もうすぐ始まる2022年のテニスシーズン、今から1年後に世界ランキング1位の座に就いている選手は誰だろうか?テニスワール…
もうすぐ始まる2022年のテニスシーズン、今から1年後に世界ランキング1位の座に就いている選手は誰だろうか?テニスワールドの公式Twitterでアンケートを実施、そこでテニスファンから多くの票を集めた選手たちの来シーズンを予想していこう。WOWOWテニスワールドのオンライン楽屋で語られた、元プロ選手の村上武資と近藤大生の意見も交えてお届けする。【無料視聴】村上武資、近藤大生出演。WOWOWテニスワールドのオンラインイベント
■1位:ノバク・ジョコビッチ(セルビア)
最も多くの票を集めたのはやはりノバク・ジョコビッチ(セルビア)。2021年に年間グランドスラム達成寸前まで行き、年末の世界ランキングで7度目の1位と歴代単独トップに立った彼は、新シーズンも王座を守ると見られている。来年5月に35歳となるジョコビッチは、最近序盤のセットを落としてフルセットにもつれることも増えてきたが、近年はグランドスラムと代表戦に焦点を絞っているので体力面での懸念点は少ない。とはいえ、不安要素がないわけではない。今年はグループステージ敗退を喫した「ATPカップ」と3回戦敗退に終わった「ATP1000 モンテカルロ」以外の大会ですべてベスト4以上の好成績を残したが、大会を限っている分、早期敗退となれば獲得ポイントは大幅に減少する。また、ダニール・メドベージェフ(ロシア)をはじめとしたビッグ3に続く勢力がグランドスラムでも経験を積んできているため、優勝を逃した「全米オープン」の再現となるリスクもある。
2022年は、今年果たせなかったグランドスラム優勝の新記録達成や、元世界女王シュテフィ・グラフ(ドイツ)の持つ世界1位在位期間の最長記録(377週)の更新も懸かるため、ひとまずモチベーションの維持に困ることはないだろう。ただ、村上と近藤は「21回目のグランドスラム優勝を成し遂げるまで勢いは続くだろうが、そこからどうなるかが注目」だと口を揃えている。
■2位:ダニール・メドベージェフ(ロシア)
次点につけたのは、昨年ジョコビッチと世界1位の座を争ったメドベージェフ。最終的に3,000ポイント近い差をつけられることになったが、シーズン後半のハードコート大会で39試合中34勝を挙げて、シーズン成績では2019年の59勝というキャリアハイを更新し、ツアー最多の63勝に到達した。ハードコートを得意とする一方、ほかのサーフェスは苦手としていたが、鬼門だった「全仏オープン」で今年は初勝利を挙げると準々決勝まで勝ち進み、グラスコートでの初タイトルも手にするなど、着実に進化してきている。「動けて、強打ができて、小技もうまくて、戦術のバリエーションも含めてすべて持っている」(村上)と高く評価されるメドベージェフが、ハードコートでの強さを保ったまま、これまであまりポイントを得られていなかったクレー、グラスの大会でも結果を残せるようになれば、ジョコビッチからついに王座を奪えるかもしれない。
■3位:アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)
先日の「2021年最も印象に残った選手(男子編)」で1位の錦織圭(日本/日清食品)と僅差で2位に入ったアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が、今回も上位にランクイン。今季優勝6回はツアー最多。「Nitto ATPファイナルズ」では「東京オリンピック」に続いてジョコビッチに勝ち、「全米オープン」王者のメドベージェフを決勝で破った。今季わずか7敗のジョコビッチを複数回破ったのはズベレフのみ。ラファエル・ナダル(スペイン)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)、アンドレイ・ルブレフ(ロシア)といったタイトルを争うほかのライバルからも勝利を挙げている。多くのテニスファン同様、近藤も彼のポテンシャルを高く評価しており、2022年の王者に予想。その理由として「ストロークの破壊力、ネットを使う巧さが、ベストを出せればジョコビッチやメドベージェフよりも上にいる」と説明する。イチオシはチチパスの村上も、「5セットマッチの戦い方を身に着けることが重要だが、グランドスラムでチャンピオンになる確率は上がってきている。いよいよ来年はズベレフの年になるかもしれない」と述べている。悲願のグランドスラムタイトルに手が届けば、一気に新王者へ名乗り出る可能性はある。
■4位:ラファエル・ナダル(スペイン)
年末ランキングのトップ10選手の中で、ジョコビッチ以外で唯一世界王者の経験があるナダルは4位にランクイン。怪我に苦しんだ今季は7大会の出場にとどまったが、うち2大会で優勝。満足にプレーできる状態ではなかったことを先日打ち明けた「ATP500 ワシントンDC」以外ではすべて準々決勝以上に進出している。先週行われたエキシビション大会で4ヶ月ぶりの復帰を果たし、2戦2敗だったものの一定の手ごたえを口にしていた。その後、新型コロナウイルスに感染してしまったものの、来年も早々からプレーすることができれば、これまで培った経験値と勝負強さを見せてくれるのではないだろうか。
■5位:ドミニク・ティーム(オーストリア)
ナダルと同じく再起が期待されるのが元世界3位のドミニク・ティーム(オーストリア)。2020年「全米オープン」でグランドスラム初優勝を果たしたが、その後は膝や手首の負傷に悩まされており、今季出場したのは9大会。うち4大会で初戦を突破することができていない。特に過去2度準優勝している「全仏オープン」で1回戦敗退、しかも2セットアップからの逆転負けを喫したことには本人も「初めての状況」だとショックを受けていた。とはいえ、ビッグ3との戦績でもグランドスラムでも実績は十分。現在は慎重にリカバリーを進めており、「全豪オープン」での復帰を目指している。
そのほかには、18歳の新星カルロス・アルカラス(スペイン)にも1票が投じられた。
(テニスデイリー編集部)
※写真は「ウィンブルドン」でのナダル(左)とジョコビッチ(右)
(Photo by Chaz Niell/Icon Sportswire via Getty Images)