【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆先週の血統ピックアップ・12/4 チャレンジC(GIII…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・12/4 チャレンジC(GIII・阪神・芝2000m)

 2番手追走から直線入口で先頭に立ったソーヴァリアントが、後続に3馬身半差をつけて楽勝しました。セントライト記念でクビ差2着と健闘後、右後肢を中心に筋肉疲労が残っていたため菊花賞を回避。十分な間隔を取ってここに臨んでいました。弥生賞ディープインパクト記念で4着に食い込んだように、春から高い能力を示してはいたのですが、ここにきて本格化した印象です。

 母ソーマジックは桜花賞3着馬で、繁殖牝馬として成功。これまでにマジックキャッスル(愛知杯)、ソーグリッタリング(エプソムC-2着)などを産んでいます。「オルフェーヴル×シンボリクリスエス」という組み合わせは、他にオーソリティ(アルゼンチン共和国杯2回、青葉賞、ジャパンC-2着)、エスポワール(ターコイズS-2着)などを出しているニックス。ちなみに、ソーヴァリアントを含めた3頭は、母方の奥に4分の3同血のフェアリーキングまたはサドラーズウェルズを抱えているので、配合構成がよく似ています。

◆今週の血統Tips

 11月末時点のJRA2歳種牡馬ランキングは、1位ディープインパクト、2位ドゥラメンテ、3位ドレフォン、4位ロードカナロア、5位エピファネイアの順。ディープインパクトの首位は定位置ですが、2位との差が約1300万円しかありません。例年であれば1億、2億の大差がついているのですが、今年は上位数頭が差のない混戦で、最終的にどの種牡馬が2歳種牡馬チャンピオンの座につくのかまったく分からない状況です。阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティS、ホープフルSという3つのGIレースの結果次第でしょう。

 ランキングは出走回数に左右されるのですが、ディープインパクトはわずか94回で、2位ドゥラメンテが216回ですから半分以下です。2〜5位の最少出走回数は4位ロードカナロアの159回なので、ディープインパクトがいかに少ない出走頭数で効率よく賞金を稼いでいるかがお分かりいただけるかと思います。今週の阪神ジュベナイルフィリーズにはスプリットザシー、パーソナルハイの2頭が登録しています。人気はありませんが、過去10年間で3勝、2着2回、3着2回という成績ですから侮れません。

 (文=栗山求)