イリヤ・イバシカ(ベラルーシ)は、自分にとっての初めてのスポーツを試した…

イリヤ・イバシカ(ベラルーシ)は、自分にとっての初めてのスポーツを試した瞬間に、それは絶対に続かないとわかったという。

イバシカは今年、「ATP250 ウィンストンセーラム」で初タイトルを獲得、ベラルーシ選手としては現在錦織圭(日本/日清食品)のコーチを務めるマックス・ミルニー(ベラルーシ)が2003年に果たして以来となるツアー優勝を遂げた。世界ランキングではキャリア最高となる43位を記録するなど、27歳にして躍進のシーズンを味わった。しかし、彼のテニスでの遅咲きの成功は、もしも父の助言に従っていたらありえなかったかもしれない。ATP(男子プロテニス協会)公式オンラインメディアが伝えている。【マッチハイライト動画】イバシカ vs ミカエル・イーメル/ATP250ウィンストンセーラム/決勝錦織のコーチ以来!世界63位のベラルーシ選手が初優勝[ATP250 ウィンストンセーラム]

「父は僕に格闘技をやらせたがっていたんだから、おかしいよね。実際に始めたんだけど、何かを壊すんじゃないかってすごく怖かったから、あまり好きじゃなかった。だから行きたくなかったし、格闘するのは好きじゃなかった」とイバシカは語った。

「父は友達とテニスをしていて、いつも僕を連れて行っていた。僕はそれを見て好きになったから、テニスをしていいか父に聞いたんだ。そうしたら両親が手助けしてくれた。そして僕の人生を通してずっとそばにいて、コーチを見つけるのを助けてくれたり、上達のためにいいテニスセンターに入れてくれたりして、物事は自然に進んだよ」

5歳でプレーを始めてから、間もなくイバシカには自分で選んだ競技の才能があることが明らかになり、すぐに頭角を現した。彼はより上級のグループに入ることとなり、そこから先は、後戻りすることはなかった。

ミンスク生まれのイバシカは、スペイン人コーチで元選手のホセ・チェカ カルボ氏の下、これまでで最高のシーズンを楽しんだ。トップシードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)や元世界3位のマリン・チリッチ(クロアチア)らを倒して成し遂げたウィンストンセーラムでの優勝に加え、イバシカは「ウィンブルドン」で4回戦に進出し、四大大会で初めて2週目まで勝ち残った。世界ランキングの観点での最大の勝利は、予選から出場した5月の「ATP250 ミュンヘン」でのものだ。この大会でイバシカは、当時世界6位だったアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を倒して自身初となるトップ10選手からの勝利を挙げ、準決勝に進出した。

「今年はかなり安定していて、1年中予選から勝ち上がって、いい試合ができていたし、最善を尽くしていた。毎週毎週プレーが良くなっていたから、勝っても負けてもそれは問題ではなかった。ウィンストンセーラムではすごくいい感覚を持てていたよ」

「メンタル面で少しだけ成長したと思う。それによって以前より安定したし、毎試合に闘志を燃やせるようになった。ランキングは問題ではないよ。このレベルなら、誰に勝ってもおかしくないし、誰に負けてもおかしくないからね」

イバシカが初めてチェカ カルボ氏と組んだのは、前のコーチと決別することを決めた後、2018年にスペインでトレーニングをしていた時だ。チェカ カルボ氏との新たなパートナーシップは、選手として、そして人として、すぐさまイバシカの一番良いところを引き出したとイバシカは言う。

「ホセに会って5分間話をしたら、“おお”って感じだったよ。それ以来、僕らはすごくいい友人で、彼は僕にとって義理の兄貴みたいなものだ。彼はいつだって、コートの外でも中でも、あらゆる面で助けてくれる。彼が僕らの成功に果たした役割はすごく大きいよ」

「彼は僕とは性格が違うけど、それは僕が彼から学んでいることなんだ。彼はとても落ち着いている。僕は数年スペインで練習をしていたから、僕らはある意味で似ているし、スペインの人は何に対してもゆったり構えている」

「彼らは人生に対してすごく気楽に構えているんだ。ベラルーシの人にはちょっと違う気質があるから、スペインに行ったのは僕にとって良かった。バルセロナに戻ったら、彼には彼の、僕には僕の生活がある。彼には9ヶ月の子どもがいて、僕には妻がいる」

2021年の成績を31勝16敗で終えたイバシカは、自ら認める出不精で、街に繰り出して夜を過ごすよりも、妻と一緒にテレビを見たり、J.K.ローリングの本を読んで過ごすことを好む。自宅を離れて4~5週間過ごすと旅に疲れてしまい、家で過ごすのが楽しかったとイバシカは認めている。それでも、2021年に訪れた大会開催地には、仕事のために家を離れていても気にならない街が一つあったという。

「僕のお気に入りの大会の一つは“ATP250 サンクトペテルブルク”だよ。サンクトペテルブルクは世界で一番好きな街の一つなんだ。だって、どこに行っても博物館みたいだからね。素晴らしいよ」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ウィンブルドン」でのイバシカ

(Photo by Mike Hewitt/Getty Images)