ラストランで史上初のグランプリ4連覇に挑むクロノジェネシス、ファン投票で歴代最多票を得た3歳馬エフフォーリア、菊花賞馬タイトルホルダーやエリザベス女王杯勝ち馬アカイイト。
ジャパンCを制した三冠馬コントレイルや海外GI3勝のラヴズオンリーユーは不在でも、第66回・有馬記念には役者が揃った。
しかし、昨年は11番人気のサラキアが2着、2019年は単勝1.5倍のアーモンドアイが馬群に沈むなど、一筋縄ではいかないのが暮れのグランプリ。本稿では、過去の傾向から波乱の要素をあぶり出していく。
◆【有馬記念2021予想/穴馬アナライズ-後編】前日“10人気”前後の盲点 コース相性と展開利で波乱を演出
■決まり手を左右する13秒台のラップ
有馬記念攻略の論点は「脚質」。過去10年の脚質傾向を比較すると、逃げ・先行は【5-2-3-36】、差し・追込は【5-8-6-91】。
勝利数は5勝で五分だが、2、3着の好走例は圧倒的に差し・追込が多い。前述の2020年2着サラキアは4角12番手、19年3着のワールドプレミアは16番手、18年3着のシュヴァルグランは10番手の位置から突っ込んだ。
一方、キタサンブラックが逃げ切った2017年は、2着クイーンズリングは4角3番手、3着シュヴァルグランは8番手で、道中10~12番手の後方で追い込んだスワーヴリチャードは2番人気で4着と遅れを取った。
また、2016年はサトノダイヤモンド、キタサンブラック、ゴールドアクターの3頭が4角2、3番手と早めの競馬で叩き合いとなるなど、こちらも前残りのレースとなった。
決まり手がガラリと変わる理由は、シンプルに前半のペースにある。実際、前述の過去5年の前半100m~1100mの5ハロンを見ると、差し・追込が決まった年は前半に11~12秒台を刻んでいたが、前残りだった2017年と16年は前半に13秒台が入っていた。
■ハイペース逃げ宣言のパンサラッサ
4角4番手のアーモンドアイが9着に敗れた2019年は前半4ハロンのすべてが11秒台のハイペースで、キタサンブラックが逃げ切った17年は前半5ハロン目と6ハロン目に13秒台が2本。前半に13秒台のラップが入る否か、決まり手が変わるというわけだ。
今年、レース展開のカギを握るのはパンサラッサ。前走・芝2000mの福島記念では前半1000m57秒3というハイペースで逃げ切り、今回も陣営は「ハイペースの逃げ」を宣言している。
この馬が1枠に入り、隊列はすんなり決まって単騎逃げの展開になりそうだが、菊花賞を逃げ切ったタイトルホルダーも、道中2番手から早めに動く競馬をしたいはず。さらに前走のジャパンCでは向こう正面で動いたキセキもいて、ここもレースをかき回す可能性はある。
最後は底力比べ。こうなるとエフフォーリアとクロノジェネシスの底力は活きてくるはずで、この2頭は人気でも逆らえないが、馬券内のもう1頭となると各馬にチャンスが巡ってくる。イメージは昨年11番人気2着・サラキアのような大外強襲。「後編(土曜17時公開予定)」では差し・追込から波乱を演出してくれそうな穴馬をピックアップする。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長 元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。会心の的中はキセキが制した2017年菊花賞の3連単55万9700円。