピアンも例外ではなく、彼らの活躍は、病気や障がいのある人、その家族や友人にとっても希望になるのかもしれない。また、未曾有のパンデミックで疲弊した人や環境を変えざるを得ない人にも活力となったことだろう。

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みんなが感じた、未来への希望と光

今回のアンケートで多くの人が「パラリンピック=多様性を実感する場」と答えた。東京2020パラリンピックには、162の国と地域並びに難民選手団が参加。性別、国籍、年齢、人種・民族、身体的特徴など、異なる属性を持つ選手たちが、それぞれのスタイルで躍動する姿を目にすることができた。しかし、“多様性の実感“を特別なイベントにしてはならない。東京2020パラリンピックをきっかけに、誰もが住みやすい社会に向けてイノベーションが加速することを願っている人が多いようだ。

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それぞれが考えさせられた、新しい発見と学び

開閉会式でキャンペーン動画が放映された世界的人権運動“WeThe15”によると、世界人口の15%に相当する12億人が障がい(または障がいの可能性)を抱えているという。15%という数字は、日本の総人口における15歳未満の子どもが占める割合(12.0%)よりも高い。

今回のSNSアンケートでは、考え方や感覚を刺激されたという意見が多く見られた。これはパラリンピックによって “普通”とは何かを多くの人が考えたからかもしれない。

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アスリートにとってのパラリンピック

今回のSNSアンケートには、6人のパラアスリートからもコメントが寄せられた。東京2020パラリンピックに出場した彼らには、パラリンピックという舞台がどう映ったのだろうか。

残念ながら無観客開催となったものの、感動、勇気、希望、障がいに対する理解、共生社会の実現を促す気づきなど、人々に多くのものをもたらした東京2020パラリンピック。あの時に感じたあたたかい気持ちを育むことで、これからの日本は大きく変わっていくはずだ。努力の末に国や地域の代表としてパラリンピックの舞台に立ったアスリートたちは、まぎれもなく私たちのヒーローだ。

text by Uiko Kurihara

photo by Getty Images Sports

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