現地5日、国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリード、オーストリア・インスブル…

現地5日、国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリード、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)の決勝でロシアがクロアチアを破り、2006年大会以来15年ぶり3度目の優勝を果たした。大会公式ウェブサイトやATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトなどが報じている。【実際の動画】全員でトロフィーを掲げるロシアチーム【実際の動画】シャンパンかけを楽しむルブレフ【実際の写真】写真を撮るルブレフに背後からシャンパンをかけるメドベージェフ

ロシアは、1試合目で世界ランキング5位のアンドレイ・ルブレフが世界279位のボルナ・ゴヨと対戦。ランキングは200位台にもかかわらず今大会で世界27位のロレンツォ・ソネゴ(イタリア)らを下し3戦3勝のゴヨが15本のサービスエースを決めるが、ルブレフは打ち合いでポイントを重ねる形で序盤からチャンスを作り、第7ゲームで奪ったリードをそのまま保って第1セットを取る。第2セットでは5度のブレークポイントをすべてしのがれてタイブレークに持ち込まれるが、アンフォーストエラーはわずか4回、相手には一度もブレークポイントを与えなかったルブレフが6-4、7-6(5)のストレート勝ちで、チームに貴重な白星をもたらす。試合後に「大きなプレッシャーがあった」と打ち明けたルブレフだが、それを感じさせないプレーだった。

これで王手としたロシアは、2試合目で世界2位のダニール・メドベージェフが世界30位のマリン・チリッチと激突。第1セットでは互いに1回ずつあったチャンスを逃してタイブレークに突入し、チリッチが粘ったもののメドベージェフが3度目のセットポイントをモノにする。メドベージェフは第2セットで2度手にしたブレークポイントを確実に決め、7-6(7)、6-2で勝利した。

前日に決勝進出を決めた際、メドベージェフは「クロアチアとの決勝は簡単にはいかないだろう。彼らは世界最高のダブルスチームを擁しているからね。できればシングルス2試合で勝負を決めたいけど、そこで決まらなかったとしても僕たちのダブルスチームはきっとやってくれるだろう」と述べていたが、狙い通り、今大会全勝の年末世界1位のコンビ、ニコラ・メクティッチ/マテ・パビッチ組が登場する前に優勝を決めている。

大会5試合すべてでストレート勝利を収めたメドベージェフは、「自分よりもみんなのために嬉しいね。僕たちは素晴らしいチームで、居心地がとてもいいんだ。そんなチームの一員としてチームに必要なポイントをもたらせて良かった。僕のキャリアで最も素晴らしい2週間だったよ。本当に幸せだ」と感激のコメントを述べている。

メドベージェフといえば、ドイツとの準決勝で世界51位のヤン レナード・ストルフを破った直後にコートで見せた仕草が話題を呼んだが、それについては反省していると語る。メドベージェフはドイツやスペインのファンからブーイングを浴びる中で試合を戦った後、サッカー界のスーパースター、クリスティアーノ・ロナウドを真似て、スタンドに向けて両方の手の平を下に向けて落ち着けと呼びかけるようなジェスチャーをしていた。その後、これは別にファンを刺激する意図ではなく、チーム内で流行っているのでやっただけだと話していたが、「間違った印象を与えてしまったみたいだね。良くない判断だった」として今回はそのパフォーマンスは見せなかった。

今回は会場の雰囲気も良かったようで、「決勝ではクロアチアとロシアのファンがたくさん来ていたから、素晴らしい雰囲気だったよ。観客も僕たちの優勝を喜んでくれているんじゃないかな。ハッピーエンドを迎えられたと思う」と話している。

ロシアは先月行われた女子の国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ(旧「フェドカップ」)」も制しており、同じ年に一つの国が両大会を制するのは2012年のチェコ以来の快挙となる。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」で優勝トロフィーを掲げるロシアチーム

(Photo by Sanjin Strukic/Pixsell/MB Media/Getty Images)