日本ハムが主力級の中堅3選手を「放出」したことが、球界に波紋を呼んでいる。西川遥輝外野手、秋吉亮投手、大田泰示外野手を…

 日本ハムが主力級の中堅3選手を「放出」したことが、球界に波紋を呼んでいる。西川遥輝外野手、秋吉亮投手、大田泰示外野手を自由契約にすると発表したのが16日。稲葉篤紀GMは「ノンテンダーとすることを選択した。選手に制約のない状態で、海外を含めた移籍先を選択できることが重要と考えた。ファイターズとの再契約の可能性を閉ざすものではない」との談話を発表して説明した。

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 その後、3選手の去就について新たな続報は出ていない。形式上、まだ自由契約選手としては提示されていないため、まだ現在も保有権は日本ハムにあり他球団は交渉できない。12球団は今月末を期限に、来季も契約続行を希望する選手たちを契約保留者名簿としてNPBに提出する。12月2日に契約保留者名簿は公示され、ここに記載されなかった選手は自由契約となる。前述の3選手は、この公示を以て海外を含む全球団との交渉が解禁となる。

 日本ハムは昨年も同様の形で村田透投手を自由契約とし、その後に野球協約の減額制限を超える年俸大幅減の上で再契約している。村田の例からも分かる通り、球団側は現在の年俸では成績と不釣り合いと判断して、こうした処置がとられる。西川、大田、秋吉の3選手とも、日本ハム側は大幅減俸した上での再契約の可能性は否定していない。

 戦力外ではないが、今の金銭条件では来季構想には入ってこない。そんな、悪く言えば中途半端な立ち位置の中堅選手が、こうした「ノンテンダーFA」の対象となりやすい。メジャーリーグでは、毎年相当数の選手がノンテンダーFAとなる。昨年12月には計56人がノンテンダーFAとして市場に放出された。

 日本ではなじみの薄いノンテンダーFAだが、メジャーリーグでこれだけ多くの選手が対象となるのは、両リーグの選手契約事情の大きな違いが背景にある。

 まずメジャーリーグでは、契約年数が切れたFA有資格選手は、オートマチックにFAとなる。加えて日本と比べると、年俸調停制度がしっかりと機能している。メジャーリーグではサービス(実働)年数が3年を超えた選手は年俸調停権を得る。それまではどれだけ活躍した新人でも、ほぼ最低年俸(約6000万円)に近い額で安く飼い慣らされる。ただ調停権を得ると、年俸の大幅アップが可能だ。そこまでレギュラークラスの活躍をしていれば、4年目からは安く見積もっても3億円以上の年俸を手にできる。調停では選手側と球団側が互いに希望する金額を申告し、いずれかの額に決着する。そうなると、自然と予想年俸の幅が分かってくる。

 例えば4年目までは活躍したが、5年目にトミー・ジョン手術した投手がいたとする。全治1年以上で、6年目は全休が決定的。それでも過去の実績から鑑みて、調停では数億円の年俸に落ち着くことが予想される。こうした選手はノンテンダーFAとして放出されるか、将来性を見込まれて長期契約が検討されるか、いずれかの道をたどることになる。

 日本ではFA権を保有しても、選手自らが宣言して手を上げない限り、FAにはならない。また年俸調停制度も骨抜きで全く機能していない。初めて調停申請したのは1972年、阪神のレオン・マックファーデンだったのだが、そこから50年近く経つが申請者は累計7人止まり。2010年、西武の涌井秀章を最後に申請者はいない。調停が機能しないため、来季年俸の予想レンジを超えた減俸も可能で、ノンテンダーFAが生まれにくい土壌がある。

 3選手の去就先がどうなるのかはまだ分からないが、実績ある主力選手への処置というのは球界への一つの問題提起にはなろう。移籍の活性化は、本来は選手側の日本プロ野球選手会が強く訴えていたことでもある。ただ、その件に対して球団側が警告し続けてきたように、そうなることで職を失う中堅選手が多く出ることも、容易に想像できる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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