現役時代はビッグ3と何度も対戦したトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)が、ロジャー・フェデラー(スイス)に対して引退するタイ…

現役時代はビッグ3と何度も対戦したトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)が、ロジャー・フェデラー(スイス)に対して引退するタイミングの重要性を語った。英Express紙が報じている。【関連記事】ベルディヒが引退を表明。「自分の中で最高の試合は選ぶことはできない」

2019年に34歳で現役を引退したベルディヒは、膝の怪我によって長期的にツアーを離れているフェデラーのカムバックに疑問を呈した。40歳のフェデラーが試合で再び活躍することは「非常に難しい」とし、それよりもどうやったら大会に出場した上で引退できるかを考えるべきだと話している。

「波に乗っているところからしばらく離脱してしまうと、戻るのは簡単なことではない。怪我となればなおさらだ。これが25歳の時だったらカムバックを果たすのはそんなに難しくないけど、今の彼の段階では何とも言えないね。もちろん、ロジャーにはカムバックに成功して、キャリアの締めくくりに向けていくつかの大会で活躍してほしいけど、それは難しいだろう」

自身の引退についてベルディヒは、「引退するタイミングは僕のキャリアにとってかなり重要だったんだ。今でも現役を続けるべきだったと思ったことは一瞬たりともないし、自分の決断を疑ったこともない」と話している。

現役時代のベルディヒは世界ランキング4位にまで登り詰め、8年間トップ10入りを果たしており、「ウィンブルドン」や「全米オープン」でフェデラーに勝利している。ベルディヒは、フェデラーとラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が支配していた2000年代後半から2010年代にかけて活躍した数少ない選手の一人と言える。ベルディヒはグランドスラムの準決勝以前にフェデラーを複数回倒すことができた史上2人目の選手であり、アンディ・マレー(イギリス)を含むビッグ4全員をグランドスラムで破ったことのある3人のうちの一人でもある。一番の功績は、2010年の「ウィンブルドン」でフェデラーとジョコビッチを立て続けに下し、唯一となるグランドスラム決勝進出を果たしたこと。最後はナダルに敗れているが、ベルディヒはこれをキャリアの「ハイライト」としており、「本当に素晴らしい大会だった」と述べている。

ツアーで通算13個のシングルスタイトルを獲得したベルディヒは、2019年「全米オープン」で1回戦敗退に終わった後、自身が出場していない「ATPファイナルズ」期間中に現役引退を表明した。当時の年齢は現在のジョコビッチと同じ34歳だったが、悔いは一切ないという。以来、ベルディヒは引退のタイミングを適切に選ぶことの重要性を訴え続け、それはプロとして成し遂げた実績よりも大事なことだと信じている。

チェコのスター選手でもあるベルディヒは、先月末にロンドンのロイヤルアルバートホールで開かれたエキシビション大会「チャンピオンズ・テニス」に、元世界3位のダビド・フェレール(スペイン)や元世界2位のトミー・ハース(ドイツ)といったほかのレジェンドと一緒に参加している。だが、観客の前で試合をしても、プロのツアーに戻りたいとは思わなかったと語る。

「僕の中にあった競争心は、キャリアを終えて人生の次のステージを歩み始めた時に全部なくなってしまった。だから、最近の僕はただ楽しむためにコートに立ち、リラックスしてプレーしているよ。ストレスやプレッシャーはすべて過去のものとなってしまったから、テニスをしている時はただ楽しいんだ。それが引退した時の目標で、達成することができたよ」

一足先に悔いのない引退を果たした元ライバルの言葉をフェデラーはどう受け止めるだろうか。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2017年「レーバー・カップ」で練習中のベルディヒ(左)とフェデラー

(Photo by Getty Images/Getty Images for Laver Cup)