シニアの年齢制限を17歳以上に引き上げ、ノルウェー協会が提案 女子フィギュアスケート界では次々と若い才能が台頭している。11月27日にはグランプリ(GP)シリーズ第6戦ロシア杯で15歳のカミラ・ワリエワ(ロシア)がショートプログラム(SP)…

シニアの年齢制限を17歳以上に引き上げ、ノルウェー協会が提案

 女子フィギュアスケート界では次々と若い才能が台頭している。11月27日にはグランプリ(GP)シリーズ第6戦ロシア杯で15歳のカミラ・ワリエワ(ロシア)がショートプログラム(SP)、フリー、総合の全てで世界最高得点をマーク。そんな中、シニアの年齢制限引き上げ案が注目を集め、ロシアからは反論の声が上がっている。

 低年齢化が度々指摘されてきた女子フィギュアスケート界。ロシア放送局「ロシアトゥデー」は「ノルウェーが新たな年齢制限を提案 ロシアのフィギュアスケート界の天才たちへの脅威」との見出しで記事を掲載し、シニア年齢の引き上げ論争に注目した。

 記事によると、ノルウェースケート協会(NSA)はシニアの年齢制限を17歳以上に引き上げる案を国際スケート連盟(ISU)に提出。2022年のISU総会で話し合われる予定だという。現行の規定では、前年の7月1日時点で15歳になっていればシニアの大会に出場できるが、過去にも話し合われてきた年齢制限変更が、再び議題に上がった形だ。

 これに対し、ロシアのフィギュアスケート関係者たちが反応。ソルトレイクシティ五輪男子シングル金メダリストのアレクセイ・ヤグディン氏は「とても面白い」と嘲笑気味だったようで「ノルウェーさん、スケーターいましたっけ?」「バイアスロンとスキーから喘息持ちを禁止した方がいいんじゃない?」とコメントしたという。

重鎮タラソワ氏「私たちの女子選手は何歳だって勝てる」

 トリノ五輪金メダリストのエフゲニー・プルシェンコ氏は「私はこの話題に巻き込まれたくない」としつつ、「スポーツ人生はそこ(ジュニア)で終わりじゃない。スポーツでの長寿を求めている」などと同メディアに語った。一方で、数々の名スケーターを育ててきた母国のコーチ、重鎮タチアナ・タラソワ氏は「私たちの女子スケーターが勝利するのを止められるものなどない」と反論し、こう話したという。

「ノルウェーは何か提案するより、選手育成に励んだ方がいいでしょうね」「ノルウェーには一人もスケーターがいない。私たちの女子選手は何歳だろうが勝てる。彼女たちは最高だから」

 タラソワ氏は、2019年末のアリーナ・ザギトワの競技休止表明時に「年齢制限を引き上げる必要があります」などと発言。かねてからシニアの年齢制限を17、18歳にすべきだと提言していたが、今回は比較的実績の乏しい他国からの提案がお気に召さなかったのかもしれない。

 ロシアではワリエワだけでなく、今季シニアデビューしたダリア・ウサチョワやマイア・フロミフら15歳が早くも国際大会で表彰台に立つなど活躍。北京五輪代表争いは熾烈を極めている。(THE ANSWER編集部)