海外留学経験やヒマラヤ登山経験を持つ異色の格闘家、中田大貴選手。2021年11月28日、RIZIN TRIGGER 1stで堀江圭功と68.0kg契約で対戦し、惜しくも0-3の判定負けとなってしまいました。そんな中田選手の戦いを終えたばかりのリアルな今やプライベート、選手人生についてお聞きし、その素顔に迫りました。

ーRIZIN TRIGGER 1stで堀江圭功選手と対戦しましたが、惜しくも判定で敗れてしまいました。数日経って今の心境はいかがですか?

中田 悔しさも残る反面、後悔はしていないです。ただもっと技術面でも精神面でも強くなりたいと心から願っています、しかし、今は体をもう少し休めようと思っています。

ー試合の前日夜はよく寝られましたか?そして何を考えていましたか?

中田 試合前日は興奮していた為か、いつもよりは眠りは浅かったですが、必要な分の睡眠は取ることができました。

ーご自身の試合直前に控え室でモニターを見てシャドー、腕立てをしているときは何を考えてましたか?

中田 試合前、入場する時は空や無を意識していました。自分の身体なのですが、自分の身体じゃない感覚です。ただ目的の為にだけ、自分自身が存在している様な感覚になれるよう集中していました。

ー試合中は何を考えていましたか?

中田 試合中はとても楽しくて、今までの試合で1番でした。最高の相手と最高の舞台で向き合えて、沢山のお客様に見て頂けました。格闘技はバイオレンスなイメージがありますが、実は自分自身を磨いて高め合って、想い合った、2人が金網で交錯する。ある意味究極の恋愛をしている様な気分にもなります。愛情の裏返しで傷つけ合う様なイメージです。

ーご自身の強みはどこだと考えてますか?

中田 自分の強みは格闘技をやっていなかった時間、そして執念であると思います。自分が格闘技をしっかりやり始めたのは最近で、それまでは海外に留学していたり、大学で勉強していたり、格闘家っぽくない人生を送っていました。しかし、他の格闘家が体験していないような体験をしているからこそ、それが格闘家としての自分の個性になっているのかもしれません。

そしてそのようなある意味格闘家としては無駄な時間を過ごしたからこそ、より一層格闘技に懸ける思いは強いです。自分は格闘技の為ならこの身を捧げる覚悟ですし、死すら厭わないです。ある意味死ぬより辛い人生を送る可能性も考えて、その恐怖と向き合っています。けれども一方で、自分は運命に導かれているから大丈夫だという謎の自信もあります。

ー趣味はなんですか?

中田 練習以外には神社に行くことです。祈ることによって、自分自身と向き合うことができます。日本全国さまざまな神社に行ってみたいですね、その土地の由来や歴史を感じることができますから。この間も試合前に神戸に到着した際に思い立って、その土地の神社を訪れて縁を感じました。縁は目に見えないものですが、絶対にあると思います。世の中は目に見えるものに意識が行きがちですが、目に見えないけど、存在しているものも同じように大切にしていきたいと思っています。

ー今後どのような選手人生を送りたいと考えていますか?

中田 選手としては、もちろん心技体ともに強くなりたいです。しかし何より、試合を通してお客様に気持ちを伝えられる、自分自身を表現できる選手になりたいです。そしてチャンピオンになって、日の丸を背負ってUFCに挑戦します。世界的に見ても今は日本人が弱くなってしまっています。経済も外交も内政もそうだし、一人ひとりの気分も落ち込んでしまっているような気がします。

けれども我々には誇り高いサムライの血が流れていて、その中にこそ私たちの強さが眠っています。自分がそれを引き起こし、解き放つことによって大和魂を世界に証明し、改めて我々とは何者なのかという問いを日本人に投げかけたいです。