12.12後楽園ホールにてデビュー10周年記念興行「十元突破~tengentoppa~」のメインイベントで第19代王者 野村卓矢の持つBJW認定世界ストロングヘビー級王座に挑戦する橋本大地。“破壊王”橋本真也の長男と…

12.12後楽園ホールにてデビュー10周年記念興行「十元突破~tengentoppa~」のメインイベントで第19代王者 野村卓矢の持つBJW認定世界ストロングヘビー級王座に挑戦する橋本大地。“破壊王”橋本真也の長男としてZERO1のリング立ってから10年が過ぎた。大日本プロレス・ストロングヘビーの頂点とも言うべきタイトルマッチ直前、橋本大地に10年を振り返ってもらった。

――2011年にデビューして10年が経過しました。現在の率直な気持ちをお聞 かせください。

橋本大地:(以下 大地)本当に早い10年。自分がもうそんなにプロレスをやっているのかと思うと…まだ5年とか7年の感覚なので違和感を感じますね(苦笑)。でも、「まだ」10年ですから。

――2011.3.6 両国国技館 蝶野正洋さんがデビュー戦の相手でした。当時を振り返っていただけますか?

大地:…ほとんど覚えてないです(苦笑)。その日の朝、どんな感じで目が覚めて、どう会場入りして、どう入場したかとか…試合も断片的に覚えている感じです。試合中も周りは見えなくて蝶野さんと私、そしてレフェリー3人の世界。今思い返しても不思議な空間でしたね。

――その蝶野さんや武藤敬司選手は大地選手にとって、どのような存在なのでしょう?

大地:おじさんかな(笑)。1.4東京ドーム後、叙々苑でご飯を食べていたイメージ…違うかも知れないですね(笑)

――蝶野さんや武藤選手を「おじさん」と言えるのはプロレス界で大地選手だけですね(笑)。ところで最初に所属したのは「ZERO1」のリングです。橋本真也さんの付き人だった大谷晋二郎選手から学んだことも多いと思います。2011〜2014年、ZERO1で過ごした3年間で印象に残ったエピソードを教えてもらえますか。

大地:まずはデビュー前ですよね。私の場合は異例でデビュー戦の日程が先に決まっていました。体ができてないので、デビュー戦に向けての練習は地獄でしたね。例えるならドラゴンボールの「精神と時の部屋」かな(苦笑)。

その後デビューしてからは、とにかくガムシャラに試合や練習をしました。様々な選手と試合組んで頂きましたが、当時は「試合決まった、やるぞぉ!」って言うより「試合決まった。やらなきゃ…」でしたね(苦笑)。

――大地選手の場合、デビューから周りの期待が大きかったですし、僕たちの想像以上にプレッシャーを感じていたと思います。その後、フリー期間を経て 2014年IGF所属になりました。アントニオ猪木さんや藤田和之選手等が所属していました。IGFの印象はいかがでしたか。

大地:IGFでは今までのプロレスとは全く違った世界がありましたね。いろいろ印象に残っていますが、猪木会長が一度道場にきてプロレスを教えてくださった事。あの時教わったことは、今でも試合で使っています。

――それはレスラーとして貴重な経験ですね。IGF時代、大日本プロレスに参戦し橋本和樹選手と「チーム大和」を結成。その後2016年に大日本プロレスに入団しました。橋本和樹選手の印象と大日本プロレスに入団した理由を教えて下さい。

大地:もともとZERO1で関本大介さんとの闘いの際、後ろからヒョコっと出てきたのが橋本和樹でした。それで「強い方の”橋本”は俺だ!」「俺の方が強い!」という「“橋本”、俺の方が強い抗争」が始まりましたね(笑)。大日本プロレスの登坂社長の意地の悪い案で「仲の悪い関係のまま」でタッグを組むことになりました(苦笑)。当初はイヤイヤ組んでいたタッグも、同じコーナーに立ち戦い続けると心地いいものに変わっていきました。気付けば「チーム大和」なんて名前も付いていました。

大日本に入団したのは2015年末にIGFから実質クビ宣告を受けたからです。その時に相談したのが和樹。それで登坂社長含めて食事会が設けられ、2016年に大日本プロレス入団が決まりました。

――大日本入団後、同世代の神谷英慶選手とチーム「大神(オオカミ)」を組んで活躍しています。パートナー神谷選手はいかがでしょうか?

