グランドスラムで史上初めて「全米オープン」の予選から勝ち上がって優勝し、一晩で世界中の注目を集めたエマ・ラドゥカヌ(イギ…
グランドスラムで史上初めて「全米オープン」の予選から勝ち上がって優勝し、一晩で世界中の注目を集めたエマ・ラドゥカヌ(イギリス)が、インタビューで自身の趣味や「全米オープン」中の心情などについて語った。スポーツウェブメディアSportskeedaなど複数メディアが伝えている。【関連記事】ラドゥカヌが新型コロナ感染、アブダビ大会欠場へ
英スポーツ専門チャンネルSky Sportsのインタビューに応えたラドゥカヌ。実はオートバイの大ファンであり、いつか免許を取得したいと語った。
「私は、ひどいアドレナリン中毒なの。運転免許は持っているけれど、モータースポーツの大ファンだから、オートバイの免許も取ろうかな。スピードが出て楽しい競技よね」
ラドゥカヌの躍進は、メディアから多くの注目を集めることになった。加えて、元ラグビー日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏など、テニス以外のスポーツ界からも関心が寄せられコメントされることも増えた。「全米オープン」で栄光を掴んだ後、やや勢いが衰えたラドゥカヌに対し、ジョーンズ氏はコート外での活動に気を取られすぎだ、と助言した。
しかし、重要なのは親しい人たちの意見だけだとラドゥカヌは語り、自分自身の期待に応えることにのみ集中しているという。
「人は私に対して意見を持ったり期待を抱いたりするんでしょうけど、私はそういうことについては考えない。私にとって、重要なことじゃないの」とラドゥカヌ。
「私にとって重要なのは、私が自分に期待すること、そして自分が何を達成したいか、その日に何をやり遂げたいかなの。それは、純粋に上達すること、自分が向上するのを見ることであって、親しい人たち以外の意見には耳を貸さないわ」
今回のインタビューでは今年の「全米オープン」での活躍についても語った。ラドゥカヌは、大会出場前それほど期待していなかったこと、そしてプレッシャーはあったものの大会を楽しんでいたことを語った。
「もしかしたら予選を通過できるかも、って思いながらニューヨークに着いたわ。少し疲れてたの」とラドゥカヌは当時を振り返り語った。「本当に素晴らしい時間を過ごしたわ。そう思えた秘訣は、私がその日その日に集中していたことね」
「あっという間に日々が過ぎていったわ。あまりに速かったから、最後の方は“まだ帰りたくない、まだ居たい”と願っていた。大会の終盤になって、“でも、もしかして?まだ勝ち残っているわ、できるんじゃない?”って思った。でも、誰も大げさに騒いだりしなかったわ」
だが大会2週目に入ると縁起を担ぐようになり、毎日同じルーティンを繰り返すようにしていたそうだ。「確か最後の週になるまで“よし”って思えなかった。3週間、毎晩ポキ[ハワイ料理の一品]を食べ続けていたの。運が変わって欲しくなかったから」とラドゥカヌは語った。
「ニューヨークでの一番の思い出は、会場でものすごく楽しめたってこと。もちろん、私なりの障害に直面したし、そしてそれらを乗り越えたと感じたわ。例えば、アッシュ[アーサー・アッシュ・スタジアム]に初めて足を踏み入れた時、かなり緊張していたの。プレーをし始めるまで気付かなくて、スロースタートになってしまった。そのうち乗り越える方法が見つかって、最後には、大勢の人の前で完全に楽しむことができたわ」
2022年、ラドゥカヌは世界ランキングトップ20の一員として、初めて丸一年プロツアーに参戦することになる。
(テニスデイリー編集部)
※写真は「チャンピオンズ・テニス」でのラドゥカヌ
(Photo by James Chance/Getty Images)