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現地時間4月27日から開催されるNFLドラフト。上位指名が有力視されている選手を紹介しよう。今年のドラフト1位指名の最有力候補とされているのがDEマイルズ・ギャレットだ。高校時代からダラス地区の最優秀守備選手として活躍、父はNBAの選手として、姉は大学で陸上選手として活躍したアスリート一家、誰もが大学での彼の活躍を期待した。その期待を裏切らず、テキサスA&Mでは1年時から11・5サックをあげ、新人のアメリカ選抜と、新人SEC選抜に選出された。

2年時には19・5ロスタックル、12・5サック、5回のファンブルフォースを記録。カレッジの最優秀ラインもしくはLBに贈られるロンバルディ賞、最優秀DEに贈られるテッド・ヘンドリックス賞のファイナリストに残った。3年時は膝の怪我に苦しんだが11試合に出場、うち9試合に先発し15ロスタックルと8・5サックを記録。前年よりも少ない出場機会ながら、アメリカ選抜とSEC選抜に選出された。

大学時代の成績は<優れたパスラッシャーとしての才能を示している。彼の特長はなんといっても見た目以上に鍛えあげられたその肉体から繰り出されるバネのような瞬発力。その瞬発力を裏付けているのが約1メートルの垂直飛びの記録。この記録はNFLのドラフトを受けたDEの平均記録約85・1cmを遥かに上回っているだけでなく、ジャイアンツのWRオデルベッカムJrの98センチを上回る。

193センチ123kgの巨体でこの瞬発力は驚異的だ。その身体能力を生かし、ブロックを押し込むことも、外側からかわすこともできる。スナップ直後のスタートにも定評があり、スナップカウントを読んだ際の最初の3歩でオフェンスラインは崩壊する。事実、オフェンスラインの選手が彼にまったく触れることすらできずにブロックを突破され、サックを許してしまう場面は大学の試合で数多く見られた。

テクニック面も強く、腕で掻き分けることも、引き倒すことも得意としている。さらにはドワイト・フリーニーのようなスピンも兼ね備えていてパスラッシュ能力をさらに引き上げている。ランに対しても持ち前の瞬発力で内側に高速で突撃することができ、長いストライドで地面を捉え、オープンフィールドタックルにも期待ができる。タックルも正確で、一度捕まえたQB、RBを逃さない。欠点としてあげるとすれば、身体能力と爆発力に依存しているため、パスラッシュのチームプランとあわせること、初動が悪かった際の判断が遅くなりがちなことであり、一流のオフェンスラインを相手にすると分が悪くなる傾向にあるようだ。

それでも瞬発力はNFLでも稀に見る才能と言っていいだろう。ギャレットの記録を上回るDEの垂直飛びの記録は2006年にベアーズにドラフトされたマーク・アンダーソンだけである。しかし、コンバインでのアンダーソンのベンチプレスが20回であるのに対し、ギャレットのベンチプレスは33回と大きく上回っており、パワーと瞬発力の総合的なポテンシャルはギャレットの方が上だ。

サイズには恵まれているものの、正面からオフェンスラインとぶつかりあうタイプではないので、OLBへのコンバートも考えられるそうだ。DEからOLBへのコンバートといえば2002年全体2位指名でNFLに入り、現在グリーンベイ・パッカーズに所属するジュリアス・ペッパーズだが、外側から回り込むスピードと正面から突破するパワーを兼ね備えている点で彼とプレースタイルが似ている。

ペッパーズはNFL史上5位となる143・5サックを誇っているが、ギャレットは彼よりも5kg重いものの、腕はギャレットの方が長く、瞬発力や直線スピードでもギャレットの方が速い。

パスラッシャーとして活躍しているデンバー・ブロンコスOLBのボン・ミラーと比べても垂直飛びでは10cm上回り、立ち幅跳びでは50cm優っている。ベンチプレスも12回多い。ミラーが上回っているのは40ヤード走のタイムのみ。しかも僅か0.1秒の違いだ。

パスラッシュの作戦、全プレーの最初から最後まで全力で取り組むといった要素では訓練が必要ではあるものの、NFLでもトップレベルの活躍ができる身体的素養を持った選手の一人であることは間違いない。