アマチュアボクシング全日本選手権 アマチュアボクシングの全日本選手権最終日は28日、東京・墨田区総合体育館で各階級の決勝が行われた。女子フライ級では、東京五輪同級銅メダリストの並木月海(自衛隊)が木下鈴花(日体大)に5-0の判定勝ち。初優勝…

アマチュアボクシング全日本選手権

 アマチュアボクシングの全日本選手権最終日は28日、東京・墨田区総合体育館で各階級の決勝が行われた。女子フライ級では、東京五輪同級銅メダリストの並木月海(自衛隊)が木下鈴花(日体大)に5-0の判定勝ち。初優勝を果たした。

 持ち味の素早いステップワークを駆使し、速い出入りから右ボディーやフックを当てた。飛び込んでからのストレートも再三ヒット。足を使いながらポイントを積み重ねた。国際大会では結果を残してきたが、全日本選手権は優勝なし。「なかなか日本で勝てず悩んだ時もあった。日本でもしっかり認められた」と笑顔を割かせた。

 海外では強い一発が評価され、国内では軽めのパンチもポイントになる傾向があるという。並木は持ち味の力強いパンチが評価されにくく「僅差で負けることが多かった」。それでも常に「世界で勝てるボクシング」を意識して練習。「目指すところが高かったおかげで全日本を獲れた」と喜んだ。

 キックボクシング界の“神童”那須川天心は幼なじみ。大会前には一緒に練習した。食事の席では「しっかり獲ってこい」と全日本Vの“指令”を受け「しっかり獲れてよかった。幼なじみに天心がいるのは刺激になる。試合を見ても刺激が大きいし、感謝の気持ちも大きい」と語った。

全日本初Vの後に語った女子ボクシングの魅力

 五輪から注目が上がったことを実感。メダリストとして、女子ボクシングの何を見せていきたいのか。愛くるしい笑顔とは裏腹に、23歳は熱いハートをのぞかせた。

「3分×3ラウンドの短い時間の中で手数の多さだったり、駆け引きがあります。いろんなものに注目してほしい。気持ちの強い選手も多いです。少しでも見てもらえれば、少しでも興味を持ってもらえれば嬉しいです。私は女子ボクシングにもっと注目してもらいたいと思って頑張りたい。今後、続いていかないと忘れられてしまう。いろんな大会で結果を残して注目してもらいたい」

 当面の目標はアジア選手権。24年パリ五輪を視野に入れて拳を振る。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)