ダブルス元世界ランキング1位のペン・シューアイ(中国)の身の安全を確認させること、そしてその告発を調査することを中国に要…
ダブルス元世界ランキング1位のペン・シューアイ(中国)の身の安全を確認させること、そしてその告発を調査することを中国に要請していたWTA(女子テニス協会)が、それらが叶えられていないとして中国でのテニス大会開催を中断すると発表した。米大手ニュースメディア CNNなど複数のメディアが報じている。【関連記事】中国テニス選手の失踪劇、アメリカ大統領も巻き込む事態に
ペンは11月初め、中国共産党の最高幹部の一人で元副首相の張高麗氏からかつて性的暴行を受けたほか、不倫関係にあったとソーシャルメディア上で告発。その後、この投稿は中国当局によって削除され、本人は消息不明に。それらに対する疑惑や批判が持ち上がると、ペンからのメールとされるものがWTAのスティーブ・サイモン会長宛に届いたり、最新の本人の映像だとされるものが中国側で公開されたりしたものの、WTA側はそれらは信頼に足るものではないとして、中国側にペンと直接話をさせるよう呼びかけていた。
そんな中、CNNとのインタビューの中でサイモン会長は、ペンの告発に対して適切な調査が行われなければ、中国で今後ツアーを行わない姿勢を示していた。そのインタビューから約2週間後の12月1日、WTAは中国での大会をすべて中断すると表明している。
WTAは今回の声明の中で、ペンの自由が侵食されていないかが気がかりであることを示すとともに、彼女の告発に対して公正および透明性が確保された調査を実施するよう改めて訴えた。続けて、「理事会の全面的な賛同を得て、中国および香港でのWTA大会すべてを直ちに中断する」と発表。このような状態で選手たちに同国でプレーさせることの道徳性や、選手やスタッフが同国に行くことのリスクも考慮した結果だと説明している。
1988年の「ソウルオリンピック」でテニスがオリンピック競技として復活、さらに2010年代に「全豪オープン」と「全仏オープン」で優勝した元世界2位のリー・ナ(中国)の台頭によって、中国はテニスに多くの投資を行うように。伊ニュースサイト UBI Tennisによれば、2019年に中国が主催した9大会の賞金総額は3000万ドル(約34億円)超。これは同年行われたWTA全大会の賞金総額の17%に相当する。また、今年は新型コロナウイルスの影響でメキシコ開催となったが、中国は2019年に10億ドル(約1130億円)で「WTAファイナルズ」の10年契約を結んでいた。
巨大ビジネスが見込める中国での大会中断を発表したWTAの英断は、ペンの件に進展をもたらすのだろうか。
※為替レートは2021年12月2日時点
(テニスデイリー編集部)
※写真は2019年に中国の深センで行われた「WTAファイナルズ」でのバーティ
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)