ついに始まった立大の2017年度春季リーグ戦。試合は開幕戦ながら、延長12回を戦い抜く総力戦となる。投手陣は、オープン戦での好投で開幕投手を勝ち取った田中誠(コ2=大阪桐蔭)ら4人をつぎ込み食い下がる。打線も松﨑(文3=横浜)、笠松(コ4=大阪桐蔭)らが猛打賞の活躍を見せたが、あと一本が出ず。3時間56分に及ぶ死闘は、惜しくも引き分けに終わった。 

土壇場で値千金の本塁打を放つ山根

2点ビハインドで迎えた最終回。内野ゴロの間に1点を返すも、二死ランナーなし。試合終了まで、あと一人。しかし、この局面で打席に入った山根(営4=浦和学院)はいたって冷静であった。この日はすでに2安打を放っており、打撃は好調。「とにかく後ろのバッターにつなぐことを考えた」。直球を振りぬいた打球は左翼に一歩も追われることなくスタンドへ突き刺さった。まさに起死回生の一発が土壇場のチームを救う。ベンチ総出で山根を迎え入れ同点に追いついた試合は、両軍ともに初勝利をかけた意地のぶつかり合う延長戦へと突入する。

リーグ戦デビューを素晴らしい成績で飾った中川

球場の照明もつき、一球ごとに両軍の掛ける声も熱を帯びていく。延長10回。立大のマウンドは、9回から登板していたルーキー・中川(コ1=桐光学園)が続投した。右下手から130キロ台中盤の浮き上がる直球と、スライドしながら沈む変化球で相手打者を翻弄する技巧派右腕。「監督からはピンチになったらいくぞと言われていました。準備はできていました」と、延長戦に入っても変わらぬ投球をみせた。中でも延長12回の投球は、彼の投球を象徴していた。小林(3年=中京大中京)、中山(3年=履正社)らクリーンナップと対峙しても臆することなく直球で勝負するマウンド度胸。ランナーを2塁においても、投手前のゴロに飛び出したランナーを自ら刺す冷静なマウンドさばき。そのすべてが1年生とは思えない圧巻の投球で、法大打線を封じ込めた。結局、中川は12回までの4イニングをわずか45球、無失点に抑えてみせた。

立大の負けがなくなり、迎えた12回裏。打撃も期待されている中川に打席が回るも、ここは三振に倒れ試合終了。スタンドからは、熱戦を戦い抜いた両軍選手に大きな拍手が送られた。

 

この日、毎イニングの攻撃前に主将・熊谷(コ4=仙台育英)を中心とした円陣が組まれていた。全員で1点をとり、1点を守ろうとする姿勢はスローガンである「戮力同心」を体現している証。この姿勢こそが明日以降の勝ち点、そして18年ぶりの優勝へ必ずやつながるであろう。「個の能力」ではなく、「一体感」を追求した今年のチーム。自然と応援したくなってしまうこと、間違いない。

(4月15日・川村健裕)


◆コメント◆
主将の熊谷#10

「結果として引き分けに持ち込めたのは良いことだと思います。試合後は明日気持ちを切り替えていくということを話しました。バントを決めるべき時に決めなければいけないですし、バッテリーでもボールの高さが甘かったかと思います。今日は2番打者として機能できなかったことと、守備でも送球ミスをして点につながったしまったことは反省です。小さなミスでチームに迷惑をかけてしまいました。ビハインドになった時でも特に変わることなく、松崎などが盛り立てて引っ張りつつ、全員で元気出して戦っていました。4時間試合はとても疲れましたね。明日以降、自分が打てればもっと楽に勝てるはずですし、大事なポジションを守っているので、まだまだ今日は始まったばかりなので明日からまた切り替えて頑張っていきたいです。」


同点本塁打を放った山根#1
「チームの全員が負けないという気持ちを持ってやっていたので、皆に打たせてもらったと思っています。チームの勢いが今日はすごく良かったかなと思います。開幕戦ということで思い切ってやろうということだけは考えていました。後悔が残らないようにですね。自分が振ると決めたら振ろうと思っていました。ホームランを打った球種はストレートです。ストレートを狙っていました。ただ後ろに繋ぐことだけを考えて打ちにいったのですが、結果がホームランになったという感じです。見てくれている方がいる前で打てるというのはすごく気持ちいいなと思いました。明日は明日で重要な場面がくると思うので、そこで打てるように頑張りたいです。」


開幕投手を務めた田中誠#11
「初戦で、リーグ戦初めての先発で、全体的に球が高かったのでホームランを打たれましたし、追い込んでから痛打されたりしてしまいました。また監督さんがチャンスくれた時は、しっかり修正していきたいです。開幕投手は先週に伝えられました。ずっとオープン戦から先発でやってきていたので、開幕投手といって特に変わりはなかったのですが、いざ立つとなると無駄に力んだりだとかコースが一個甘かったりだとかしてたので修正したいです。緊張もそうですが、抑えにいこうとしすぎて無駄な力が入ったと思います。今日ですが、タイムで一回藤野(営2=川越東)が来てくれて、いい声かけしてくれていたので、今日も帰ってからしっかりと二人で話し合ってやりたいと思います。開幕戦でふがいないピッチングしてしまったので、次は見てた人を見返せるぐらいのピッチングをできるように頑張ろうと思います。」


初登板ながら好投した中川#15
「初登板でしたが、高校のときも1年生の夏の大会から投げていて、こういう大観衆の中でプレッシャーのかかった場面での登板は経験していたので、そういうところは自分でも強いと思っていて、気持ち良く投げられました。監督からはいつでもいける準備はしておくように言われていました。最終回に三振をとりましたが、三振であってもアウトを一つ取れればいいと思っていたので、低いボールを意識して投げて、結果的に三振を取れたので良かったと思います。最初のバッターを出してしまいましたが、ピンチになった方が自分の中でもスイッチが入ります。明日以降も、先輩が打って同点に追いついてくれるので、監督からもらった仕事をこなしていけばいいかなと思います。」