極めて競争が激しいプロテニスツアーで成功したければ、それにふさわしいメン…
極めて競争が激しいプロテニスツアーで成功したければ、それにふさわしいメンタリティや試合前の準備が必要だ。男女のプロテニス選手が様々なトピックについて語り合うCrosscourtというシリーズで、24歳のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)と23歳のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)が、試合前のルーティンやプレッシャーへの対処法まで、ロッカールームで何が起きるのかを話し合った。対談の様子をATP(男子プロテニス協会)公式オンラインメディアが伝えている。【実際の動画】試合前のルーティンなどを語り合うルブレフとサバレンカ
初めに、サバレンカが「男子のロッカールームでは何が起きているの?」とルブレフに問いかけた。更衣室では着替えや必要なことを済ませるだけで、対戦相手と話すこともなく、最長でも15分程度しか過ごさないというサバレンカに対し、ルブレフは気づけば更衣室で時間が経っているという。
「対戦相手には話しかけないけど、仲のいい選手がいれば話しかけることもあるよ。僕はちょっと怠け者だから、更衣室に着いたら40分くらい携帯を見ているね。いや、自分では1分のつもりなんだけど、実際には40分経っているんだ。それからシャワーを浴びると、もう午後になっているね」
ルブレフがこう語ると、サバレンカも「そのとおりね!私もそういう時があるわ」と笑いながら同意。次にルブレフが「試合前に30分ある時、決まってやることはある?」と聞くと、サバレンカはこう答えた。
「いつものウォームアップをして、あとはコーヒーでも飲むかな。試合に向けてきちんと準備を整えるの。ウォームアップの他には、チームと少し過ごしてリラックスするかもね。それから試合に臨むわ」
これを聞いたルブレフは、「ウォームアップはいつも同じ?シャワーはいつも同じ場所で浴びる?」と質問。これを受けて、サバレンカは、願掛けのようなお決まりの行動を意識してしまう時はあるが、できるだけしないようにしていると答え、同じことをルブレフに聞き返した。
「もちろん同じだよ。もし試合で勝ち始めたら、特にいい試合ができた時には、同じシャワーを使うよ、当然」とルブレフが答えると、「そのシャワーを別の人が使っていたらどうするの?」とサバレンカがすかさず尋ねた。
「僕の場合は、いつも一番遠いシャワーを使うんだ。たいていの選手はそんなに遠くまで行かないから、だいたいいつも空いているよ」とルブレフが説明。サバレンカも「それは賢いわね。私も真似しなきゃ」と感心。
いつものシャワーが空いていない時、サバレンカは「いいわ、これは関係ない。大事なのは私のテニスで、コートで何をするかよ」と自分に言い聞かせて別のシャワーを使うという。これを聞いたルブレフが「それでフォアハンドのミスをしたら、“なんでいつものシャワーを使わなかったんだ?”って思うんだよね」とからかうと、「いつだってそうよ、本当に」とサバレンカも笑いながら応じた。
試合前には誰もが緊張するという点で2人の意見が一致。「僕たち人間はみんな緊張する。硬くなって、手は震える。それは普通のことで、それもテニスの一部だ。最終的に、僕らはこれがやめられなくなると思うんだ。対処するまでもない。初めは、プレーしている時のこういう感覚が嫌で仕方ない。すごく緊張するからね。でも、もしこの感覚を奪われたら、実は僕らは中毒になっている。こういう感情を味わいたいんだよ」というルブレフの説明に、サバレンカも納得した表情で同意した。
対談の終盤、ルブレフが「試合に負けそうになったらどうする?何もかも壊したくなる?」と質問すると、サバレンカは「バッグを投げる時もあるし、ラケットを壊す時もあるわ」と告白。ルブレフが「ホテルの部屋を壊す時もある?」と聞くと、サバレンカはこう答えた。
「そうね、部屋に戻る時までには、少し冷静になっているの。だから、もう“このことは忘れよう”っていう感じになっているわ。でも更衣室ではちょっと泣くかもね。すごくがっかりして、悲しくて、そういう感情が渦巻いているの。もちろんあなたは泣かないと思うけど。あなたはただ壊すだけよね」
これを受けてルブレフが「いや、僕は泣きながら物を壊すよ」と応じると、「本当に?泣いているのを見てみたいわ。だって想像できないもの。あなたって本当に愉快な人に思えるから」とサバレンカ。最後まで笑顔の絶えない対談となった。
(テニスデイリー編集部)
※写真は「全米オープン」でのルブレフ
(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)