今年の国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(ス…
今年の国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリード、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)はロシアが15年ぶり3度目の優勝を飾って幕を閉じたが、2022年大会の新たなフォーマットが明らかとなった。米スポーツメディア ESPNなど複数のメディアが報じている。【関連記事】デビスカップのファイナルズ開催地がアブダビに変更?
1900年に始まった「デビスカップ」は2019年、それぞれの国で試合を行うやり方から、決勝ラウンドに参加する18ヶ国が一堂に会するという、サッカーのワールドカップを模した形式へと大きな転換を行った。初めての大会はファイナルズのグループステージから決勝までのすべての試合をスペインのマドリードで開催。2020年は新型コロナウイルスの影響により中止となり、今年はマドリードに加えてインスブルックとトリノでも試合を行い、ベスト4に勝ち残った4ヶ国がマドリードに集結して優勝を争った。
今大会期間中に来年の会場がアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビになるという噂が飛び交い、これに対してITF(国際テニス連盟)は大会の終了とともに決定を発表するとしていた。イギリスやドイツの代表監督らは、シーズン終盤に中東に移動することの負担や、選手や関係者を交えた十分な話し合いが行われていないことなどを指摘。元世界王者でオーストラリア代表監督のレイトン・ヒューイットは、アブダビでの開催を「バカげた話だ。“デビスカップ”の目的からかけ離れている。この先の5年間、“デビスカップ”の魂を中東に売り渡そうとしているなら、それはこの大会を殺すも同然」とコメントし、アブダビでは会場が盛り上がらないことを懸念している。
そんな中で迎えた大会最終日となる現地5日、決勝を前にITFと大会に莫大な資金を提供している投資グループKosmosが来年の大会形式を発表した。ファイナルズに参加する国は18ヶ国から16ヶ国に減らされ、4ヶ国ずつに分かれて戦うグループステージの開催地は各組参加国から選ばれる。そして、各組の上位2ヶ国、計8ヶ国が勝ち進んだトーナメント形式は中立国、つまりファイナルズに参加していない国で開催されるとのことだ。これは2019年の大会で問題となった過密スケジュールと財政面を改善するためだという。
KosmosのCEOを務めるエンリク・ロハス氏はこう述べている。「我々は2022年大会に向けてどのように改善し、将来に向けてどう調整するかを常に考えています。グループステージを4つの異なる都市で開催し、その後、中立の都市へ移るというちょっとした進化とも言える調整を再び試みるつもりです。この微調整と進化によってファンの関心がさらに高まり、会場に多くの人が集まるようになるでしょう。これこそが、真の成功を収めるイベント、本当の意味でのテニスのワールドカップになるための最後のピースだと考えています」
次回大会の中立国が噂のUAEを指しているかは明かされなかった。ITFのデビッド・ハガティ会長は「(中立国として)優先的に考えている国とは“デビスカップ”のビジョンを共有しており、大会をさらに発展させられると思っています。それが主な決め手となっていますが、開催国として適している理由はほかにもたくさんあります。近日中に正式に発表する予定です」と言うに留まっている。ロハス氏は、ヒューイットら関係者のリアクションに対して「こうした騒音は何をしようとも毎回聞こえてくるもの」と意に介していない。
グループステージを開催する4つの都市に関しては、ホスト国になることを希望するすべての都市が来年1月から誘致を始め、3月半ばまでに最終決定が下される予定となっている。また、選出された国がファイナルズ出場権を得られなかった場合に備えて予備の開催都市も選出される。今大会のファイナリストであるロシアとクロアチアに加えて、準々決勝敗退のイギリスと準決勝敗退のセルビアの2ヶ国がワイルドカード(主催者推薦枠)として来年のファイナルズに出場することが決まっており、それによりイギリスの都市が開催地の一つとして有力視されている。LTA(イギリステニス協会)は今大会に向けてもグラスゴーを開催地に推していたものの、マドリードと高度が異なり、同じ環境が提供できないとして落選していた。2022年は再び名乗り出るものと思われる。
(テニスデイリー編集部)
※写真は2019年「デビスカップ」での日本代表
(Photo by Kiyoshi Ota/Getty Images)