来年2月に行われる北京冬季五輪。着々と開催が迫るなか、国際スケート連盟(ISU)は13日、フィギュアスケート団体戦における有資格国を発表し、日本は4番手で資格を得た。

団体戦は2014年ソチ五輪より採用され、日本は同大会、そして2018年平昌五輪ともに5位。今大会は初のメダル獲得に向かう。

そんなメダル獲得へ向け、カギとなってくる一つがペア競技だろう。今シーズン、日本は木原龍一&三浦 璃来ペアがグランプリシリーズで2大会連続表彰台に上がるなど、着実に力をつけており、団体戦含めメダル獲得が期待されている。

木原・三浦組の活躍もあってか、ここ最近ではペア競技への注目度も高まってきた。

そんなペア競技について、元日本代表・中野友加里さんのYouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」では、ゲストにソチ五輪ペア代表・高橋成美さんを迎え、ペア競技のあれこれについて解説している。

その前編として公開された動画では、「体重管理」や「責任」についてペア競技ならではの視点から語られた。

【動画】高橋成美さんが語る ペア競技に向いてる人ってどんな人?

「太ったね」を言わせない


現役時代はシングル選手として日本のフィギュア界を牽引した1人である中野さんだが、実はペアを経験したことも。

その際、ペア競技ならではの、こんなことを感じたという。

「ペアは、相手に持ち上げてもらう以上、自分の体重のことがすごい気になっちゃいました。食事制限を永遠にしていなきゃいけないのかなって思っていましたね」

ジャンプだけでなく、リフトで相手に持ち上げられる女子選手にとって、シングル競技以上に体重管理が重要になってくるのかもしれない。

現に、ペア選手として長年活躍してきた高橋さんは、自身の経験をもとに、こう振り返る。

「私は食事制限を永遠にしていましたね。オフの時期とか関係なく、自分がというよりは相手に体重の増加が増えるのが嫌で。
男の子って『太ったね』とか悪気なくいうじゃないですか。それが自分の中で許せなくて(笑)絶対にそれを言わせないと思っていました」

とはいえ、体重を落とす一方で、筋肉も重要となってくるスケーターにとってはただダイエットをするわけにもいかないだろう。その点の調整の難しさを高橋さんはこのように語る。

「痩せればいいってだけじゃないんですよね。筋肉がないと逆に重くなってしまうし、ジャンプなどで降りられないじゃないですか。
私はサプリメントや栄養に関してオタク気質で、筋トレも好きでした。なので趣味で計算しながらやっていましたが、そうではない人にとっては大変なんじゃないかなって思います。無理に痩せることだけにフォーカスしすぎると、集中できずに怪我をしてしまって本末転倒という形にもなっちゃいますからねその辺の管理はコーチがまずはしっかりやらないといけないのかなって思いました」

降りる降りないは女性の責任

木原・三浦組の活躍もあって、ペア競技を見る人も昨年までと比べてかなり多くなっただろう。観戦するにあたって気になるのが、ルールなど、着目すべきポイントだ。

「ペアにも色々細かいルールがあるんですが、ツイストリフトは、ちゃんと手で上げて手でキャッチしないと減点になるんですよね。回転がギリギリになっちゃうと肩で受け止める形になってしまう。肩にあたってしまうと減点になります。男性は女性を持ち上げて自分の上で止めてから降ろさないと減点になってしまうというルールがあります。そういう点も見分けられると楽しめるんじゃないでしょうか」

自分1人ではなく、相手があってからこそ成り立つペア競技。互いの信頼関係や協力がある一方で、ミスをした際の責任はどちらにあるのかということも起きてくるだろう。

この点について高橋さんは、自身の見解をこのように述べている。

「例えばスロージャンプなんかは、男性が女性を投げる技術はとても重要ですが、ジャンプを降りる降りないは女性の責任だと思っています。軸がどんなに曲がっていても、降りられる選手はいる。だからこそ責任は女性にあると思っています。あとは、リフトに関しても、どんなにタイミングがずれても、男性は上げられる人は上げられる。なので、それを上げられない人はミスだなって思っちゃいます。
とはいえ、やっぱりどの技をやるにしても、2人のタイミングは1番重要だなと思いますね」

自身もペア経験がある中野さんとペア選手として一線を走ってきた高橋さんだからこそ繰り広げられたトーク。

動画内ではこの他、高橋さんが感じる「ペア競技に向いている人」についても語られている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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