大地:かわいい・おもしろい・ヤバい・賢い・独特の世界観…が彼の印象です(笑)大神を組むきっかけをくれたのは岡林裕二選手でした。岡林さんがストロングヘビーのチャンピオンだった時、「橋本大地と神谷英慶で次期挑戦者決定戦をしろ!」の一言で試合が決まりました。結果は負けてしまいましたが、決定戦後に神谷と組むことが多くなりました。神谷とはプロレスの考え方は違うけど、逆に違うからこそバランスが取れていると思います。先日、関本・岡林組にタイトルを奪われましたがBJW認定タッグ王座も2度獲得しています。凸凹だけどプラモデルみたいにキレイにハマるのが相方、神谷英慶ですね。

――神谷選手とは相性が良いのですね。大日本では日本を代表するパワーファイターの関本大介選手や岡林裕二選手、そして鈴木秀樹選手や佐藤耕平選手など大型ファイターと戦うことが多くなりました。これまで印象に残った試合があれば教えて下さい。

大地:名前が上がった4選手とも印象に残った試合あります。私の尊敬するプロレスラーツートップの1人、関本大介さんとの試合は2020年4月の一騎当千準決勝です。関本さんとはたくさん試合しましたが、コロナ禍なのもあり無観客で行われた準決勝が印象深いですね。いろんな事ありすぎて印象に残る・残らないの話ではないです…残り過ぎています(笑)。

岡林さんは、いつかは忘れましたが横浜文化体育館です。私が初めて勝った試合です。それまで何をしても勝てなくて(苦笑)。岡林さんは自分が苦手とするタイプですが、初めて攻略出来た時は本当嬉しかったのを覚えています。

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鈴木秀樹選手は2試合あります。一つは2017年12月横浜文化体育館、鈴木選手に勝利し初めてストロングヘビー級のタイトルを獲得した試合。そしてもう一試合は2018年4月札幌大会、一騎当千の優勝決定戦でもありストロングヘビー級のタイトルをかけた戦いでもありました。結果は鈴木選手に敗れてベルトを取られました。私にとって鈴木選手はIGF時代から練習教えてもらったレスラー。鈴木選手は独特の世界観を持っています。そのプロレス観や思想等に触れ、自分の中で「今の大日本で鈴木秀樹を理解できるのは自分だけだ」と勝手に思っていた時期でした。ですから特に印象に残っているのかもしれません。

最後に私の尊敬するプロレスラーツートップの2人目・佐藤耕平さん。2019.11.4両国国技館大会のタイトルマッチですね。父の付き人をやっていたというのもありますし、多分、現在のプロレス業界で一番蹴りが重いのが耕平さんです。父を体感できない今、その血が流れている耕平さんと試合することが、唯一父を体感出来る方法です。それに加え憧れもあるし超えたいレスラーでもある。その耕平さんの持つストロングヘビーのベルトに挑戦して勝利した試合は印象に残っていますね。ただ「じゃあスゲー試合したのか?」と問われると…私自身の自己評価は良くありません。でも「佐藤耕平に勝ったんだから、この人に笑われないレスラーになろう」と決意した試合でもあるのです。

――12.12後楽園で野村卓矢選手の持つストロングヘビー王座に挑戦します。今の心境を教えて下さい。

大地:とにかく楽しもうと思っています。今までチャンピオンになったりタッグでリーグ戦を戦ったりといろいろ試合をしたけど、楽しんで戦った方が良い結果出ている。下手に考え込むと全ての動きの初動が遅れる。ですから後楽園に関しては楽しんで試合をしたいと思っています。

――最後に試合を楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。

大地:最近寒くなってきたので風邪とか引かないように気をつけてください!

<おわり>

<インフォメーション>
12月12日東京・後楽園ホールで橋本大地デビュー10周年記念興行「十元突破~tengentoppa~」が開催されます。橋本選手はメインイベントでBJW認定世界ストロングヘビー級王者の野村卓矢選手に挑戦します。それ以外にもドリューパーカー選手の国内ラストマッチも行われます。詳細は大日本プロレスWEBサイトをご確認ください

橋本大地 Twitter
大日本プロレス Twitter

取材・文/大楽聡詞
写真提供/大日本プロレス

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