米国のヘネシー・パフォーマンス・エンジニアリング社は12月22日、クリスマスツリーを屋根に載せたアウディ『RS6アバント』のカスタマイズ仕様が、295km/hの最高速を計測した、と発表した。クリスマスツリーをルーフに載せた状態での世界最高速…

米国のヘネシー・パフォーマンス・エンジニアリング社は12月22日、クリスマスツリーを屋根に載せたアウディ『RS6アバント』のカスタマイズ仕様が、295km/hの最高速を計測した、と発表した。クリスマスツリーをルーフに載せた状態での世界最高速記録になるという。

◆市販状態で最大出力600hpのアウディRS6アバント
ベース車両のRS6アバントには、直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボ「TFSI」エンジンを搭載する。最大出力600hp、最大トルク81.6kgmを引き出す。最大トルクは、2050~4500rpmで発生し続ける特性だ。トランスミッションは8速「ティプトロニック」、駆動方式は4WDの「クワトロ」で、RS専用チューンが施された。

RS6アバントの動力性能は0~100km/h加速3.6秒、0~200km/h加速12秒、最高速250km/h(リミッター作動)。オプションのダイナミックパッケージを選択すると最高速は280km/hに、「ダイナミックパッケージプラス」を選択すると305km/hに引き上げることができる。

◆ジープグランドチェロキーが2019年に打ち立てた最高速291km/hの更新が目標
ヘネシー・パフォーマンス・エンジニアリング社は、アウディRS6アバントをカスタマイズした。直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、各種チューニングを実施した。これにより、最大出力は800hpと、ベース車両の600hpに対して、200hp引き上げられた。

今回の挑戦は、ヘネシー・パフォーマンス・エンジニアリング社を率いるジョン・ヘネシー氏が、所有するポルシェ『911ターボS』(最大出力は750hpに強化)の屋根にクリスマスツリーを載せて、最高速をテストしたのがきっかけ。ところが、計測した最高速は281km/hにとどまり、クリスマスツリー未積載状態での最高速をおよそ50km/h下回った。ルーフに載せたクリスマスツリーが、超高速域で大きな抵抗になったという。

そこで、ジョン・ヘネシー氏は、妻の所有するアウディRS6アバントで再びチャレンジすることを思いついた。目標は、クリスマスツリーをルーフに載せた状態での世界最高速記録。ジープ『グランドチェロキー』の「トラックホーク」が、2019年に打ち立てた最高速291km/hの更新を目指した。このグランドチェロキーは、ヘネシー・パフォーマンス・エンジニアリング社によって、最大出力が1000hpに強化されていた。

◆新型ハイパーカー『ヴェノムF5』の最終高速テストに合わせて実施
その結果、アウディRS6アバントは、クリスマスツリーを屋根に取り付けた状態で、295km/hの最高速を計測した。グランドチェロキーの291km/hを4km/h上回り、クリスマスツリーをルーフに載せた車両での世界最高速記録を達成した。

ジョン・ヘネシー氏は、「本物のクリスマスツリーを屋根に取り付けた時、クリスマス休暇の楽しみが始まった。驚いたことに、妻のRS6アバントは見事に295km/hで駆け抜けた」と語る。

今回の挑戦は、新型ハイパーカーの『ヴェノムF5』の高速テストに合わせて行われた。ヴェノムF5では、新開発の6.6リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを、ミッドシップに搭載。最大出力は1817hp/8000rpm、最大トルクは165kgmを引き出す。トランスミッションはパドルシフト付き7速。カーボンファイバー製ボディを採用するなどして、車両重量は1360kgに抑えられた。動力性能は、0~100km/h加速が3秒以下、0~200km/h加速が5秒以下。最高速は500km/h以上を目標に掲げている。

ヴェノムF5の高速テストでは、400km/hを超える速度でのタイヤ、ブレーキ、エアロダイナミクスに焦点が当てられた。2022年前半に、480km/h以上の速度でのテストを行う予定、としている。