JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ最終R 女子ゴルフの今季最終戦、国内メジャー・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎CC、6543ヤード、パー72)は28日、最終ラウンド(R)が行われ、25歳の三ヶ島かな(ランテ…

JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ最終R

 女子ゴルフの今季最終戦、国内メジャー・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎CC、6543ヤード、パー72)は28日、最終ラウンド(R)が行われ、25歳の三ヶ島かな(ランテック)がツアー初優勝をメジャー制覇で飾った。単独首位で出て、4バーディー、2ボギーの70で回り、通算11アンダー。2位以下に4打差をつける完勝だった。優勝会見では、自分へのご褒美に「500~600万円する」というロレックスの高級腕時計を買うことを明かした。

 真っ赤な優勝ブレザーを着た三ヶ島が、笑顔で明かした。「今年になって、『優勝したら』と決めていました。ロレックスの時計を買いにいこうと思います」。値段を聞くと、首をすくめながら言った。

「500~600万円くらいですね」

 プロ6年目の最終戦。そのモチベーションも力に、ついにツアー初優勝を飾った。賞金女王を狙う古江彩佳の「覇気」も感じながら、乗り切った。

「目の前のことに集中していましたが、15番で手が震えていることに気づきました。そこで、『まだまだやるんだ。ビクビクしちゃダメだ』と奮起しましたが、2打目がバンカー(のアゴ)に突き刺さって、『何で~』と思いました。でも、キャディーさんが『思い切り打って』と言ってくれて、迷いが消えました。ボギーにはなりましたが、あれが大きかったです」

 次の16番パー3では、グリーン右のラフからチップインバーディーを決め、右手を5度上下させた。「悪い流れを断ち切れました」。この時点で古江と小祝さくらに4打差をつけ、勝利をほぼ手中にした。

「ただ、最後まで何が起こるか分からないと思い、集中していました。優勝が決まって仲間が駆け寄ってくれたときはうれしかったのですが、まだまだ何勝もしたいので、これで油断せず、気を引き締めようと思いました」

若手の台頭に「『もう、ダメなのかな』と思った時もありましたが…」

 10歳からゴルフを始め、2015年に初めて受けたプロテストは不合格。20歳前後で勝利を重ねるエリートたちとは違い、コツコツと成績を上げてきた。優勝争いは過去5度あるが、2019年10月の富士通レディースでアマチュアだった古江に敗れ、2位に終わった際は「私は何をやっているのか」と落ち込んだという。

 その古江にもリベンジを果たし、18番グリーンを降りると、父・直さんの姿が目に入った。「来ると聞いていなかったのですが、途中に似ている人がいるな~とは思っていました。前は(キャディーとして)バッグを担いでくれていたのですが、こうして目の前で優勝できて良かったです」

 そして、女子ゴルフ界も現状も踏まえ、「若い子たちがすごくて、『もう、ダメなのかな』と思った時もありましたが、優勝者が集まるこの大会で勝てたことがうれしいですし、若い子たちに『勢いだけでは勝てない』と示せたかなと思います」と胸を張った。

 ツアー初優勝がメジャー大会になったことで、3年シードも手にした。本人は「それを使わないにこしたことはないですね」と言いながら、「体の休め方を覚える3年間にできたらと思います」と、ビジョンも口にした。(THE ANSWER編集部)