アメリカ・テキサス州ヒューストンで開催された「US男子クレーコート選手権」(ATP250/4月10~16日/賞金総額53万5625ドル/クレーコート)のシングルス決勝で、第4シードのスティーブ・ジョンソン(アメリカ)が試合終盤にケイレン…

 アメリカ・テキサス州ヒューストンで開催された「US男子クレーコート選手権」(ATP250/4月10~16日/賞金総額53万5625ドル/クレーコート)のシングルス決勝で、第4シードのスティーブ・ジョンソン(アメリカ)が試合終盤にケイレンを起こしながらも戦い抜き、トーマス・ベルッチ(ブラジル)を6-4 4-6 7-6(5)で下して優勝を遂げた。

 27歳のジョンソンはキャリアで2つ目となるツアー・タイトルを獲得し、2001年に会場がヒューストンに移って以来、同大会で優勝を遂げた7人目のアメリカ人選手となった。彼は昨夏にイギリス・ノッティンガムのグラスコート大会でツアー初タイトルを獲得していた。

 第3セットの終わりの自身のサービスゲームでジョンソンはケイレンを起こして脚を引きずっていたが、彼がほとんど力を込められなかったサービスに対するベルッチのバックハンド・リターンのミスのおかげでコートから出て、ATPトレーナから右腿にマッサージを受けることができた。選手はケイレンを起こしたからとタイムアウトを取ることを許されてはいない。

 その後のタイブレークでのジョンソンは、もはや体の問題に苛まれていないように見えた。それは大会史上初の優勝を決めるタイブレークでもあった。

 「僕は非常に苦しい状況に立たされていた。最低だと思ったが、ときどきツキに恵まれることもあるものだね」とジョンソン。「今週の僕は肉体的にガス欠だった。オーストラリア(先週末のデビスカップ準々決勝、アメリカ代表はそこで敗れた)からやって来て、多くのアップダウンに対処しなければならず、ある種の窮地に陥っていた」。

 ジョンソンはまたケイレンについて、次のように言っている。

 「ケイレンの原因はいろいろある。僕にとって今日の原因は、おそらくタイトルを獲るため試合にケリをつけようとする緊張感だった。僕はこの状況で心地よく感じられるほど頻繁に決勝に至っているわけではないからね」

 ジョンソンは2014年大会優勝者のフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)を準々決勝で、そして、デビスカップのチームメイトであり2015年大会優勝者のジャック・ソック(アメリカ)を準決勝で倒し、キャリア3度目のツアー決勝に進出した。

 今大会で第8シードだった29歳のベルッチは、決勝で敗れる前の4日間に4つの3セットマッチに勝っている。彼はキャリア5度目のタイトル獲得を目指して戦っていた。これに先立つ4度のタイトルのすべてがクレーコート大会でのものだ。

 「双方の選手が第3セットでは非常に疲れていた。僕らはそれ以前より多くのショットをミスしていた」とベルッチは振り返った。「僕は自分のここ一週間のプレーをうれしく思うが、今日はがっかりしているよ。肉体的に彼よりも少しいい状態だったから勝てると思ったんだが…。彼は僕以上にこの勝利に値した」。

 ジョンソンは2011年と2012年に南カリフォルニア大学のため、NCAAのシングルス・タイトルを獲得している元カレッジ・プレーヤーだ。(C)AP(テニスマガジン)