第30回全日本大学女子選手権 初戦早大20-02―00大阪体育大【得点】(早大)48分 加藤希、64分 髙橋雛(大体大)…

第30回全日本大学女子選手権 初戦
早大0-0
2―0
大阪体育大
【得点】
(早大)48分 加藤希、64分 髙橋雛
(大体大)なし

 ア式蹴球部女子(ア女)にとっての全日本大学女子選手権(インカレ)が幕を開けた。初戦の相手は、一昨年の準々決勝で延長戦の末に辛勝した大阪体育大。序盤から試合の主導権を握るが、前半は0-0に終わる。それでも48分、MF加藤希主将(スポ4=アンジュヴィオレ広島)が間接FKから先制。64分にはFW髙橋雛(社3=兵庫・日ノ本学園)のゴールで追加点を奪う。終始試合をコントロールしたア女は、危なげなく2―0で勝利。初戦敗退した昨年の雪辱を果たし、準々決勝に駒を進めた。

 


インカレの初ゴールに歓喜するア女

 

 冷たい風の吹き付ける厳しい条件の下、試合に臨んだア女は序盤から相手ゴールを攻めたてる。この日、ア女は公式戦で初めて3バックを採用。両翼を担ったMF蔵田あかり(スポ4=東京・十文字)とDF船木和夏(スポ3=日テレ・メニーナ)を中心とした、サイドからの攻撃でゴールを狙う。前半28分、髙橋からパスを受けた蔵田あかりがサイドを突破。クロスのこぼれ球に反応したFW吉野真央(スポ3=宮城・聖和学園)がシュートを放つ。しかし、相手キーパーの好セーブで、惜しくもゴールを奪えない。さらに45分、吉野がうまく体を入れ替え裏に抜け出しパス。後ろから走りこんだMF並木千夏(スポ4=静岡・藤枝順心)が合わせるが、シュートは枠を捉えることができず。度重なるサイドからの攻撃でチャンスを演出するも、スコアレスのまま試合を折り返した。

 「(ゴールを)奪えなくても、どこかで取れるという空気はあった」(加藤)。ア女は後半に入っても攻撃の手を緩めない。後半開始からMF三谷和華奈(スポ2=東京・十文字)を投入し、焦らずかつ貪欲にゴールを狙った。すると48分、相手ゴール前での混戦から間接FKを獲得。ゴールライン上に立ち並ぶ相手を物ともせず、ゴール左上隅に豪快に突き刺した主将のシュートで、待望の先制点をもぎ取った。続けて64分、船木が高い位置でボールを奪うと、左に流れたFW廣澤真穂(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)にボールを預ける。左サイドをドリブルで突破した廣澤の折り返しを、ファーサイドでフリーだった髙橋が冷静に流し込み追加点。2点のリードを奪ったア女は、その後も優位に試合を進め、2-0で白星を獲得した。

 


自身初のバースデー弾を決めた髙橋

 

 皇后杯では2回戦で姿を消し、涙を飲んだア女。しかし、決してその敗退を引きずらず、ピッチ上で成長を示した。「気持ちで負けないというところで、戦術の前に気持ちの部分が一番大事だと思った」とMFブラフ・シャーン(スポ3=スフィーダ世田谷FCユース)は語る。インカレにかける思いを体現し、初戦で圧倒的な力で勝利をつかんだア女。常に『挑戦者』として試合に臨む37人は、大学女子サッカーの『頂』に向けて1歩足を踏み出した。

(記事 松永拓朗、写真 冷水睦実、手代木慶、取材 杉﨑智哉、前田篤宏、永田怜)

 


スターティングイレブン(ア式蹴球部女子提供)

 

早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GK近澤澪菜スポ3JFAアカデミー福島
DF船木和夏スポ3日テレ・メニーナ
8426木南花菜スポ1ちふれASエルフェン埼玉マリ
DF後藤若葉スポ2日テレ・メニーナ
DF22夏目歩実スポ2宮城・聖和学園
MFブラフ・シャーンスポ3スフィーダ世田谷FCユース
MF蔵田あかりスポ4東京・十文字
→HT18三谷和華奈スポ2東京・十文字
MF8並木千夏スポ4静岡・藤枝順心
→77分30築地 育スポ1静岡・常葉大橘
MF◎10加藤希スポ4アンジュヴィオレ広島
FW廣澤真穂スポ3ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
→84分12黒柳 美裕スポ4宮城・聖和学園
FW11髙橋雛社3兵庫・日ノ本学園
FW15吉野真央スポ3宮城・聖和学園
→67分19笠原綺乃スポ2横須賀シーガルズJOY
◎=ゲームキャプテン

 

DF加藤希主将(スポ4=アンジュヴィオレ広島)

――今日の試合全体を振り返るといかがでしたか

挑戦者として、全員が戦えた良い試合だったのかなと思います。

――インカレのゴールラッシュの幕開けが、主将ご自身となりましたが

自分たちからは(ゴールが)見えづらい場所だったのですが、そこで点を決められたのは良かったです。若葉(後藤、スポ2=日テレ・メニーナ)が「希さんいったら」と言ってくれたり、和夏(船木、スポ3=日テレ・メニーナ)が「ここ空いてるよ」と言ってくれましたし、千夏(並木、スポ4=静岡・藤枝順心)もいい感じでチョンとやってくれましたし、周りのサポートがあっての得点だったなと思います。

