9年前、プロレスラーである同級生の戦いを見てプロレスに魅了された上野勇希は12.5後楽園ホールDDT最強決定戦「D王 GRAND PRIX 2021 Ⅱ」優勝決定戦のリングで、その同級生・竹下幸之介の前に立つ。竹下に紹介されたジムに通い、竹…

9年前、プロレスラーである同級生の戦いを見てプロレスに魅了された上野勇希は12.5後楽園ホールDDT最強決定戦「D王 GRAND PRIX 2021 Ⅱ」優勝決定戦のリングで、その同級生・竹下幸之介の前に立つ。竹下に紹介されたジムに通い、竹下に背中を押されてDDTの入団試験を受けた。Aブロックを勝ち抜き、Bブロックを勝ち抜いた竹下と同じ立場でリングに上がる上野は今何を思うのか…

――上野選手への取材が2月以来になります。12月なので1年を振り返って頂きたいと思います。

上野勇希(以下 上野):常日頃必死に生きていまして、何が今年で何が去年なのか分からないのですけど…(苦笑)。

――分かりました(笑)。昨年末、当時は「DDTサウナ部」として活動を開始したThe 37KAMIINA。今年はThe 37KAMIINAがDDTを掻き回した1年でしたね。

上野:先日11.3 D王GP初戦が大田区で行われました。ちょうど1年前の11.3大田区で僕はクリス・ブルックス選手からDDT UNIVERSALベルトを獲得しました。その日がThe 37KAMIINAが始まった日ですね。

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――最近、小嶋斗偉選手が加入しましたが、竹下幸之介選手・MAO選手・勝俣瞬馬選手と同世代ユニットの「The 37KAMIINA」、1年間活動してきていかがですか?

上野:私生活で普段からサウナに行ったり仲良しですしリング上でも呼吸が合います。「サウナ」を通じて4人でいろいろなメディアに露出する機会も増えました。リング内外問わず、やりやすいですね。若者ばかりの珍しいユニット、とてもバランスが良いユニットだと思います。

――昨年2020年11月にクリス選手を破りDDT UNIVERSALベルトを獲得しました。第4代王者として防衛戦を重ねる姿を見て上野選手のレベルが上がったように感じます。

上野:DDT UNIVERSALを防衛していた期間は「ベルトに引っ張り上げてもらった」と言いますか…ベルトが有ったから色々な選手を挑戦者として迎えることができました。後楽園ホールのメインで試合もしたし無観客試合も経験しました。タイトルマッチ、そしてメインイベンターとしての責任を自分に与えることができたと思います。

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――DDT UNIVERSAL王座はMAO選手から始まり、翔太選手・坂口征夫選手、岡田佑介選手、高尾蒼馬選手、彰人選手と6度防衛しました。この中で印象に残っている試合はありますか?

上野:(振り返るように…)どの試合も凌ぎを削って戦いました。タイトルマッチって不思議なもので、試合日程が決まってから対戦相手のことばかりを考えます。もちろん前哨戦で戦う機会も多い。皆さん特徴のある方ばかりで印象に残っていますね。

――4度目の防衛戦である3.14後楽園 岡田選手とはタイトル戦の前にもシングルで対戦しましたね(1.23大阪)。今年1月に全日本プロレスを退団した岡田選手がDDTに来て、フリーの立場でリングに上がっていた時期ですね。

上野:当時、岡田選手はDDT所属前、僕とのタイトル戦を経て入団が決まったと聞いています。「DDTの所属になりたい」と思ってくれた要素の一つに僕との戦いがあると思うし、会社も僕との試合を観て「岡田を(DDTに)入団させたら面白いな」と感じてくれていたら嬉しいですね。

――同じユニットであるMAO選手との初防衛戦はいかがでしたか?

上野:The 37KAMIINAのメンバーであるMAOさんと戦ったことで「タイトルマッチでも楽しく挑めるんだ」と感じました。初防衛戦がMAOさんで本当に良かった。翔太選手は当時二冠王で勢いがありました。僕も勢いで走り続けていましたけど、それ以上に翔太選手はすごかった(苦笑)。とにかく「頭の戦い」で新鮮でしたね。坂口さんは一瞬でも気を抜いたら何があるか分からないので緊迫した戦いになりました。とにかくどの試合も印象に残っています。

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――2.14カルッツかわさきの坂口選手のタイトル戦で上野選手の殺気立った「黒い部分」を見た気がします(苦笑)。

上野:黒い部分ですか、以前対戦相手から良く言われていましたね。「お前、ほんまは腹の中で黒いこと考えているんだろう」と(笑)。でも僕は何もかも隠していない人間です。みんながそういう目線で僕を見てくれるようになったのかな?

――上野選手は「白」のイメージがあるから殺気立った部分が少しでも見えると、黒く感じてしまうのかも知れませんね(苦笑)。ところで以前MAO選手が「ベルトは選手をすごく成長させると思っていて、上野さんがDDT UNIVERSALを獲得して成長したのを間近で見ている」と話していました。それを聞いてThe 37KAMIINAはユニット内でも刺激を与え合っているのを感じました。

上野:それは嬉しいですね(笑)。The 37KAMIINAのメンバーはお互いがお互いのことを好きだしリスペクトしています。それに「負けたくない」。これはネガティブなものではなくポジティブな意味での「負けたくない」です。お互いの存在が活力になっていますね。

――あと記憶に残っているのが6.6さいたまスーパーアリーナで行われたCyberFight FES、竹下幸之介選手と組んでNOAHの清宮海斗選手・稲村愛輝選手と戦いました。

上野:(遠くを見るように)あれが6月ですか…早いですね。対抗戦で「自分たち(DDT)の持っているものを結果として残せた」という感覚。試合前後で僕自身なにかが変わったわけではありません。

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――そして4日後、6.10新宿FACEからKING OF DDTトーナメントが開幕しました。上野選手は1回戦、佐々木大輔選手と戦い金的攻撃からの丸め込みで敗れました。ここから8.21富士通スタジアム川崎まで佐々木選手との戦いが続きましたね。

上野:佐々木大輔の懐の深さを感じましたね。苦しかった期間ですが、その中から掴んだものもありました。タイトルマッチでもDAMNATIONのセコンドが介入し反則されたい放題でしたが、The 37KAMIINAのメンバーには手を出して欲しくなかった。反則も想定内でしたけど…結果として「佐々木大輔にしてやられた」という感じです。佐々木さんは発言力が強い、そこに引っ張られたくなかった。自分を貫きたかった、でも負けた。んっ…このムカつきは一旦置いておきます(笑)

<後編に続く>

<インフォメーション>
12.5後楽園ホールでDDT最強決定戦「D王 GRAND PRIX 2021 Ⅱ the FINAL」にて上野勇希選手と竹下幸之介選手の優勝決定戦が行われます。

熾烈なAブロックを勝ち上がり竹下選手の前に立つ上野選手。2021年 最強の称号を手にするのは果たしてどっちか!詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください

また試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで生配信されます

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取材・文/大楽 聡詞
写真提供/DDTプロレスリング

 

外部リンク

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