スポーツの秋、文化芸術の秋… 穏やかな気候のもと様々なカルチャーが盛り上がるこの季節。ストリートカルチャーも同様に、去る11月23日(日)、カルチャーの”メッカ”と称される代々木公園にて、一般社団法人渋谷未来デザインが主管する『Next G…

スポーツの秋、文化芸術の秋… 穏やかな気候のもと様々なカルチャーが盛り上がるこの季節。ストリートカルチャーも同様に、去る11月23日(日)、カルチャーの”メッカ”と称される代々木公園にて、一般社団法人渋谷未来デザインが主管する『Next Generations Games 2021』が開催された。

このイベントは今年で4回目となる、中学3年生以下を対象としたコンペティション。ストリートスポーツの振興、およびマナー向上の啓蒙を目的として開催されている。

イベントの特徴は大きく2つ。まずは上述の通り、中学3年生以下の”次世代”を担うプレイヤー達を対象として、ストリートカルチャーはブレイキン(ブレイクダンス)とダブルダッチで競い合うこと。
そしてもう1つは「Shibuya Sports Academy」(以下「アカデミー」) と呼ばれる講義を受けた大学生たちが中心となり、このイベントを創り上げていること。FINEPLAYでは過去に特集も行っているので、詳しくはそちらをご覧頂きたい。

出場する選手にも、そしてアカデミーを受講し運営に携わる大学生たちにとっても、Gamesは日々の努力が表れる運命の一日。朝の代々木公園の張りつめた空気感は、気温の冷たさだけではなかったように思う。

ダブルダッチ

男女混合で開催されるダブルダッチは、KIDSシーンで名を轟かせるプレイヤーが一挙に集結。決勝で競り合ったのは、北海道より 太耀 a.k.a. sunny と、キッズ最強と名高いチーム”No Logic”より Yu-Yu。

sunnyのブレイキンスタイルと、Yu-Yuのヒップホップスタイル。ダブルダッチの”スタイルウォーズ”となったこのバトルは、ダンス関係者すらも息を呑む展開に。キッズ同士の対決とは思えない白熱した接戦は、まさにGamesの盛り上がりを象徴する一戦となった。
両者ともに譲らないバトルだったが、軍配が上がったのはYu-Yu! 翌月に控える国際大会制覇に向けて弾みをつける形となった。


Yu-Yu / ©NEXT GENERATIONS: Jason Halayko

ブレイキン

ブレイキンではBBOY・BGIRLと二部門に分けて開催された。予選はサイファー形式で行われ、エントリーした多くのBBOY・BGIRLたちがそれぞれのスキルを、サイファーの中でぶつけあった。

狭い空間の中でクラウドになり、パワームーブなどの動きが制限される中、立ち技やフットワークを巧みに使い、ブレイキンの一つのカルチャーである「サイファー」を制したプレイヤーがインパクトを残した印象を受けた。


サイファー予選の様子 / ©NEXT GENERATIONS: Jason Halayko

■BGIRL部門
BGIRL部門の決勝戦は BGIRL Yumeto と BGIRL KAEDIE の戦い。BGIRL Yumeto は、音楽に乗ったステップに加えて完成度の高いパワームーブを展開していく。対する BGIRL KAEDIE はタイトなフットワークを中心に、まとまりのあるムーブで対抗する。


BGIRL Yumeto / ©NEXT GENERATIONS: Jason Halayko

激戦の結果、優勝の称号は BGIRL Yumeto が勝ち取った。彼女は2ムーブ目でもまったく疲れを感じさせず、難易度の高いパワームーブ「エルボーエアー」を決め、会場を大いに湧かせた。BGIRL Yumeto は昨年の NEXT GENERATIONS GAMES では準優勝であり、見事昨年の雪辱を果たした。


左からBGIRL Yumeto、Shigekix、BGIRL KAEDIE / ©NEXT GENERATIONS: Jason Halayko

■BBOY部門
BBOY部門の決勝戦は、From 福井県からBBOY MAHIRO と From 兵庫県の BBOY RA1ON の戦い。先攻の BBOY MAHIRO は 2000(ツーサウザンド)などのパワームーブを中心に、ムーブを組み立てていく。対する BBOY RA1ON は落ち着いた立ち技やフットワークで、音楽にマッチした動きを見せていく。更にはパワームーブの中にオリジナリティあふれる動きを入れ込み、会場をロックした。


BBOY RA1ON / ©NEXT GENERATIONS: Jason Halayko

結果は BBOY RA1ON が勝利し、見事 NEXT GENERATIONS GAMES 二連覇を達成。彼のムーブ、そしてバトルにおいての立ち振る舞いからは、勝利に対する貪欲な気持ちが感じられ、圧倒的なチャンピオンのオーラを放っていた。


左からBBOY MAHIRO、Shigekix、BBOY RA1ON / ©NEXT GENERATIONS: Jason Halayko

創意工夫の詰まったイベントに

このほか、各バトル優勝者による”ウィニングムーブ”が披露された。優勝者が最後にワンムーブを披露するという斬新な試みは、アカデミーの学生が発案したもの。3名の選手が勝敗のしがらみなくムーブを披露する姿は、想像以上の盛り上がりを生み、会場は更に一体となった。


Yu-Yu / ©NEXT GENERATIONS: Jason Halayko
BGIRL Yumeto / ©NEXT GENERATIONS: Jason Halayko
BBOY RA1ON / ©NEXT GENERATIONS: Jason Halayko

そしてNext Generationsが支援するSDGsの啓蒙活動として、トートバッグの配布も実施。そのバッグに出たゴミを入れて持ち帰ってもらいたい、 ”モノ”としてSDGsを身近に感じてもらいたいという粋なアイディアも、アカデミーの学生発だ。

またライブペイントブースでは「自分たちの渋谷」をテーマに、3人の学生が会場を彩った。ライブペイント自体は初だったという3人だが、それぞれが街や会場から受けたインスピレーションを元に堂々たる作品を創り上げた。


ライブペイントする学生たち / ©NEXT GENERATIONS: Jason Halayko

開催を終え、テント裏で手ごたえに浸るアカデミーの学生たちの表情が忘れられない。お互いを労いあう表情と会話に、イベントを創ってきた彼らのドラマの一部を垣間見た。
「イベントが目的ではなくて、目的があるからイベントがある」インタビューで彼らが答えてくれた言葉に、未だに心が突き動かされている。

このイベントを通し、選手たちはどんな目的を叶えることが出来ただろうか。あるいは叶わなかったとしても、その思いごと次へのエナジーとして繋げて欲しいと強く願う、そんな素晴らしい一日であった。この日集った若い野心と思いは、渋谷の地に新しい息吹をもたらし、次の時代へと繋がっていくことだろう――。

なお、このイベントの模様はライブ配信も実施。そのアーカイブがYouTubeチャンネルに掲載されているので、併せてご覧頂きたい。

イベント概要

「Next Generations Games 2021」
主催:Next Generations 実行委員会
主管:一般社団法人渋谷未来デザイン
助成:公益財団法人日本財団
協賛:KDDI株式会社 / GoPro合同会社 / DAZN Japan Investment合同会社 / 東急株式会社 / 東急不動産株式会社 / 株式会社ミクシィ
後援:渋谷区 / 渋谷区教育委員会 / 公益社団法人日本ダンススポーツ連盟 / 一般財団法人日本ジャンプロープ連合
運営協力:株式会社スポーツビズ / 株式会社IAM / 有限会社OVER THUMPZ

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