来年2月に開催される北京五輪に向け、既に戦い真っ只中のフィギュアスケート。中でも世間の注目が集まっているのは、羽生結弦の五輪3連覇や紀平梨花、坂本花織とロシア勢の対決といった、いずれもシングル競技が大半だろう。一方で、今季はア…

 来年2月に開催される北京五輪に向け、既に戦い真っ只中のフィギュアスケート。

中でも世間の注目が集まっているのは、羽生結弦の五輪3連覇や紀平梨花、坂本花織とロシア勢の対決といった、いずれもシングル競技が大半だろう。

一方で、今季はアイスダンスで髙橋大輔&村元哉中ペアが怒涛の日本歴代最高点更新ラッシュをみせているほか、ペアでは木原龍一&三浦璃来組が、GPシリーズ・スケートアメリカで日本人同士ペア初の銀メダルに輝くと、NHK杯では3位と2大会連続表彰台に上がるなど驚異的な成長をみせており、ペア競技への注目も高まってきている。

そのペア競技について、ソチ五輪ペア代表で世界選手権銅メダリストの高橋成美さん、さらには女子シングル元日本代表・中野友加里さん、バンクーバー五輪代表・小塚崇彦さんが、スポーツアンカー田中大貴氏のYouTubeチャンネル「田中大貴のアスリートチャンネル」内で、競技普及やシングルとの比較について繰り広げた。

【動画】中野友加里、小塚崇彦、高橋成美が語る「種目の選び方って実は◯◯!」

ペア競技の「トライアウト事情」とは・・・


 
元々スケートを始めた当初は、シングルスケーターだった高橋さん。

自身がペアに転向したきっかけは、父親の転勤先の中国でシングルよりも主流だったからだというが、最近のペア競技のスタート傾向についてこのように述べている。

「シングルでトップにいけない人がペアやアイスダンスに回されることが多いなと。ただ最近は、ペア、アイスダンスも、自分からやりたいと言って始める子が多い傾向にあるように感じます」

近年は「トライアウト」が開催され、女子選手が一度男性と組み、「合う、合わない」や、自分ができるかどうかを試す場が設けられている。

だが、現役時代から世界各国で競技を経験してきている高橋さんは、そのトライアウトについて日本と海外でこのような違いを感じているという。

「日本のトライアウトの文化にちょっと問題提起したいことがあって・・・。海外だと、1週間のうち7人くらいとトライアウトをして、選ぶ、選ばないといった感じになっています。一方で、日本は1人対数名のオーディション的な感じになるんですよね。
なので、セッティングも大掛かりになるし、別れたら別れたでニュースになったり。組んだら別れられないという感じになっているんです」

海外だとペア選びもフランクに行われているが、それに比べると日本の場合は小塚さん曰く「若干バチェラー状態」だという日本国内でのペア競技人口の実情。

一方、ペア競技経験者でもある中野さんは、自身の体験を踏まえ、ペアのむずかしさについてこのように語る。

「やってみて思ったのは、ペアってやっぱり相性なので、自分の癖と相手の癖を合わせなきゃいけない。そこが合うかどうかかなって。やってみて、こんなにも合う合わないがあるんだなと感じました。タイミング一つとってもそれが全く合っていないと、跳び方から変えないといけないので、サイドバイサイド(ペア競技に用いられる技。二人が隣り合った位置で同じ技を行なうことを指す。ジャンプの他にも、スピン、ステップもおこなわれる)の場合は大変かなと思います」

加えて小塚さんも、「トゥループ一つとっても、インスリーから跳ぶ人、モホークから跳ぶ人、そしてスリーターンから跳ぶ人の3種類がありますからね」

と、シングル競技者からペアに転向するむずかしさの一つとして、それぞれが自身のジャンプの特性を合わせることについても挙げた。

なお、動画内ではこのほか、小塚さんが大学院の研究でおこなった浅田真央さんの「垂直跳び測定」エピソードなどについても語られている。


【動画】中野友加里、小塚崇彦、高橋成美が語る「種目の選び方って実は◯◯!」

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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