――前半、チームの状態が良い中で得点を奪えなかったことについては、どこに要因があったのでしょうか

初戦が難しいことは分かっていましたし、みんなどこかが悪いとかはなかったです。「(ゴールを)奪えなくても、どこかで取れる」という空気はあったので、前半に得点は取れなかったのですが、関カレ(関東大学女子リーグ戦)の武蔵丘短大戦(11月14日、△0―0)のような押し込んでも点が取れない、という焦りがチームとしてなかったのは、一つの違いかなと思います。

――そのように感じたのはなぜでしょうか

真央(吉野、スポ3=宮城・聖和学園)も「(ゴールを)取れる取れる」と言っていましたし、練習から見ていても大丈夫な気はしたので、焦りよりも前に圧を持っている感じが後ろから見ていてしたので、何とかなるかなという感じでした。

――相手に対してはどのような対策を立てていましたか

特別相手に対してこのような守備をする、というのは無かったです。自分たちがやってきた前からのプレスであったり、セカンド(ボール)の切り替えであったりをやっていこうという感じでした。

――自分たちがやってきたことを遺憾なく発揮して勝ちましたが、あえてチームの課題を挙げるとするとどこでしょうか

シュートを多く打っていた中で、もっと多く(ゴールが)決まっても良かったと思うので、クロスもそうですがシュートの精度を中心に詰める部分はまだあるなと思います。最後に相手にセットプレーを与えた時の切り替えについても、まだまだ詰められる部分があったのかなと思います。

――28日の試合に向けての意気込みをお願いします

新潟医療福祉大と日大のどちらが勝ったとしても、自分たちはチャレンジャーですし、初戦と同様に自分たちは戦うだけなので、自分たちがやってきたことをしっかり出せるように戦っていきたいです。

 

MFブラフ・シャーン(スポ3=スフィーダ世田谷FCユース)

――まずインカレ初戦を終えてどういう感想を持っていますか

とりあえずホッとしています。去年の初戦負けがあったので勝てて良かったなと思っています。

――システム含め、戦い方を変更して初めての試合でしたがどうでしたか

皇后杯が終わってみんなで試行錯誤しながらやってきた中でうまく行かない部分もありましたが、今日の試合では気持ちで負けないというところで、戦術の前に気持ちの部分が一番大事だと思いましたし、そこは全員で体現できたので良かったなと思いました。

――トーナメントの初戦という意味では皇后杯に比べて、序盤から押し込むことができていましたが、感触はどうでしたか

前半から自分たちの攻める時間帯も多くて、でもやっぱり決め切れない、前半のうちに1点取っておきたかったというのが正直に思うところです。それでも勢いを切らさず後半にそのままつなげられたのは良かったなと思います。

――2ボランチでプレーされましたがいかがでしたか

2ボランチと言っても、どちらかというと自分の方がアンカーっぽくて今までと大きく変わるわけではなかったので、いつも通りできたと思います。

――もう一つシステムの話で言うと、後ろに3人いる形でしたがそういう部分も変わりはなかったですか

若葉(後藤若葉、スポ3=日テレ・メニーナ)が上がることが多かったので、そこのリスク管理などは自分個人としては意識していました。

――次は中1日での準々決勝となります。今日はフル出場されて疲れなどもあると思いますが、意気込みをお願いします

次の試合に勝てば東京に戻ってプレーできるので、明日しっかりいい調整をして全員で勝ちに行きたいと思います。

 

FW髙橋雛(社3=兵庫・日ノ本学園)

――初戦突破しましたが、試合全体を振り返っていかがでしたか

去年の同じ日に悔しい思いをして、1年たった今、みんなもその悔しさを忘れていなかったし、初戦という難しい試合でしたが、しっかり自分たちの力を出そうっていう気持ちも出ていたし、全員で戦えて勝ててよかったかなと思います。

――勝ちを決めたのが2点目のゴールかなと思いますけど、バースデーゴールを決めてどうですか

3年連続でインカレの初戦が誕生日なんですけど、1年生の時は全然何もできなくて、去年は負けて終わって、今年こそはっていう気持ちで決めた初めてのバースデーゴールで勝つことができて、何よりも嬉しい誕生日プレゼントです。

――1年生の時の準決勝で戦って延長の末勝った相手でしたが、そこも踏まえて今日はどのように臨みましたか

自分たちが今までやってきたことをできれば勝てるという自信はみんなもあったので、そこにだけ集中して出し切れば大丈夫、やるだけだという感じでした。

――今日はみんな調子が良さそうで、パス交換のスピードがすごい速いなと思ったんですけど、練習でどのようなことを意識していましたか

練習からもそうですし、男子と練習試合する機会が最近多いのでその成果が出ていたんじゃないかなと思います。

――どの辺でその成果が出ていましたか

スピード感だったり、反応だったりは男子とやることで自分たちの力も高めることができたのでその成果は出ていたと思います。

――28日に向けての意気込みを聞かせてください

今日勝てて一安心って感じですけど、それで満足せずに、西が丘のピッチに立って全員で戦いたいです。