2019年シーズンは中国で9大会が予定されていた中国の元ダブルス世界ランク1位…
2019年シーズンは中国で9大会が予定されていた
中国の元ダブルス世界ランク1位のペン・シューアイをめぐる問題に対して、12月2日、WTA(女子テニス連盟)のスティーブ・サイモン会長は、「WTA理事会の全面的な支持を得て、私は香港を含む中国で開催されるすべてのWTA大会を直ちに中止する」と発表した。
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一方、ATP(男子テニス協会)のアンドレア・ガウデンツィ会長は、中国の対応が不十分としながらも、中国での大会の中止はしないと表明。さらに12月5日、ITF(国際テニス連盟)のデイビッド・ハガティ会長は「疑惑は調査される必要があり、我々はこの件を解決に導くための働きかけを続けていく」としたうえで、「10億人の人々を罰したくない」と同国での大会中止はしないと述べている。
英断とも言われるWTAの決断だが、それに対して中国外務省の報道官は、「スポーツを政治的に利用する行為には反対だ」と不満をあらわにした。今後、どのように落としどころを見出していくのか、現状では先が見えない状況となっている。
2020年、世界が新型コロナウイルスによるパンデミックに見舞われたこともあって、テニス界も大幅にスケジュールが変更。それもあって、1月の深圳オープンこそ開催されたが、中国での大会はツアー最終戦を含めて9大会が中止に。今シーズンも中国でのWTA大会はすべて中止となり、2030年まで中国・深圳で行われるツアー最終戦も、代替地であるメキシコ・グアダラハラで開催された。
ツアーが予定どおりに行われた2019年のスケジュールを見ると、中国では全部で9大会行われていて、賞金総額は合計で3040万ドル(約33億4,400万円)となっている。この年、深圳で行われたツアー最終戦で優勝したアシュリー・バーティ(オーストラリア/世界ランク1位)は、賞金442万ドル(約4.9億円)を獲得している。ちなみに今年のツアー最終戦は、ガルビネ・ムグルザ(スペイン/同2位)が優勝したものの、賞金は157万ドル(約1.7億円)となっている。
今年、ビリー・ジーン・キング(アメリカ)さんをはじめとする9選手“オリジナル9”が国際テニス殿堂入りを果たしたのは記憶に新しい。男女の賞金差を是正するために、彼女たちは立ち上がったわけだ。
何よりも重視すべきは、人権が守られているのかということ。それがクリアにならないかぎり、進展はない。一方で、WTAにとっても中国マネーは無視できないものでもある。果たして、どんな展開を迎えていくのか。今後の動向を見守りたい。