NGT48 西村菜那子箱根駅伝予想インタビュー 前編"駅伝に詳しすぎるアイドル"として知られるNGT48の西村菜那子さん。毎年、学生ランナーが出場するレースを現地観戦してきたが、昨年に続いて今年も、コロナ禍でそれができずに寂しい思いをしたと…

NGT48 西村菜那子
箱根駅伝予想インタビュー 前編

"駅伝に詳しすぎるアイドル"として知られるNGT48の西村菜那子さん。毎年、学生ランナーが出場するレースを現地観戦してきたが、昨年に続いて今年も、コロナ禍でそれができずに寂しい思いをしたという。



2022年の箱根駅伝を予想したNGT48の西村菜那子さん

 それでも10月の出雲駅伝ではフジテレビの副音声&YouTubeで、「山の神」と呼ばれた東洋大OBの柏原竜二さん、青学大OBの神野大地選手(セルソース)と解説&トークを繰り広げるなど、学生ランナーたちの情報を集めてきた。

 来年正月の箱根駅伝はどんな戦いになるのか。駅伝愛にあふれる西村さんに予想してもらった。

 今大会は全日本大学駅伝でアンカー決戦を演じた駒澤大と青山学院大が"2強"と呼ばれており、出雲駅伝で初優勝した東京国際大も注目を浴びている。そのなかで西村さんが激推ししているのが順天堂大だ。

「往路は順大に優勝してほしいです(笑)。往路の順位予想は1位・順大、2位・駒澤大、3位・青学大。それに4位で創価大が続く感じでしょうか。総合では1位・駒澤大、2位・青学大、3位・順大だと思っています。東京国際大は......ちょっと読めないかな。前回は、ノーマークだった創価大がかき乱して箱根路を盛り上げました。今回は順大が往路を制して、大会を熱くしてくれることを期待しています」

 順大は前回7位。今季は出雲駅伝で10位に終わったが、全日本大学駅伝は3位に食い込んでいる。東京五輪の男子3000m障害で7位入賞を果たした三浦龍司(2年)というスピードスターがいるだけでなく、選手層も厚い。

「往路7位だった前回大会のメンバー5人が全員残っています。三浦選手がどの区間に入るかわかりませんが、1~3区で飛び出すんじゃないでしょうか。山でいえば、四釜峻佑選手(3年)の5区を見てみたいですね。往路で優勝できたら、復路はチーム力がかなり高い駒澤大と青学大に逆転されても、総合で3位には入ると思います」

【駒大と青学大のチーム力は?】

 西村さんの予想では、復路で順大を追いかける形になる駒澤大と青学大はどうなのか。両校はエントリー上位10人の10000m平均タイムでも駒澤大が1位(28分24秒65)、青学大が2位(28分29秒40)につけるなど、総合力では他校を圧倒している。

 駒澤大は出雲駅伝で5位に沈んだが、10000mで日本人学生歴代3位の27分41秒68を持つ鈴木芽吹(2年)の戦線離脱(9月に右大腿部を疲労骨折)が大きかった。鈴木は全日本も欠場したが、箱根駅伝は無事に登録されている。

 そして全日本7区でトップを奪ったエース田澤廉(3年)は、12月4日の日体大長距離競技会10000mで日本人学生最高の27分23秒44(日本歴代2位)をマーク。"花の2区"でも快走が期待されている。

「田澤選手は前回2区で区間7位でしたけど、今回はキャプテンの責任もあるので大活躍してくれると思います。往路の順位は鈴木選手の状態次第になるでしょうね。往路で他校に先行されても、選手層が厚いので8区あたりで追いつくと予想しています。

 復路は全日本のアンカー勝負を制した花尾恭輔選手(2年)が強さを発揮するんじゃないでしょうか。出雲と全日本で4年生が欠けてしまったなかでエントリーされた、前回8区(区間4位)の佃康平選手は、最後の箱根で"最上級生の意地"を見せてくれると思っています」

 全日本で駒澤大と8秒差の大接戦を演じた青学大は、出雲駅伝も準優勝。今季5000mと10000mで青学大記録を樹立した近藤幸太郎(3年)が駅伝でも大活躍している。出雲は1区で区間賞を獲得すると、全日本は7区で区間2位。駒澤大のエース田澤に食らいつき、18秒差と踏ん張った。

 さらに、前々回で2区を日本人1年生最高の1時間7分03秒で突っ走った岸本大紀(3年)が復活。全日本は3区で日本人トップ(区間3位)と好走した。山にも強力な経験者がおり、不安材料は非常に少ない。何よりエントリーした16人全員が10000m28分台という選手層の厚さが武器になる。

「青学大は、11月24日のMARCH対抗戦を欠場した岸本選手と佐藤一世選手(2年)の状態が気になりますね。でも、6区には前回区間3位の高橋勇輝選手(4年)がいますし、選手層が厚いので復路勝負できるのではないでしょうか。高橋選手は私と同じ長野出身なので個人的にも応援しています(笑)」


駒大、青学大の

「2強」と順大に注目する西村さん

【4位以下はどうなる?】

 西村さんが往路4位と予想した創価大は前回、往路を初制覇。復路も終盤まで独走して準優勝に輝いた。今季は初出場の出雲駅伝で7位に終わったが、新戦力も育っている。

 登録選手上位10人の10000m平均タイムは、前年の13位(29分05秒37)から4位(28分35秒81)に浮上した。 前回の往路Vメンバーが4人残っており、出雲3区で区間賞を獲得したフィリップ・ムルワ(3年)、過去2回の箱根で快走している嶋津雄大(4年)を軸に、往路は上位争いを演じるだろう。

「創価大は2区候補のムルワ選手が、東京国際大のヴィンセント選手と並走する展開になると、前回と同じような形になるかもしれません。5区には前回区間2位の三上雄太選手(4年)がいますからね。三上選手は前回、ランニングシャツで山を上っていたのが印象に残っています」

 出雲駅伝で初優勝に輝いた東京国際大は、花の2区で区間記録を持つイェゴン・ヴィンセント(3年)と、出雲3区でトップを奪った丹所健(3年)のWエースに破壊力がある。加えて10000m28分11秒94の山谷昌也(3年)が1区候補に挙がっており、往路ではトップを走る可能性が高い。

「ヴィンセント選手はまた爆走してくれると思うので、故障の影響で全日本大学駅伝は6区にまわった丹所選手の活躍次第でしょうか。あとは、5区でどこまで粘ることができるかですね」

 箱根駅伝は花の2区と山上りの5区で順位が大きく変動するが、西村さんは準エース区間の4区にも熱視線を注いでいるという。

「過去、4区は東洋大・相澤晃選手(現・旭化成)、青学大・吉田祐也選手(現・GMOインターネット)が快走して、そのまま往路優勝しています。前回も創価大・嶋津選手が首位に立ちました。近年は4区を勝ち取ったチームが大活躍しているので、ぜひ注目してほしいです!」

(後編:「山の神」候補と上位7チームの「神セブン」は?>>)