12月19日、阪神競馬場でGⅠ朝日杯フューチュリティS(芝1600m)が行なわれる。 2歳GⅠといえば近年、芝2000…

 12月19日、阪神競馬場でGⅠ朝日杯フューチュリティS(芝1600m)が行なわれる。

 2歳GⅠといえば近年、芝2000mのホープフルSが重要視されているが、このレースの好走馬も翌年の3歳GⅠ戦線で上位を争っており、引き続き注目すべきレースだ。昨年は未勝利戦で勝ったばかりだった7番人気グレナディアガーズが勝利し、今年のGⅢファルコンSで2着、GⅠNHKマイルCで3着と重賞戦線で活躍している。

 2着だったステラヴェローチェはGⅠ皐月賞、GⅠ日本ダービー3着で、GⅡ神戸新聞杯を勝利。さらに2019年の勝ち馬サリオスは、GⅠ皐月賞、GⅠ日本ダービー2着。3年前の勝ち馬アドマイヤマーズはGⅠNHKマイルCを勝利している。

 今年の出走馬で大きな注目を集めるのが、GⅢ新潟2歳S(新潟/芝1600m)、GⅡデイリー杯2歳S(阪神/芝1600m)と連勝中のセリフォス(牡2歳/栗東・中内田充正厩舎)だ。実績は申し分ないが、血統的にこのレースとの相性がどうなのか、検証してみよう。



デイリー杯2歳Sを勝利したセリフォス

 父ダイワメジャーは2歳戦に強い種牡馬で、2015年にはディープインパクトを抑えて「2歳リーディングサイアー」を獲得。朝日杯FSでは、2016年に12番人気だったボンセルヴィーソが3着に入り、2018年に2番人気アドマイヤマーズが勝利。牝馬の2歳GⅠ・阪神ジュベナイルフィリーズでも、2015年のメジャーエンブレム、2019年のレシステンシアで2勝を挙げており、2歳GⅠでは"要注意種牡馬"と言える。

 母の父ルアーヴルはGⅠ仏ダービー勝ち馬で、遡ると仏2000ギニーのブラッシンググルームに辿り着く血統だ。このブラッシンググルームの血は、前述のボンセルヴィーソとメジャーエンブレムが持っていて、本馬の持つ「ヘイローのクロス3×6」は、アドマイヤマーズも「3×5・5」で持つクロスだ。

 また、先週の阪神ジュベナイルフィリーズを勝利したサークルオブライフも「5×4・5」で持っているように、2歳戦には実績のあるクロスでもある。セリフォスはこれまでの安定した走りからも、このレースで中心視してよさそうだ。

 もう1頭挙げたいのはプルパレイ(牡2歳/栗東・須貝尚介厩舎)。父イスラボニータはクラシック第1弾のGⅠ皐月賞馬で、2歳6月に新馬勝ちし、GⅢ東京スポーツ杯2歳S(東京/芝1800m)を勝利するなど2歳戦から強い競馬を見せていた。その父フジキセキは、朝日杯FSの前身であるGⅠ朝日杯3歳S(中山/芝1600m)の勝ち馬だ。

 母の父フサイチペガサスは米GⅠケンタッキーダービー勝ち馬で、産駒には阪神ジュベナイルフィリーズ2着のシークレットコードなどを出している。また、祖母の父ホーリーブルの産駒には、米GⅠBCジュヴェナイルを勝ってアメリカ最優秀2歳牡馬に輝いたマッチョウノも出ている。

 そしてプルパレイの兄サトノゴールド(父ゴールドシップ)はGⅢ札幌2歳Sで2着に入っており、父、母の父、祖母の父、兄と、2歳戦に実績のある血統だ。プルパレイは前走のGⅡデイリー杯2歳Sは4着に敗れたが、勝ち馬から0秒3差と差はわずかだったため、巻き返しは可能だろう。

 以上、今年の朝日杯フューチュリティSはセリフォス、プルパレイと、2歳戦向きの血統構成を持つ2頭に期待したい。