12日は阪神競馬場で2歳牝馬チャンピオンを決める阪神ジュベナイルF(GI、芝16…
12日は阪神競馬場で2歳牝馬チャンピオンを決める阪神ジュベナイルF(GI、芝1600m)が行われます。昨年は白毛のソダシが制し、後に桜花賞も勝利しました。同舞台で行われることから桜花賞に直結するレースです。
それでは気になる騎手データを見ていきましょう。なお、阪神競馬場改修後となる2006年以降の過去レースを集計対象としています。
◆【阪神ジュベナイルフィリーズ2021予想/穴馬アナライズ-前編】ファンタジーS組2騎を軽視 ポイントは“マイル以上”と“牡馬相手”の実績
■高い連対率をマークしているC.ルメール騎手
今年の阪神ジュベナイルFに乗り鞍があり、2006年以降の阪神ジュベナイルFで騎乗経験があるのは次の16騎手です。

[2006年以降]阪神JFの騎手別成績
思わず「うーん…」と唸らずにはいられないデータが算出されてしまいました。18騎手中16騎手に過去の騎乗経験がありますが、連対経験がある騎手は僅か5騎手のみ。加えて、過去4鞍以上の騎乗経験があり、連対経験もあり、着順と人気のバランスにも優れる騎手が残念ながら見当たりません。騎手データを重視した場合、騎手買いはしづらいレースと言えます。
そんな中、ただ一人飛び抜けた連対率をマークしているのがC.ルメール騎手です。平均人気1.3が示すようにほぼ1番人気に跨ってのものですが、2015年のメジャーエンブレム(1人気)、2016年のソウルスターリング(1人気)の2頭を勝利に導くと、昨年はサトノレイナス(2人気)でハナ差2着と3度の連対経験があります。2017年のロックディスタウン(1人気)こそ9着に崩れてしまいましたが、この馬は気性に課題がありましたね。
また、C.ルメール騎手ですが、枠順と重ねるとさらに面白いデータが見つかり【C.ルメール騎手】×【1枠から4枠】の組み合わせは過去【2-1-0-0】と連対率100%です。同騎手は今年の阪神ジュベナイルFで牡馬相手のサウジアラビアRCで2着に好走したステルナティーア(牝2、美浦・木村哲也厩舎)に騎乗しますが、同馬が入った枠は奇しくも4枠8番。熱いデータに合致するだけにステルナティーアは堅軸として考えたいですね。
■サンプル数不足でも信頼したいC.デムーロ騎手
次に見ていくのが前日16時時点で1番人気のナミュール(牝2、栗東・高野友和厩舎)に騎乗するCデムーロ騎手です。
1戦1勝だけではサンプル数不足ですが、表からも一目瞭然のように、今回騎乗する18騎手の中で勝利経験があるのはC.ルメール騎手とC.デムーロ騎手の2名のみ。優勝経験があるのは大きなアドバンテージでしょう。
なお、C.デムーロ騎手ですが、2006年以降のGIでの全成績は【3-1-2-28】とそこまでではありませんが、GIで1番人気騎乗時は【2-0-1-0】の連対率66.7%を記録。さらに2歳GIで1番人気騎乗時に限定すると、2017年ホープフルSのタイムフライヤー(1人気1着)、2018年阪神ジュベナイルFのダノンファンタジー(1人気1着)と【2-0-0-0】の勝率100%データに該当します。嫌うよりは信頼した方が良さそうですね。
■M.デムーロ騎手は3着付けで一考
最後にサークルオブライフ(牝2、美浦・国枝栄厩舎)に騎乗するM.デムーロ騎手のデータを見ていきます。同騎手ですが、連対こそないものの2020年のユーバーレーベン(6人気)、2010年のライステラスと2度の3着があることは見逃せません。
また【M.デムーロ騎手】×【関東馬】の組み合わせは【0-0-2-2】と複勝率が50%にまで一気に跳ね上がります。サークルオブライフはこの熱いデータに当てはまりますので、この馬を3着付けで考えてみてもいいかもしれません。
以上、阪神ジュベナイルFの気になる騎手データを今回は見ていきましたが、騎手データを重視した結論はC.ルメール騎手の騎乗馬とC.デムーロ騎手の騎乗馬の馬連1点。そこにM.デムーロ騎手の騎乗馬も加えた3連複1点で勝負するのが正解と考えます。
◆【阪神ジュベナイルフィリーズ2021予想/追い切りジャッジ】“特筆レベル”で内容も文句なしの「S」評価 「調整法もしっくりハマっている」
◆【阪神ジュベナイルフィリーズ2021予想/追い切りジャッジ】サークルオブライフを上回る高評価 ガス抜き完了で「1F延長でも問題なし」
◆【阪神ジュベナイルフィリーズ2021予想/出走馬考察】2歳女王の座を目論む有力馬の戦力がまるわかり ファンタジーS快勝のウォーターナビレラの評価は
著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部 秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。