2試合で12回2失点。ここまでの2戦で千葉ロッテ・佐々木千隼投手がいずれも前評判通りの好投を見せている。4月20日、敗れはしたものの、7回1失点の内容で福岡ソフトバンク打線を相手に堂々の投球。パ・リーグの新人王最有力のドラ1右腕がこの日の登…

2試合で12回2失点。ここまでの2戦で千葉ロッテ・佐々木千隼投手がいずれも前評判通りの好投を見せている。4月20日、敗れはしたものの、7回1失点の内容で福岡ソフトバンク打線を相手に堂々の投球。パ・リーグの新人王最有力のドラ1右腕がこの日の登板でもしっかりと好結果を残した。

■佐々木が7回1失点好投、プロ初黒星も存在感

 2試合で12回2失点。ここまでの2戦で千葉ロッテ・佐々木千隼投手がいずれも前評判通りの好投を見せている。4月20日、敗れはしたものの、7回1失点の内容で福岡ソフトバンク打線を相手に堂々の投球。パ・リーグの新人王最有力のドラ1右腕がこの日の登板でもしっかりと好結果を残した。

 オープン戦は13勝2敗3分、勝率.867で2位に3ゲーム差をつけたロッテ。しかし、シーズン開幕後はなかなか波に乗れず、上位浮上へのきっかけを探る日々が続く。そんな中で、涌井投手が1勝2敗、石川投手が0勝3敗と、頼みの2本柱が揃って本調子には遠い投球。石川は4月19日に登録を抹消され、再調整を命じられる事態に陥っている。

 こういう苦しい時こそ、チームとして必要になってくるのが新戦力の活躍である。この日の佐々木はチームに勝ち星こそつけられなかったものの、十分すぎるほどの投球で今後へ向けた明るい材料をもたらした。

 初回、先頭の中村晃に全球ストレート勝負を挑み遊ゴロ。続く2番・今宮へは浮き上がるような直球で手を出させず見逃し三振。3番の柳田は外角低めのシンカーで打ち損じさせた。

■投手コーチ「前回の初登板より落ち着いて投げられている」

 2回は1死からデスパイネに四球を許し、走者を出すも無失点。3回は中村晃に四球を与え、1死一、二塁のピンチを迎えた場面で女房役・田村がマウンドへ。同級生バッテリーがともに笑顔で一呼吸置き、冷静さを取り戻すと、直後の今宮を併殺に仕留めてピンチ脱出。3回まで無失点と上々の立ち上がりを披露する。

「今日は前回の初登板より落ち着いて投げられている」と英二投手コーチが評したように、4回以降も落ち着いた投球を展開。5回に味方のミスで1点を失うも、そこで崩れることなく辛抱強く投げ続けていく。6回は得点圏に走者を背負うが、意に介さず。7回にも安打で走者を背負ったものの、おあつらえ向きの併殺で切り抜けた。

 外角いっぱいのストレートにソフトバンク打線は苦戦し、右打者の外角に逃げるスライダー、内角低めに決まるシンカーで最少失点に抑え続けた。また、臆することなく内角の厳しいコースを突く強心臓ぶりも発揮し、7回104球を投げ、被安打5、奪三振5、与四球3、失点1。打線の援護に恵まれず、プロ初黒星となったが、今後に期待の持てる投球内容だったと言えるだろう。

 前回登板から中13日で迎えた今回の1軍登板。今後はローテーションの一角として、間隔を狭めての登板が予想される。低迷するチームを救う救世主となり、目標に掲げた新人王獲得となるか。今後の佐々木投手の登板に注目していきたい。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」編集部 松下雄馬